国境の壁、建設再開か
米国のコロニアルパイプラインは無事再開したみたいですが、ランサムウェアを仕掛けたハッカーグループ「DarkSide」が、新たに3つの企業に攻撃をしたと表明したようです。
この3社は、米国のテクノロジー系企業・ブラジルの再生エネルギー会社・スコットランドの建設業者で、どれもあまり名前の知られていない企業みたいですが、今後どのような問題が出るのでしょうか。
さて米国の不法移民問題ですが、バイデン政権はどうやらテキサス州で国境の壁の建設を再開したようです。FOXニュースのビル・メルギン記者が伝えてます。
UPDATE: @FoxNews has confirmed via the U.S. Army Corps of Engineers that construction on a 13.4 mile stretch of border wall levee in the Rio Grande Valley will *RESUME* after pressure from local residents & politicians.
The Biden admin previously halted all construction.— Bill Melugin (@BillFOXLA) May 13, 2021
FOXニュースは、リオグランデバレーの13.4マイルの国境の壁の建設を、地元住民や政治家からの圧力を受けて再開することを米国陸軍工兵隊を通じて確認しました。
バイデン政権は以前、全ての工事を中止していました。
BREAKING: Biden Administration Restarts Border Wall Construction https://t.co/ldMuTFDobE pic.twitter.com/3GElk4solb
— The Daily Wire (@realDailyWire) May 12, 2021
DHSマヨルカス長官「国境は閉鎖されてる」
ただ先週末に、DHS(国土安全保障省)のアレハンドロ・マヨルカス長官は、ホワイトハウスでの会見で「国境は閉鎖されている」と断言したばかりですが。
There were 178,000 border apprehensions in April – an INCREASE from March.
This afternoon, Biden’s DHS secretary said “the border is closed”pic.twitter.com/rutIF5ufqC
— Kyle Martinsen (@KyleMartinsen_) May 12, 2021
ちなみに4月の国境の不法入国者数は178,000人で、3月より増加していました。この数字は史上最高のようです。ちなみに前年同月(2020年4月)と比較すると、944%アップしているとのこと。約10倍です。
いったいどこを閉鎖していたのでしょうか。
米陸軍工兵隊「堤防の修復」だ
建設再開に関して、FOXに情報を提供した米陸軍工兵隊(USACE)は以下のようにツイートをしています。
To be clear, wall construction remains paused to extent permitted by law. Per DHS, we’ve started critical work to repair the Rio Grande Valley’s flood levee, which was excavated to make way for border wall. This remediation work will not involve expanding border barrier.
— USACE HQ (@USACEHQ) May 13, 2021
CBP(税関・国境警備局)の国境インフラ計画をサポートするため、USACEはDHSの資金により設計・施工されているリオグランデバレーの約13.4マイルの堤防について、停止されていた部分的な掘削など各レベルでの作業を再開しました。
誤解のないように言うと、壁の建設は法で認められている範囲において停止したままです。DHSによれば、国境の壁の建設のために掘削された、リオグランデバレーの洪水堤防の修復をする重要な作業を開始しました。この修復作業は、国境の壁を拡大するものではありません。
なんだか言い訳がましいような気がします。
これで言っているのはwall(壁)でなくlevee(堤防)、つまりあくまで「堤防の修復」であって、壁を増やすものではない、と言いたいんですね。
20州の知事がバイデン政権に手紙
一方でこうした国境危機を憂いて、現地5月11日に全米20州の州知事がバイデン大統領&ハリス副大統領宛に手紙を送りました。
送ったのは、テネシー州、アラバマ州、アリゾナ州、アーカンソー州、ジョージア州、アイダホ州、インディアナ州、アイオワ州、ミシシッピ州、ミズーリ州、モンタナ州、ネブラスカ州、ニューハンプシャー州、ノースダコタ州、オクラホマ州、サウスカロライナ州、サウスダコタ州、テキサス州、ユタ州、ワイオミング州の各州知事20人です。
手紙内容
我々は、南部の国境危機に対して、直ちに行動を取ることを求めます。政府の発表とは違って国境は閉鎖されておらず、安全ではありません。3月の入国者数は172,000人で、同伴者のいない子供達の数も18,890人で、過去最高の数字です。
この危機は無視できないほど大きく、今では国境に接している州を超えて、全ての州に波及しています。
保健社会福祉省は州に移民収容のための施設を要請し、さらに民間団体や非営利団体に子供達の保護を依頼しました。しかしこのような施設では、十分なセキュリティが保障されません。連邦政府が同伴者のいない子供達を、透明性がほとんどない状態で不特定期間、州の施設に収容させることは容認できませんし、持続不可能です。
我々には、連邦政府の問題を解決するための資源も義務もありませんし、この政権の間違った行動がもたらす結果への代償を払うこともできません。
この政権は、無責任なレトリックを使うことで移民を国境に殺到させ、違法な越境を助長しています。
隣国メキシコ政府関係者からも、不法移民が助長し、組織犯罪ビジネスを生み出しているとの懸念が伝えられています。メキシコのオブラドール大統領は「彼らは彼(バイデン)を移民大統領と見なしており、多くの人がアメリカに行こうとしていると感じる」と述べています。
多くの子供達は危険な旅を経て、親や愛する人のいない環境で、過密状態で生活をしています。もはや国境警備の欠如は、人道的な危機を超えて犯罪的であり、アメリカ国民の安全を脅かしています。
CBPの報告では、フェンタニルの押収数が昨年1月と比べて233%増加しており、米国内のオピオイドの流行を悪化させています。麻薬・違法薬物・武器などが国境を越えて密輸されています。またカルテルは男女子供の人身売買を行っており、命の危険をもたらしています。
同じ時代にパンデミックから立ち直ろうとしている今、いま我々が必要としているのはこうした自作自演の危機です。国家の安全を脅かす自作自演の危機は必要ありません。
我々はこの人道的危機を終わらせ、南部国境の安全を確保するための迅速な行動を求めます。
手紙の主張が事実なら、政府が丸投げしてるっていうのはどうなんでしょう。まあそのために今の問題が大きくなっているわけですが。
最後に
国境の壁はトランプ元大統領が安全を守るためと推進してきたもので、民主党はこれにゴリゴリに反対してきましたからね。しかもバイデン大統領は1月20日の就任初日に壁建設中止の大統領令を出しています。
今さら認めるのは、自分たちの誤りを認めたことになるかもしれません。あくまで「堤防」なんです。
さすが史上最高8千万票獲得の大人気政権です。
まあいずれにしても、一ヶ月に17万人の不法移民が入ってくる状況って、日本で想像できますかね?
ではこの辺で失礼します。
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