ローマ法王フランシスコ、世界的な反発に直面か

U.S. Customs and Border Protection, Public domain, via Wikimedia Commons

ローマ法王はグローバリスト

メリークリスマス、そんな日にふさわしい話題。

クリスマスはイエス・キリストの降誕祭です。

知っている人は知っていると思うが、カトリック教会のトップである現ローマ法王のフランシスコ教皇は、グローバリストとして有名です。

LGBTを容認し、COVID-19ワクチンを義務であると述べ、気候変動に警鐘を鳴らし、ベーシックインカムの導入を促し、・・・・など。

まるで世界経済フォーラムの宣伝マンかと思わせるほどです。そのうち、信者は昆虫を食えとか言い出すんじゃないか・・・まあ冗談はさておき。

以前書いたようにローマ法王は、保守派であるテキサス州タイラー教区のジョセフ・ストリックランド司教を解任しました。(詳細↓)

池田大作、大川隆法、旧統一教会、中東の宗教戦争、キリスト教――宗教は変革の時を迎えている

2023年11月19日

ストリックランド司教はドナルド・トランプ氏を支持しており、米国の保守的なカトリック系メディアからは英雄視されていたと言われています。

またストリックランド司教は、COVID-19が大流行した際に、SNSで反ワクチンのメッセージを投稿したり、バイデン大統領の中絶支持を「邪悪だ」と批判したという。

Vatican launches investigation of firebrand Texas Bishop Strickland, diocese confirms /National Catholic Reporter

2023年のカトリック宣言書『Fiducia supplicans』

バチカンは12月18日に、カトリックの教義に関する2023年の宣言書『Fiducia supplicans(フィドゥーシア・サプリカンス)』を発表しました。

『Fiducia supplicans』は、今年初めに教理総監部(DDF)に任命されたビクトル・マヌエル・フェルナンデス枢機卿によって執筆され、フランシスコ教皇によって承認されたものです。

この宣言書は、「同性カップルの祝福を禁じた」2021年の教会の回答「responsum ad dubium」を覆すものでした。

『Fiducia supplicans』は、同性カップル以外にも、結婚以外の性的関係(不倫)にあるカップルを、司祭が祝福することは可能である(典礼ではなく、個人的に)と、かつて前例のない宣言をしています。

一度啓示されたものを超えることはできない

しかしこれには賛否両論あり、実施に反発する司教協議会もあるようです。

ドイツのゲルハルト・ミュラー枢機卿は、この文章は「自己矛盾」であり、「さらなる明確化が必要だ」と述べました。

  • この声明は明らかにカトリックの教えと矛盾していないか?
  • 信者はこの新しい教えを受け入れる義務があるのか?
  • 司祭は発案されたばかりのこのような新しい実践を行ってもよいのなのか?

「これらの革新は、神の言葉として使徒たちによって一度啓示されたものを超えることはできない」

ミュラー枢機卿はさらに、「実際、聖書のテキストも、教父や教父のテキストも、マギステリウムの過去の文書も、『Fiducia supplicans』の結論を支持するものはない」と述べ、反発しています。

アフリカやポーランドでも反発

またAPによれば、アフリカやポーランドなどの一部のカトリック司教は、同性カップルの祝福を認めるバチカンの新方針『Fiducia supplicans』を「実施しない」と述べているという。

アフリカには2億6500万人のカトリック信者がいるといい、この数は世界のカトリック信者(13億人)のほぼ4分の1にあたるんだとか。当然彼らはカトリックの保守的な教典を守って生活している。

またアフリカ大陸54カ国のうち、同性愛を犯罪とする法律があるのは31カ国で、他のどの大陸よりも多いとのこと。

バチカンの文書は二枚舌だ

さらに米国のチャールズ・チャプト名誉大司教は、First Thingsに掲載された「The Cost of Making a Mess(混乱の代償)」という意見の中で、フランシスコ教皇が混乱と曖昧さをまき散らし、米国のカトリック信者を「不当」に批判していると痛烈に批判しています。

「バチカンの最新文書は、祝福の性質と、不適切な関係への適用に関するカトリックの教えを、肯定すると同時に弱体化させるという、二枚舌の行為である」

さらに、ローマ法王が特にアメリカのカトリック信者を批判し続けていることは、「あまりにも不当で不見識なことが多い」と指摘しています。

「ノーと言わなければならない」

解任されたジョセフ・ストリックランド司教は、「目覚めたWoke」の価値観と称されるものに対して、たびたび激怒してきたという。

ストリックランド司教は、同性カップルの祝福を認めるべきだというバチカンからの宣言を無視するよう、同僚の聖職者たちに促したとNewsweekが報じています。

「私たちは、『ノー』と言わなければならない」

「私は、同僚の司教たちに、このアドベントの最後の数日間に、私たち全員が力と喜びの声を合わせ、この最新の文書にノーと言い、私たちのカトリック信仰の真の教えを明らかにすることを求めるようお願いします」

ストリックランド司教を解任するというローマ法王フランシスコの決定は、すぐに保守派の反発を呼び、多くの人たちが司教を支持する嘆願書に署名したという。

カトリックは分裂に向かっているのか。


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