バイデン大統領の弾劾調査が正式に決定――息子のハンターは公聴会をバックレ

The White House, Public domain, via Wikimedia Commons

ハンター・バイデン、公聴会をバックレ

現地12月13日は、下院監視委員会によるバイデン大統領の息子ハンター・バイデンの公聴会が非公開で行われることになっていました。

ハンター・バイデンはワシントンDCに現れたものの、公聴会をバックレた。

ハンターは、下院監視委員会の召喚状が要求するような「密室での宣誓証言はしない」と主張し、「彼らは何を恐れているのか?私はここにいる。準備はできている」と、公開の公聴会であれば応じる姿勢を明らかにしました。

公開での証言を主張したのは、何らかの作戦があると思われます。

「私はここにいる。父は私のビジネスに財政的に関与しておらず、弁護士としてでもなく、ブリスマの役員でもなく、中国の個人実業家とのパートナーシップでもなく、国内外での投資でもなく、アーティストでもない。」

「ジェームズ・コマー、ジム・ジョーダン、ジェイソン・スミス、そして彼らの同僚たちは、銀行の明細書から行を抜き取り、私が送ったメールを操作し、私の友人や元ビジネス・パートナーの証言を編集し、私から盗まれた個人情報を誤って記載することで、事実を歪めています。共和党員のやっていることには公正さも良識もない。彼らは私の私生活や仕事のあらゆる面で何度も何度も嘘をつき、その嘘があまりにも多くの人々に信じられる偽りの事実となってしまった。」

子供みたいな事言ってますけど。

議会侮辱罪の手続きを開始

下院監視委員会はあらかじめ「バイデン氏に選択権はない」と、ハンター側の非公開要請を突っぱねており、もし召喚状に従わなかったら「議会侮辱罪の手続きを開始する」と宣言していました。

下院監視委員会ジェームズ・コマー委員長と、下院司法委員会のジム・ジョーダン委員長は連名で、議会侮辱罪の手続きを開始すると発表しました。

「名字がバイデンだからといって特別扱いはしない」↓

しかし共和党は、侮辱罪手続きの採決を見送り、もう一度チャンスを与え、ハンターに議会に出頭するよう再交渉することにしたようです。

これは以前スティーブ・バノン氏が同じ事をした例があるためといわれています。

「ハンター・バイデンが来るかどうか、もう一度トライするつもりだ」↓

バイデン大統領の弾劾調査が正式に承認

そん中、父親ジョー・バイデン大統領の弾劾調査が正式に開始されることが決定しました。

同日採決が行われた調査開始決議案は221対212で可決されました。内訳は共和党が全員賛成、民主党は全員反対に投じています。

投票に先立ってジェームズ・コマー委員長は、バイデン弾劾調査をホワイトハウスから妨害されていると明かしました。

「我々は今、捜査の極めて重要な局面を迎えている。我々はまもなく、バイデン一族とその関係者の何人かを証人喚問し、これらの影響力斡旋計画について事情聴取する。しかし、われわれはホワイトハウスの妨害に直面している」

「ホワイトハウスは、現職および元ホワイトハウススタッフの重要な証言を阻止しようとしている。また、ジョー・バイデンの副大統領時代の何千もの記録も差し控えている。バイデン大統領は、その嘘、汚職、妨害の責任を問われなければならない。我々は、アメリカ人が要求し、それに値する説明責任と透明性を提供する義務があるのだ。」

以前も書いたようにこの決議は「弾劾裁判に向けての調査」を行うことを正式決定しただけで、弾劾裁判が行われることになったわけではありません。

つまり今までのは予備調査みたいなもので、これから本格的に調査を進めるということでしょう。

ただこれも以前から書いてますが、もし今後弾劾裁判に進んだとして、確固たる証拠を集めたとしても、民主党が過半数を握っている上院で3分の2を獲得するのは難しいため、バイデンは有罪にはならないはずです。

バイデン大統領は怒り・悲しみ・罪悪感を感じている

Axiosによると、一連のハンター及びバイデンファミリー調査に関して、バイデン大統領は「怒り」「悲しみ」「罪悪感」を感じているという。

バイデン大統領は、もし自分が2020年の大統領選挙に出馬していなければ、ハンターが訴追を受けることもメディアから追いかけられることもなかっただろう、と親しい関係者に語っているという。

関係者によれば、現在バイデン大統領とハンターの件について気軽に話し合えるのは、数少ない側近だけで、大統領とハンターの絆は特に深く複雑だと語っているとか。

というのも前妻(ハンターの実母)と娘(ハンターの妹)が1972年の交通事故で亡くなり、ハンターはその車に同乗していたが命は助かった。そして長男ボー(ハンターの兄)が2015年に病気で亡くなったため、ジョー・バイデンはそれ以来、ハンターに固くしがみつき、時には「私の唯一生き残った息子」と呼んでいた。

そのためハンターが薬物やアルコールの依存症に苦しんでいた2017年~2019年にかけては、息子を2人とも失うのではと心配していたという。

ガーランド司法長官との関係が悪化

そしてバイデン大統領は、捜査を抑えられなかったメリック・ガーランド司法長官に苛立ちを見せているとのこと。

バイデン大統領はハンターを捜査していたデラウェア州のデイビッド・ワイス連邦検事を、ガーランド司法長官が特別検察官に任命したことを非難しているという。(※特別検察官に任命されると、捜査権限が拡大される)

そのため、もともと緊張していた大統領と司法長官の関係は、これによってさらに冷え切ったとか。

ガーランド司法長官が特別検察官を任命した数週間後の8月のレセプションで、バイデンはホワイトハウスのイベントでガーランドを見つけ、「ガーランド司法長官、久しぶりだ。会えて嬉しいよ」と冷ややかに言い放ったという。

2人の仲について司法省の報道官はコメントを拒否し、ホワイトハウスの報道官もコメントを避けていると報じられています。

またバイデン大統領と仲のよかった共和党のリンゼイ・グラハム上院議員との関係も崩れているという。

グラハム議員はがハンターを調査していたため、現在では2人の個人的な関係はほとんどなくなっているとのこと。

というのも昨年、バイデンは資金調達パーティの席で「リンジー・グラハムは友人だった」と過去形で語っていたようです。

いずれにしろ、年明けからいろいろ騒がしくなりそうです。

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