米最高裁、セクション230を支持しTwitterとGoogleが勝利

ビッグテックの勝利

米最高裁が現地5月18日、注目されていた裁判の判決を下しました。

この裁判は、SNSなどのプラットフォームを保護する「セクション230(通信品位法230条)」の今後を占う上で、重要な裁判とみられていました。

ついに米最高裁がセクション230(通信品位法230条)を審理へ、SNS時代が変わるか?

2022年10月4日

今回判決が下されたのは「ゴンザレス vs Google」「Twitter vs タムネ」という2つの裁判です。

2件とも、テロにより家族を失った遺族がプラットフォーム側を訴えたもので、運営するビッグテック企業がテロリストの投稿を許可したり、テロリストのアカウントを取り締まることを十分に行わなかったため、責任を負うべきだと主張していました。

訴えに対して最高裁は全会一致で原告の訴えを却下し、下級審に差し戻しました。これによりTwitter、Googleなどのビッグテックが勝利したことになります。

セクション230

以前も書きましたがセクション230は、プラットフォームやサービスプロバイダーが、ユーザーの発言や投稿に対して責任を問われることを防ぐものでした。まあ例えていうなら、木村花さんの誹謗中傷があっても、プラットフォームには責任はないというようなものです。

この法律は今から27年も前の1996年に制定されたもので、その頃はまだインターネットが現在のように発達しておらず、ツイッターもYoutubeも存在さえしていなかったのです。

その後ネットが世界中で爆発的な広がりをみせ、SNSが乱立し、それに伴って心ない誹謗中傷や攻撃的・暴力的なコンテンツなどが日常化していったため、昨今セクション230の見直しが取り沙汰されていました。

そんな中で、今回の最高裁の判断が注目されていました。

今回の判決を受けて、業界団体ネットチョイスのクリス・マーチーズ氏は「これはインターネット上の言論の自由にとって大きな勝利だ」とコメントしました。

原告の主張

「Twitter vs タムネ」は、2017年にトルコのイスタンブールのナイトクラブ「レイナ」が、ISISテログループの襲撃に遭い、ヨルダン国籍のナウラス・アラサフ氏が死亡した事件で、遺族がプラットフォーム企業を訴えていたものです。

遺族は、プラットフォームがテロのコンテンツを管理できていないとして訴えを起こし、地裁では勝訴していました。ツイッターは控訴裁判所に控訴しましたが、ここでも地裁の判決が支持されたため、最高裁に上訴していました。

もう一方の「ゴンザレス vs Google」は、2015年11月に130人の死亡者を出したパリのISIS同時多発テロで、巻き込まれて死亡した女子学生ノヘミ・ゴンザレス氏の遺族がGoogleを訴えていました。

遺族は、Googleが運営するYoutubeのアルゴリズムが「ISISの動画に誘導した」とし、それがISISの勧誘を助長したと訴えていました。

こちらは下級審がGoogleを支持する判決を出し、控訴裁判所でもその判決が支持されており、遺族が最高裁に上告していました。

まあでも、このようにテロに巻き込まれて死亡した人の遺族などは、その怒りや悲しみをぶつける場所がプラットフォーム以外になかったかもしれません。

立証には不十分

最高裁は全会一致の判決の中で「原告の主張は、被告がレイナ襲撃を幇助したともっともらしく主張するには程遠い 」と述べ、

「これらの被告がISISが関連攻撃を実行するのを幇助したと立証するには不十分だ」と結論づけました。

またセクション230については「したがって、救済のためのもっともらしい主張をほとんど述べていないように見える訴状に対する230条の適用を取り上げることはしない」としており、セクション230についてはあえて踏み込んでいません。

おそらく最高裁は、セクション230を改正するのは「議会の仕事だ」との見解を持っているとみられています。

まあ改正されるなら、政治的偏見などが介入することのないよう、中立性が確保される事を期待したいですが。

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