JFケネディ暗殺は単独犯行ではない?――科学的検証により正面からも撃たれていた事が発覚か

Cecil Stoughton, White House, Public domain, via Wikimedia Commons

ジョン・F・ケネディ大統領暗殺に関する本

2024年大統領選挙で民主党の予備予選候補に出馬しているロバート・ケネディ・ジュニア氏は、1963年に叔父のジョン・F・ケネディ大統領が暗殺されたのは「CIAの仕業だと思っている」と発言しました。

JFKが暗殺された直後、JFKの弟だったロバート・F・ケネディ司法長官はCIAに電話し、「あなたの部下がやったのか」と尋ねたという。そのロバート・ケネディ氏も3年後の1966年に暗殺されてしまいます。

JFKの息子、JFケネディ・ジュニア氏も1999年に飛行機事故で亡くなっています。

RFKジュニア氏は、CIAによる「60年間の隠蔽だ」と主張しています。

ロバート・ケネディJr.「叔父JFケネディ大統領を暗殺したのはCIAだ」と語る

2023年5月10日

これに関して今年、興味深い本が出版されました。

2023年1月4日に出版された、医学博士デヴィッド・マンティック博士による『The JFK Assassination Decoded』(JFK暗殺事件の解読)という本で、博士が数十年にわたってJFK暗殺を調査した内容を400ページにまとめたものです。

マンティック博士はウィスコンシン大学で物理学の博士号を取得し、ミシガン大学で医学博士号を取得している放射線腫瘍学の専門家です。

JFKは3発撃たれた

マンティック博士は数年にわたって国立公文書館を9回訪れ、JFKの解剖用X線フィルムの検査に相当な時間を費やしたといいます。

検査にはトビアス社の光学濃度計などの科学機器を持ち込み、JFKの解剖用X線写真の法医学的分析を行い、リー・ハーヴェイ・オズワルドによる単独犯行ではないことを検証しているという。

それによるとマンティック博士は、JFKが正面右前から2発、後ろから1発撃たれたという決定的な法医学的証明を示しました。そして正面からの弾丸を隠蔽するために、証拠が改ざんされていたと主張しています。

ウォーレン委員会の報告によると、オズワルドは後方の教科書倉庫ビルから3発撃ったと結論づけています。もしそうなら、銃弾が空中でUターンでもしない限り、正面からというのはあり得ない。

ウォーレン委員会は、1発目は大統領の背中から胸へ抜け、前方に座っていたコナリー知事の胸、手首、左の太ももを傷つけたといい、もう1発は大統領の頭部に命中して致命傷となり、あとの1発は命中しなかったと説明しています。

つまり命中したのは2発で、これもマンティック博士の主張と矛盾します。

オズワルドがいたという教科書倉庫ビルの6階から見た現場↓

右斜め前からの銃弾が脳を吹き飛ばした

マンティック博士によると、現場のエルム通りで発見された骨片は、JFKの後頭部の正面にある後頭部中部のもので、右斜め前からの銃撃により、JFKの後頭部が吹き飛ばされたことを証明しているという。

これがおそらくザプルーダー・フィルムに写っている致命傷になった弾丸では。

もう一つの弾丸はリムジンの後方への低い角度からの射撃で、JFKの後頭部に入ったことを証明する金属痕があることを示し、角度が低いことから、教科書倉庫ビルの6階ではなく、ダルテックスビルに犯人がいた可能性を示唆しているという。

ダルテックスビル2階からの現場風景↓

さらに別の弾丸は、JFKの喉の正中線付近の第3気管輪に入り、右肺尖まで斜めに移動し、そこで止まったと指摘しています。解剖を行ったパークランド病院のマルコム・ペリー博士は、JFKの背中の傷から深い貫通を認めなかったと指摘しています。

確かにザプルーダー・フィルムをよく見ると、最初にJFKが喉のあたりを手で押さえているようにも見え、それをジャクリーン夫人が心配そうにのぞき込んでいるような感じです。

ウォーレン委員会の報告に対し、マンティック博士は「彼らはこれを無視し、代わりに単独説を作り出した」と主張しています。

リムジンのフロントガラスに穴が開いていた

さらにマンティック博士は、同じくJFKに関する本の著者ダグラス・ホーン氏と組んで、大統領専用リムジンのフロントガラスを厳重に調査しています。

調査の中で、JFK暗殺時に使われたリムジンを見たという2人の目撃者を見つけました。目撃者によると、リムジンのフロントガラスに正面から撃たれて穴が開いているのを見たという。

オズワルドは一人で後方から撃ったとされていますから、リムジンのフロントガラスに弾痕があっては、ウォーレン委員会と矛盾してしまう。

1999年に亡くなったパークランド病院のエヴァレア・グランジス博士も大統領専用リムジンのフロントガラスに穴が開いていたことを100%確信していた↓

シークレットサービスが証拠を隠滅か

目撃者は暗殺から数分以内に、シークレットサービスがリムジンに付着した血痕の洗浄を始め、明らかに犯罪現場の証拠を隠滅していたと証言しているとのこと。

またシークレットサービスがリムジンを隠し、リムジンの中にいる間はフロントウィンドウの検査を許さなかったという。

目撃者の一人、フォード社のジョージ・ウィテカー氏は、暗殺3日後の11月25日(月)にミシガン州ディアボーンのリバールージュ組立工場のB棟でリムジンのフロントガラスが交換されたと主張しました。

ウィテカー氏によると、リムジンのバックミラーの運転席側4~6インチ付近のフロントガラスに穴が空いていたと主張しているという。また撃たれたのは前方からだと証言しています。

このリムジンは、翌12月にシンシナティのヘス・アンド・アイゼンハルト工場で、フレームまで剥がされ、完全に証拠隠滅されている写真が公開されました。

はたして真実は隠蔽されたのか

マンティック博士もホーン氏も、3発の弾丸がJFKに命中したことに同意しています。

後頭部の低い位置からのものは、おそらく後方のダルテックスビルの2階の窓から撃たれたと分析しています。

ほぼ同時に撃たれた右前方からの銃弾は、おそらく芝生の丘のかなり下、三重の陸橋が丘に接するあたりから撃たれたのだろうとのこと。

また同じくほぼ同時に発射された3発目は、右前方のグラスニーノールのストックフェンスの角付近から発射されたという。

ホーン氏は、「3つの銃撃に関するマンティックの結論と、現存する頭蓋骨X線の改変は、JFKの殺害方法に関して米国政府の大規模な隠蔽工作があったことを証明している」と述べています。

オズワルド「ハメられた」

オズワルドは逮捕された際、「私は誰も撃っていない」「ハメられた」と主張しました。また弁護士を依頼しましたが付けられることはありませんでした。そして2日後に撃たれて死亡しました。24才でした。

真実が明らかになる日は来るのか?

トランプ氏は2024年大統領選挙に当選したら、JFK暗殺の機密文書ファイルを全て公開すると宣言しました。

前回のトランプ政権時に一部の文書を公開していますが、安全保障や外交上の懸念があったため、全て公開できなかったと述べています。それについて「残りの部分は、ごく早い時期に公開するつもりだ」と述べました。


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2023年4月1日
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