起訴されたハンター・バイデンはどうなる?――それぞれの反応や専門家の見解

The White House, Public domain, via Wikimedia Commons

ハンター・バイデンの起訴

MLBネットワークのジョン・モロシという記者のガセネタによる大谷翔平選手のブルージェイズ騒動、すげえな大谷さん、2国をまたいでここまで加熱させるとは。

さてジョー・バイデン大統領の息子ハンター・バイデンが起訴されてから1日経ちました。当然ながらこの件は左派メディアも一斉に報じています。

日本の人たちは、おそらく「大統領の息子がバカやってるな」くらいの認識でしょうが、この件はバイデン大統領の弾劾にも関わっていますし、そうなると来年の大統領選挙にも影響するはずなので、しばらく目が離せそうにありません。

というかこれからが本番という感じです。来年、いよいよ水瓶座時代が始まるので、時代の変遷期にこういう出来事が起こっているのは非常に興味深い。

そんな中、各所からさまざまな反応や専門家の見解が出ているので、個人的に注目したものをピックアップしたいと思います。

バイデン大統領の息子ハンター・バイデンまた起訴、今度は9件の脱税容疑――今わかっていること

2023年12月8日

ハンター・バイデン本人の反応

まずハンター・バイデン側から。

起訴翌日の12月8日にハンター・バイデン本人が、ミュージシャンのリチャード・メルヴィル・ホール氏がホストを務めるポッドキャストに出演し、「彼らは私を殺そうとしている」と語ったという。

ハンター・バイデンは、実母ネーリア、妹ナオミ、兄ボーを亡くし、その後ドラッグやアルコール依存症と闘ってきたと語り、4年前に断酒できたことを「誇りに思っている」と語りました。

その上で今回の起訴については、父親であるバイデン大統領の仕事から気をそらすためのものであり、バイデン大統領に「中毒で死にかけた状態から立ち直ったばかりの息子を失うかもしれないと思わせるものだと考えている」と語ったという。

いやツッコみどころ満載ですけど、まあ置いておきましょう。

「このようなことは、私のためではないと認識しています。彼らは最も非合法な方法で、しかし合理的な方法で、大統領職を破壊しようとしているのです」

「彼らがやろうとしているのは、私を殺そうとすることだ。それが父の手に負えないほどの苦しみになることを知りながら、そうやって大統領の座を潰そうとしているのだ」

わかります。ドラッグからやっと立ち直った「可哀想な俺や父親をいじめてるんだー」と言いたいんですね。

ただ起訴されるようなことをしたのは自分自身ですけどね。

バイデン大統領とホワイトハウスの反応

その父のジョー・バイデン大統領の反応はどうでしょう。

ツイッターXにも投稿したのですが、ジョー・バイデン大統領はこの件について記者から質問され、無視しました。

記者「息子さんと話をしましたか?ハンターと話しましたか?ご子息に対する新たな告発について、何かコメントはありますか、大統領!」

バイデンは無視してそそくさと立ち去る。↓

ホワイトハウスのカリーヌ・ジャン=ピエール報道官は8日、ジョー・バイデン大統領が息子のハンター・バイデンを恩赦するかどうかについて記者団から質問を受けました。

記者「あなたは以前、大統領は息子を赦免しないと言いましたね。今もそうなのですか?

KJP「何も変わっていません。今もそうです」

また、
「大統領は以前からそう言ってきたし、これからも言い続けるだろう。つまり息子を愛しており、彼が人生を立て直すのをサポートしているということだ。この件に関しては慎重にコメントし、司法省かホワイトハウスの顧問弁護士を紹介するつもりだ」

「大統領が何度も何度も言ってきたことを、皆さんにお伝えする以上のことはしません。彼は息子を誇りに思っています」

法律専門家の目

法学者であるジョージ・ワシントン大学のジョナサン・ターリー教授はFOXニュースの番組に出演し、「実際、大統領を取り巻く輪はますます厳しくなっている」と語りました。

大統領が嘘をついたのは明らかだ。最初の選挙キャンペーンで、彼はこれらの取引について”何も知らなかった”と言ったが、それは明らかに嘘だった。ハンターの仲間は最近の声明で、それはまったくナンセンスだと言った。

彼はまた”息子は中国で金を稼いでいない”とも言った。それは明らかに事実ではない。

ここにはもっと深刻な問題があり、それは大統領が知っていたのはビジネス上の取引ではなく、汚職だったということです。

それこそが”影響力の身売り”だ。米国は、他国での影響力売買を阻止するための国際協定を推進してきた。米国は、影響力売買が破壊的な汚職の主要な原因であると考えている。もし大統領が、自分の家族がそのような汚職に手を染めていることを知っていたのなら、もちろんそれは深刻なことだ。

そしてターリー教授は来週控えている2つのイベント(ハンターの公聴会・バイデン弾劾決議採決)について、

「ハンターはこれを利用して、第5弁明をし、質問への回答を拒否することができるかもしれない。しかし2つ目の出来事は、弾劾訴追の採決が予想されることだ。この起訴によって、ハンターは口を割らなくなるかもしれないが、バイデン大統領にとっては、その査問を避けることが難しくなるかもしれないのです。」

第五弁明(plead the Fifth)とは黙秘権行使のことです。

バイデン大統領への追及を避けている

一方でターリー教授はニューヨークポストに寄稿したコラムで、この起訴は「ジョー・バイデンを避けるためのものだ」と指摘しています。

今回の起訴状には、大統領に関わる重要な支払いや行為を隠蔽する「3つの顕著な欠落」がある、と述べています。

1.ウクライナのブリスマ社の金
2.外国代理人ハンター
3.起訴されていない共謀者

こうした欠落があることで、ジョー・バイデン大統領への追求を回避しているというのです。

1.ウクライナのブリスマ社の金

今回デビッド・ワイス特別検察官は、ハンターを脱税罪のみでしか起訴していない。

ワイス検事は、2016年以前のウクライナのガス会社ブリズマからの支払いについて、不可解にも時効を認めてしまった。認めた理由もいまだに説明されていない。

しかしIRS(国税庁)の内部告発者によれば、司法省から妨害を受けてハンターの調査が遅延したと証言しており、明らかにハンター・バイデンに対する告発を却下する方向で動いていたと告発している。

今回の起訴では、そもそもどのように”お金を稼いだ”かではなく、”支払われなかった税金”に焦点が当てられているだけだ。

2.外国代理人ハンター

また起訴状には、ハンター・バイデンが無登録の外国代理人であったという罪状もない。

ハンターをFARA(外国代理人登録法)で告発することの問題は明白である。

メリック・ガーランド司法長官は、バイデンファミリーへの外国からの何百万ドルもの資金提供について、何年も避けてきた。

中国、ルーマニア、ウクライナ、ロシア、その他の国々から彼の口座に数百万ドルもの資金が流れていることを淡々と説明しているだけで、どのようにして送金されたかについては言及していない。

3.起訴されていない共謀者

ワイス検事は脱税だけに焦点を当てることで、この数百万ドルのお金を集めるために使われた影響力取引への直接的な言及を避けている。

影響力を売り込む人物を取り上げる必要性を避け続けている。

外国の取引先に会食やミーティングに何度も電話をかけ、イベントに何度も出席し、これらのクライアントのために打ち合わせや写真撮影を行っていたのは同じ人物だった。

ワイス検事はこの汚職を取り上げることなく、取引で得た収益に対する税金の不払いだけを起訴している。

左派メディアCNN、CBS

CNNは、デビッド・ワイス特別検察官が「捜査は継続中」だと言っていることを指摘しました。

「捜査は継続中」↓

またCBSニュースのキャサリン・ヘリッジ氏は、今回の起訴状でハンターのことを「ロビイスト」と表現していることや、ブリスマ、中国のCEFC、ルーマニアの利益団体など、外国の団体のための多くの仕事が記されていると指摘しました。

その上でヘリッジ氏は「ドアをオープンにしたままだ」と述べ、ハンターの外国でのロビー活動違反など、さらなる告発の可能性も示唆しています。

ただ、やっぱりバイデン大統領についてはアンタッチャブルになっているのでは。

第五弁明をするだろう

元連邦検事のブレット・トールマン氏もFOXニュースの番組で、「これはジョー・バイデンを守るための努力だ」と言っています。

トールマン氏は、ハンター・バイデンが9件の税法違反で起訴されたことで、彼の議会での宣誓証言が不利になる可能性がある、と述べました。

そして「カリフォルニア州で刑事責任を問われることになったので、彼は第五弁明をするつもりだ」と語りました。

トールマン氏は「彼らはもっと早く告発できたはずだ。そうしなかったのは、アメリカ国民の目をすり抜けようとしたからだ」と述べ、

「これはジョー・バイデンを守るための努力でもある」

禁固4年~5年になるだろう

元連邦検察官のウィル・シャーフ氏は、ハンター・バイデンが有罪になった場合、少なくとも禁固4年~5年にはなるだろうと述べ、仮に彼がこれらの訴因について有罪を認めたとしても、刑期は3年程度になるだろうとしています。

これまでシャーフ氏は、ワイス特別検察官が司法省の言いなりになって「ハンターの犯罪を隠蔽するだろう」と推測していたという。

しかし最初のデラウェア州での銃犯罪起訴、そして今回のカリフォルニア州での脱税起訴により、精力的に仕事をしている、と評価しています。

そして問題は「次に何が起こるか」だと述べ、ハンターが新たな司法取引を持ちかけるのか、それともさらなる起訴が続くのか、と2つの可能性を指摘しました。

またバイデン大統領はこれまで嘘をつき続けてきたことについて、「アメリカ国民に答える必要がある」と述べました。

そして主流メディア(左派メディア)が、ハンター・バイデンのラップトップ報道を封印した事件は、この戦いの「頂点である」と述べ、

「これらの記事を葬り去ることに参加したジャーナリスト、共和党がいかに陰謀論者であるかという偽の説明記事を書いたジャーナリスト、ハンターのスキャンダルでジョーを攻撃したトランプに怒りをぶつけたジャーナリストの声を聞きたい」

「真実を明らかにすることよりも、ジョーを当選させることの方が重要だと判断したのは誰なのか」

「ジャーナリズム学校でそう教わったのか?」

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2023年4月1日
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