りゅうちぇる自殺はホルモンバランス?――海外の研究を見てわかったこと

りゅうちぇるの自殺

ホワイトハウスのコカインは誰の仕業かわからないと報告されました。やっぱりね。以上。

さてタレントのりゅうちぇる(ryuchell)が遺体で発見され、波紋が広がっています。自殺とみられるという。27歳でした。

動機などはわかっていませんが、「最近ホルモンバランスが悪い」と周囲に悩みを打ち明けていたと文春が報じています。

この記事が引き金になっているかもしれませんが、すっかりホルモン治療を受けて精神バランスを崩したため自殺したかのような説が流布されています。ただ、りゅうちぇるが実際にホルモン治療を受けていたかはわかりません。

一方で、実際にホルモンを投与した人はメンタルが脆くなると言っている人もいます。

性転換が政治化されている

アメリカではバイデン政権が多様化の一環として性転換を推進しており、それが先ごろ、日本がLGBT法案を急いで可決したことにも影響しているのは間違いないでしょう。

アメリカの民主党の州、つまり左派州では、ホルモン治療や性転換外科手術が積極的というかむしろ押しつけがましく行われ、それだけでなく、親が反対した場合、子供を引き離す法案まで可決されているのです。

先ごろ大谷選手も出場したメジャーリーグのオールスターゲームが行われたワシントン州のジェイ・インスリー州知事(民主党)は、性転換に同意しない親から子供を引き離し、居場所を隠すことができるようにする法案SB5599に署名しました。

ほかにもミネソタ州、カリフォルニア州などでも親の権利を剥奪する法案が可決されています。

しかもワシントン州の首都シアトルでは、公立の中高学校で親に内緒で性転換治療を無料でサービスしているという。

このサービスには「ジェンダーを肯定する薬(エストロゲン、アンドロゲン遮断薬、テストステロンなど)と注射」、「思春期のホルモン療法と、必要に応じて若い患者のための専門家の紹介」、「ジェンダーを肯定する手術の紹介」などが含まれます。

そのためかわかりませんが、シアトルの公立学校ではここ3年の間に、ノンバイナリーの学生が853%も増加したという。尋常ではない数字です。

あなたのお子さんはこのような学校に通わせたいですか?

民主党支持者でさえ性転換を反対している

一方、共和党が主導する保守州では、未成年の性転換手術、ホルモン療法、思春期ブロッカー(阻害剤)を禁止する法案が可決されており、完全に分断されています。

4月の時点で12の州が子どもの性転換手術を禁止しており、さらに19州が同様の法案を提出中でしたので、現在ではこの数字は動いているかもしれません。

バイデン政権の保健福祉省(HHS)ザビエル・ベセラ長官は、こうした保守州を批判し、メディケイド(医療保険)を差し止めると脅しました。

「おたくの州にメディケイドを受けさせたいのであれば、その項目にチェックを入れろ」↓

しかしハーバード・キャップス・ハリスの世論調査によると、米国の有権者の78%が18歳未満の性転換を制限することを支持しており、民主党支持者でさえ67%の人が支持しています。

子供の性転換を認めるべきだと答えたのは、共和党支持者11%、民主党支持者33%、無党派23%だけでした。

スウェーデンの研究「自殺のリスクが高い」

上に挙げたのは未成年や子供の性転換に関してですが、実際、ホルモン治療や性転換手術が精神バランスに与える影響はどうなっているのでしょう。ちょっと調べてみました。

スウェーデンの研究では、性転換者の総死亡率は、同じ出生性別の対照群よりも高く、特に自殺による死亡が多かったと報告しています。また、自殺企図および精神科入院のリスクも高かったという。

この研究は、2011年2月に発表されています。

「性転換後のトランスセクシュアル患者は、一般集団に比べて死亡率、自殺行動、精神疾患のリスクがかなり高い。我々の知見は、性転換は性別違和を緩和するものの、性転換症の治療としては十分ではないことを示唆しており、この患者群に対する性転換後の精神・身体ケアの改善を促すべきである」

性転換手術を受けた性転換者の長期追跡調査:スウェーデンにおけるコホート研究 /NLM

ノルウェーは制限を厳しくする

またノルウェーでは、青少年のホルモン療法と性転換手術に厳しい制限を設けるという。

現在のガイドラインでは、9歳から思春期ブロッカーを開始することができ、ホルモン療法は16歳から、性転換手術は18歳から許可されているとのこと。

しかしノルウェー医療調査委員会(NHIB/UKOM)の報告書によると、現行のガイドラインはエビデンスに基づいておらず、改定が必要だと指摘しているという。

それによると、ジェンダー・クリニックを受診する青少年、特に女性の劇的な増加、この新しいコホートで観察される精神疾患の併存率の高さ、ADHD、自閉症、トゥレット障害などの神経認知疾患の有病率の高さに憂慮を示しています。

タイの研究

2022年1月に公開されたタイの研究もありました。タイと言えばトランスジェンダーのメッカというイメージがありますが、ただ男性→女性への性転換に特化していて、逆はあまりないかもしれません。

研究によると、シスジェンダー(生まれた時の性別と性自認が一致)に比べ、トランスジェンダー女性は不安障害、感情障害、自殺傾向、薬物乱用などの精神障害を発症するリスクが高いと述べています。

性転換治療は彼らの苦痛を軽減する可能性があるが、性別移行後もトランスジェンダーは精神的健康問題のリスクが高いままだと指摘しています。

その独特な文化と伝統の中で、タイのトランスジェンダーは内的汚名と社会的差別を経験しており、その二次的作用としてアイデンティティの開示のタイミングが遅れ、自身のアイデンティティの認識さえも遅れることがあるといい、しばしば神経発達障害を併発し、性自認の発達を妨げると指摘しています。

タイのトランス女性における複雑な精神疾患の併存:ケースシリーズ /NLM

41.5%がメンタルに問題

アメリカの研究です。

2012~2015年にかけてシカゴとボストンで実施されたトランスジェンダー女性(16~29歳)を対象にした研究報告です。

この研究では1つ以上の診断、2つ以上の併存診断から、うつ病のエピソード(現在および生涯)、過去30日間の自殺リスク、過去6ヵ月の全般性不安障害および心的外傷後ストレス障害、過去12ヵ月のアルコール依存および非アルコール精神作用物質使用依存を含む、精神保健および物質依存障害の年齢および部位調整有病率および併存疾患を調べているという。

その結果、298人のトランスジェンダー女性のうち、41.5%が1つ以上のメンタルヘルスまたは物質依存の診断を受けており、5人に1人(20.1%)が2つ以上の精神医学的診断を併発していたとのこと。

具体的な疾患は、障害における大うつ病エピソード35.4%、現在の大うつ病エピソード14.7%、自殺傾向20.2%、全般性不安障害7.9%、心的外傷後ストレス障害9.8%、アルコール依存11.2%、アルコール以外の精神作用物質使用依存15.2%。

「このメンタルヘルスと薬物依存障害に対処するためには、日常的なプライマリケア、診断スクリーニング、精神療法、薬理学的治療へのアクセスを改善し、地域、小児科、思春期医療の臨床現場でケアを継続することが緊急に必要である。危険因子を理解し、心理社会的介入の最適なタイミングと標的を特定するためには、さらなる研究、特に発育期にわたる縦断的研究が不可欠である。」

若いトランスジェンダー女性の多様なコホートにおける精神医学的診断と併存疾患 /NLM

リスクは否定できない

以上から考えて、性転換やホルモン療法によりメンタルバランスを損なうリスクは否定できないように思えます。

りゅうちぇるがどうだったかはわかりませんが、もしそうだったとしたら、本人もですが周囲も気をつけなければならなかったかもしれません。

周囲とは、罵声を浴びせていたネット民たちも含まれるのでは。

蛇足ですが、ホロスコープ的に言えばりゅうちぇるは、ああ見えて精神に問題が出る可能性がある暗示がありました。だから特に気をつけなければならなかったと思います。

性自認は、あくまで個人の個性です。

でも政治が押しつけるものではないかと。


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