ジュリアン・アサンジ、刑務所内で脳卒中に

ジュリアン・アサンジが脳卒中に

ウィキリークスの創始者で現在イギリスに拘留中のジュリアン・アサンジ氏が、刑務所内で脳卒中を起こしたとのことです。

アサンジ氏に対しては12月10日にイギリスの高等法院(高等裁判所)が、米国への身柄引き渡しを承認する判決を下していました。この判決に対してアサンジ氏側は、速やかに上訴すると表明しています。

アサンジ氏はイギリスのベルマーシュ刑務所に身柄を拘束されています。

右まぶたを閉じることが出来ず、記憶障害が残る

これはアサンジ氏の婚約者ステラ・モリス氏が10日に明らかにしたものです。モリス氏は弁護士でもあります。

アサンジ氏は現在進行中の米国への身柄引き渡しに関する裁判で受けたストレスや、長い獄中生活によって健康状態が悪化したと考えられています。

脳卒中の症状は、10月27日にリモート回線を通じて高等法院に出廷した際に発症したといい、右まぶたが垂れ下がって閉じることができず、記憶障害と神経障害の兆候が残っていて記憶が曖昧だといいます。

アサンジ氏は医師の診断を受け、目に光を当てたときに瞳孔の反応の遅れが見られ、神経損傷の可能性が指摘されたようです。現在は抗脳卒中薬を服用しているとのことです。

長期間の拘束によるストレスが原因か

モリス氏は「ジュリアンは苦労しており、この予備症状がさらに大きな発作の前兆になるのではないかと恐れています。この法廷闘争が長引けば長引くほど、彼の生命力に対する私たちの不安は増しています。」と述べています。

「早急に解決する必要があります。動物園の檻の中に入れられている動物を見てください。それは命を削ります。ジュリアンに起きているのはそれです。終わりのない裁判はメンタルに究極にストレスをかけます。」

また長時間独房に閉じ込められていることによって、新鮮な空気や、十分な必要な食事、必要な刺激が不足していると主張しています。

逮捕の経緯

2019年にイギリス警察に逮捕され拘束されていたウィキリークスのジュリアン・アサンジ氏ですが、もともとは性犯罪の容疑により2010年にスウェーデンから国際指名手配されていました。

2010年末にロンドン警察に出頭し逮捕され、その後保釈されています。

2012年にエクアドルに亡命し、その後エクアドル大使館で生活していました。それまで容認的なエクアドルでしたが、2017年に新しく就任したレニン・モレノ大統領が、アサンジ氏に批判的な姿勢を示したのです。

2019年4月11日にエクアドル大使館がイギリス警察を招聘し、逮捕されています。

なお肝心の性犯罪容疑に関しては、2019年11月19日にスウェーデンの検察が捜査打ち切りを発表しています。

アサンジ重要参考人の証言はでっち上げだった

米国は政府などの機密情報をリークしたとして、アサンジ氏を不正アクセスに関わった疑いなど20近い罪状で起訴しており、イギリス側に身柄引き渡しの要求をしていました。

しかし今年6月にアイスランドのオンラインメディア「STUNDIN」が、アサンジ氏に関してFBIに証言していた重要証人シグルドゥル・インギ・ソルダーソン氏が、証言をでっち上げて嘘をついていたことをスッパ抜きました。本人が認めました。

ソルダーソン氏は元ボランティアとしてウィキリークスを手伝っていましたが、横領と詐欺で2012年にウィキリークスから刑事告発されており、有罪になっていました。

ソルダーソン氏はウィキリークスに追求されていた頃、アイスランドの米国大使館に泣きつき、情報提供を条件に訴追から逃れるよう懇願したのです。

アサンジ憎しの米当局はすぐに飛びつき、ソルダーソン氏をデンマークに連れ出して証言をさせました。

しかしこれらの証言は全部嘘っぱちだったどころか、メディアから取材料や旅費などを巻き上げていた大ひんしゅく野郎だったのです。

※これについて詳しくは↓

『衝撃情報』ジュリアン・アサンジの重要証人「証言はウソぴょーん」――FBIや米司法省と司法取引していた

2021年6月28日

CIAのハッキングツールをリークしたことで米側は激怒

またウィキリークスは2017年に、CIAの秘密のハッキングツール「Vault 7」のリークをしています。

これは「CIA史上最大のデータ損失」と言われ、政府高官達の怒りを買いました。

当時CIA長官だったマイク・ポンペオ氏は激怒し、復讐するためにアサンジ氏の誘拐や殺害についてCIA内で議論されたといいます。

トンランプ大統領はこの件について知らされていなかったといい、なぜならポンペオ氏はトランプ氏の怒りを買うのを恐れたからだと言われています。

※これについて詳しくは↓

CIAはジュリアン・アサンジの殺害もしくは誘拐を企てていた――新たな報道で明らかに

2021年9月27日

人権と拘束、どちらが重要か

モリス氏は「実刑判決を受けていない者が何年も刑務所に拘束されるのは、依然として激しい怒りを覚える」と述べています。

「アメリカはあらゆる段階においてダーティーな手を使う。この戦いは消耗戦です。」

このあと最高裁に上訴したとしたら、また拘束期間が伸びて戦いが長期化することが予想されます。モリス氏とアサンジ氏の間には2才と4才の子供がいるようですが、ずっと離れたままの生活を送っていることにもアサンジ氏は苦痛を感じているとのこと。

日本でも名古屋出入国在留管理局に収容されていたスリランカ人が死亡した事件がありました。体調が悪化し医療の診察を求めても、必要なしと言われたと報じられています。

ギレーヌ・マックスウェル氏もニューヨークの拘留施設で人扱いされていないと主張しています。

山羊座時代の終わりが近づき、人権と拘束が最近注目されています。

ではこの辺で失礼します。


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