ルーシー・レトビーに有罪評決
ルーシー・レトビーという名前を聞いてピンと来る人はいるだろうか。以前当ブログで一回だけ取り上げたことがある。
ルーシー・レトビーは看護師です。でも普通じゃない。
彼女は7人の新生児殺害、10人の新生児殺害未遂で起訴された、新生児室の看護師でした。↓
レトビーは22の罪状(7件の殺人罪と15件の殺人未遂罪)をすべて否認し、裁判で争われました。
その裁判で8月18日、マンチェスター・クラウン法廷で評決が下りました。陪審員は、なんと22日間でのべ110時間も審議を重ねたという。
評決によると、彼女は「7件の殺人と6件の殺人未遂で有罪」となりました。これはイギリスで最も大量の子供を殺害した連続殺人犯になったという。
レトビーは現地8月21日に判決を受ける予定です。
'Cold blooded' nurse Lucy Letby found guilty of murdering 7 babies at hospital neonatal unit https://t.co/kkgBocDQzo
— Fox News (@FoxNews) August 18, 2023
新生児の死亡率が異常に上昇
現在33歳のレトビーは、イングランドのチェスター伯爵夫人病院の新生児室で正看護師として勤務していました。しかしその病院では2015年~2016年にかけて、新生児の死亡率が異常に上昇したため、調査が始まっています。
警察の捜査の結果、当時28歳だったレトビーが容疑者として浮上し、2018年7月に逮捕されました。
ルーシー・レトビー逮捕の瞬間↓
Nurse Lucy Letby, who has been found guilty of the murders of seven babies and the attempted murders of six others, was arrested at her home in Chester, at 6am on 3 July 2018 | Read more: https://t.co/29clpyCsZW pic.twitter.com/o7RAMqW1VD
— RTÉ News (@rtenews) August 18, 2023
レトビーは2015年6月~2016年6月の1年間にかけて、空気注射、インシュリン、水、生理用食塩水、ミルクの過剰摂取など、さまざまな方法で乳児たちを殺害しようとしました。
その残虐さについては、上に貼った前記事で書いたので、詳しくはそちらをご参照願ください。そこでは彼女の心の葛藤や、ホロスコープについても考察しています。
レトビーは男の子5人、女の子2人を殺害し、さらに10人の殺人未遂で起訴されました。
その中にはレトビーから肉体的暴行を加えられ、肝臓損傷に至った乳児もいました。
また1人の女児を4回にわたって殺そうとし、3組の双子を襲い、1組の双子を2回にわたって殺害しようとし、三つ子の2人は24時間以内に連続で殺害されました。
レトビーのシリアルキラーっぷり
双子の赤ちゃんをこの病院に預けていた母親は、レトビーのことを完全に信頼していたという。
しかしレトビーは、この双子のうちの1人の血管に空気を注入して殺害し、翌日にはもう1人にインシュリンを注入して中毒させ、殺害しようとしました。
裁判でこの母親は、病院の廊下で子供の泣き声を聞いたと証言しました。それは赤ちゃんが泣くような声ではなかったと説明し、「どんな声だったのか説明できない。それは恐ろしい音でした。泣き声と言うより、悲鳴に近かった」
別の双子にも、レトビーは同じように空気注入、もう一人をインシュリンで殺害しようとしています。
レトビーの端末には、殺された乳児の家族をFacebookで何度も検索していた記録が残っていたという。ある母親には、取り憑かれたように何度も何度も検索していたとか。
ある乳児には胃と血管に空気を注入し、4回にわたって殺害しようとしたという。レトビーはその子の親に「お悔やみカード」を送っており、その写真を保存していました。
事件のあった日、必ずレトビーがシフトに入っていた
レトビーは裁判の中で、病院は劣悪な状態で、患者の死のスケープゴートにされていると主張したという。「以前はシンクから生ごみが出てきて、第1保育室の床に落ちていました」「それは安全な労働環境ではありません」
確かにこの病院の小児科病棟は1960年代に建設されたもので、排水の問題などがあったという。
一方、警察は14カ月にわたって記録を丹念に調べ上げた結果、一つの手がかりを得ました。
それは乳児が倒れたり死亡した時、必ずレトビーの出勤日になっていたことがシフト表で確認されたのです。
そしてレトビーが書き残したメモ。「私は邪悪だ。私がやった」「私は生きるに値しない」「私はとても孤独で怖い」・・・etc。このメモは、裁判で証拠として取り上げられました。
レトビーの弁護人はこのメモについて、罪を認めたというよりも、「恐怖と絶望に苛まれた若い女性の苦悩の吐露」だと説明しました。
ニック・ジョンソン検事は、専門家の証言、医療記録、レトビーのメモ、日記、自宅で発見された看護引き継ぎシートなどを総合すると、これらの類似点から、陪審員は「被告がすべての犯罪を犯したと確信できる」と主張しました。
自分の技術を武器にした
110時間を超える審議の結果、陪審員はレトビーの7件の殺人の罪を認めました。
また彼女は、他の6人の赤ん坊を殺そうとした殺人未遂罪でも有罪となったが、残る他の2つの殺人未遂罪では無罪となりました。さらに別の6件の殺人未遂については、陪審員は評決に達することができませんでした。
評決後に発表された声明の中でパスカル・ジョーンズ検察官は、レトビーの手にかかると「空気、ミルク、液体、あるいはインシュリンのような薬物など無害な物質が、致死量になってしまう」と述べました。
「彼女は学問を曲解し、危害、悲しみ、死を与えるために自分の技術を武器にした」
「赤ちゃんとその家族にとって安全であるべき環境の中で、彼女は何度も何度も赤ちゃんに危害を加えた」
学生時代は勤勉だった
ルーシー・レトビーはチェスター大学の看護コースで学びました。
在学中は熱心な学生とみられており、同級生の間では信頼され、勤勉だと評価されていたと報じられています。
通常、看護師が学校を卒業するとき、その多くは卒業式で100年前のフローレンス・ナイチンゲールの誓いを唱えるという。
その誓いとは・・・
私は神の御前で、またこの集会の面前で、生涯を清らかに過ごし、自分の職業を誠実に実践することを厳粛に誓います。
私は、有害なもの、いたずらなものから遠ざかり、有害な薬物を服用したり、それと知りながら投与したりしません。
レトビーは有罪で泣き崩れた
8月8日、陪審長によって最初の有罪評決が読み上げられると、レトビーは泣き崩れたという。
8月11日に2回目の評決が下されると、またしても彼女は頭を下げて泣きました。
母親も「こんなはずはない、こんなはずはない」と泣き叫び、夫に支えられて法廷から去った後も、号泣する声が響いていたとのこと。
いや、泣きたいのは無残に子供を殺された親の方でしょう。三つ子のうち2人を失った親は、最後の1人を別の病院に移してくれと懇願したという。
チェスター伯爵夫人病院の医療部長ナイジェル・スコーン医師は、
「私たちの病院でこのような犯罪が行われたことを非常に残念に思います。私たちの思いは、危害を加えたり死亡したりした赤ちゃんの家族や愛する人たちすべてと共にあります。当病院のスタッフは、今回の事件に打ちのめされています。」と語りました。
これレトビーだけじゃなく病院の管理体制は検証されないの?とか思いましたが。
生まれ持った暗示
以前の記事で書いたように、レトビーの生まれには暗示がありました。
私はレトビーのホロスコープを「ハッキリしすぎてある意味つまらない」と書きましたが、あまりに直球すぎて読む側にとっては簡単だったからです。
ただ、だからといって子供を殺すかについては必ずしも宿命的なものではなく、それは彼女自身の選択になります。
彼女には明らかな葛藤があり、それをメモに残していた。その葛藤をどう処理するかは、自分で解決すべき今世の課題だったと思います。
レトビーがもっと違った選択をしていれば、こうした悲劇は生まれたかどうか。
続報↓
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