バイデン弾劾でホワイトハウスはメディアに圧力
いよいよ下院共和党が、ジョー・バイデン大統領の弾劾調査を開始するとケビン・マッカーシー下院議長が表明しました。
「私は下院の委員会に対し、ジョー・バイデン大統領に対する正式な弾劾調査を開始するよう指示する。」↓
I am directing our House committees to open a formal impeachment inquiry into President Joe Biden. Over the past several months, House Republicans have uncovered serious and credible allegations into President Biden’s conduct—a culture of corruption. https://t.co/3uoDlUB3Sy
— Kevin McCarthy (@SpeakerMcCarthy) September 12, 2023
これに対してさっそくバイデン政権のホワイトハウスは、メディア各社に書簡を送り、「下院共和党の虚偽の主張を精査せよ」と圧力をかけました。
「メディアは、嘘に基づいて弾劾訴追を開始した共和党下院議員に対する監視を強化すべき時だ」「報道機関は警鐘を鳴らすべきだ」
これを書いたのはホワイトハウス顧問弁護士のイアン・サムズ報道官で、この弾劾には”証拠がない”とする14ページ分の資料も添付したという。
In a memo to news organizations, the White House refuted seven claims by Republicans surrounding their impeachment inquiry. https://t.co/QlnkdRbLpG
— NBC Politics (@NBCPolitics) September 13, 2023
左派政策に陰りが見え始めている
興味深いのは、書簡を受け取ったと思われる左派メディアでさえこれを報じていることです。
その論調こそ従っているように見えるものの、舞台裏でホワイトハウスから指示があったことをバラしており、こんなこと今まであったかなという感じですが。
確かに最近では左派メディアも、バイデン再出馬を諫める論調もありますから、影響力が弱まっているのを表しているかもしれませんが。
まるでジャニーズ事務所に忖度していたメディアが、堰を切ったように報道し始めたのと同じ構図に見えます。やはりこういうのは時代の流れであり、国とかは関係なく地球上の各地で大なり小なり起き始めているということでしょう。
そしてそれは、山羊座時代が終わることを表している。
そうでなくともインフレで国民の生活が苦しくなっていたり、ネットゼロだの、SEGやらDEIやらなんやらかんやらのイデオロギーを押しつける左派政策が、全てうまくいっていないというのがハッキリしつつあるため、そろそろ世間が気付き始めているということでしょう。
残念ながら左派はぶっ壊すのは得意だが、長期的な視野で政権を運営する能力には疑問があると思わざるを得ない。
マッカーシー下院議長の煮え切らない態度
ただ一方の共和党とて、弾劾までに至る道のりにも紆余曲折があり、すんなりいっていたわけではありません。
2020年10月のハンター・バイデンのラップトップ報道から始まり、2022年の中間選挙で共和党が下院の過半数議席を獲得したことで追求が可能になり、4年弱かかってようやくここまでたどり着いたわけです。
それに加え、以前から書いてきたようにマッカーシー下院議長の腰は重かった。
この人は左派カリフォルニア州選出なので、以前からRINO(名ばかりの共和党員)の疑いがあります。実際、下院議長選挙でなかなか票を得られず、15回も投票をやり直してようやく選ばれました。つまり保守派から全面的な支持があるわけではない。
さらに5月末の債務上限危機では、バイデン政権に譲歩する形で合意してしまい、保守強硬派からは弱腰だと非難されました。
今回もバイデン親子を追求してきた下院監視委員会や、他の共和党議員がバイデンの弾劾訴追を主張する中で、マッカーシー議長はどっちつかずな態度を見せ、本気でやる気があるとは思えなかった。
保守強硬派の押し
しかし9月末に連邦予算が切れるという期限ギリギリを迎え、新たな歳出法案が通らないと10月1日から政府がロックダウンするという瀬戸際の中で、ついに保守強硬派がキレ始めたのです。
マット・ゲーツ下院議員はマッカーシー下院議長の解任動議をちらつかせました。
「本日、私は通告を行うために立ち上がる。議長、あなたは議長就任を許可した協定を遵守していない。下院が取るべき道は、議長職を即座に完全に遵守させるか、議長職解任動議によって議長職を解任するかのどちらかだ。」↓
On this very floor in January, the whole world witnessed a historic contest for House Speaker.
I rise today to serve notice. Mr. Speaker, you are out of compliance with the agreement that allowed you to assume this role. The path forward for the House of Representatives is to… pic.twitter.com/1IFsrmT8KK
— Rep. Matt Gaetz (@RepMattGaetz) September 12, 2023
さらに共和党の議員連盟「フリーダム・コーカス」は、10月からの歳出法案でまたもや弱腰を見せれば、マッカーシー議長は「地位を失う」と脅しました。
このような党内からの圧力があったことにより、マッカーシー議長はバイデン弾劾についてようやく重い腰を上げたというわけなのです。
弾劾のための証拠は豊富にある
それにしてもホワイトハウスの「嘘に基づいて弾劾訴追を開始した」という主張はちょっといただけない。証拠なら、これまで下院監視委員会でさんざん提示されてきたからです。
民主党はトランプ起訴でも証拠が弱いと言われていますが、そういうやり方なのでしょう。法律はどうでもよくて、自分たちの考えに合わないものは排除するという。
そんな中、FOXニュースの元プロデューサーのカイル・ベッカー氏はツイッター/Xに、バイデン家の証拠・証言を列挙しました。
- バイデンが副大統領だった頃、ハンターのビジネス・パートナーや仲間はホワイトハウスで80回以上会っている。
- バイデンは副大統領としてハンターの仕事仲間と少なくとも20回は電話会談をしている。
- 父親が副大統領だった頃、ハンターは少なくとも15カ国を旅行し、その後何度もビジネス関係者と会っている。
- ジョー・バイデンがハンターのビジネス・パートナーやモスクワ市長の夫人と直接会い、その後ハンターの会社に350万ドルを送金し、彼の大統領就任下でロシア制裁を回避した。
- ジョー・バイデンは2015年、ウクライナ検察当局に寝返るきっかけとなったブリズマの重役ヴァディム・ポジャルスキーと面会している。
- ジョー・バイデンはハンターの影響力斡旋活動の「ブランド」だった。
- ハンター・バイデンは、父親の名前を利用して数百万ドルを現金化した。
- ジョー・バイデンはハンター・バイデンと政府の公式情報を交換するために3つの異なるペンネームを使用した:ロバート・L・ピータース、ロビン・ウェア、JRB・ウェア
- FBIの信頼できる情報筋は、ハンターとジョー・バイデンの両名が500万ドルの国際的な贈収賄計画に参加したという証言を提供した。
- バイデン夫妻への2000万ドルを超える複数の疑わしい取引を示す銀行記録と、ペーパーカンパニーの明細書がある。
- メールの痕跡によれば、ハンター・バイデンは”ビッグ・ガイのためにHから10%”を求めていた。複数の証人によれば、ビッグ・ガイとはジョー・バイデンのことである。
- ハンター・バイデンはジョー・バイデンをオフィスメイトと呼び、CEFCのイェ会長をパートナーとして挙げた。
- 仕事仲間のロブ・ウォーカーがFBIに語ったところによると、ジョー・バイデンはCEFCのビジネス・メンバーと個人的に会っていた。
- スパイを含む中国共産党とつながりのあるビジネスマンが、影響力斡旋の一環として、数百万ドルとダイヤモンドをバイデン家に送った。
- バイデン家は、こうした中国からの不正な支払いを隠すために、手の込んだ方法を用意した。
- ハンターの仕事仲間は、ジョー・バイデンが関与しているとほのめかしたが、”彼らは被害妄想的”なのでそのことには言及しなかった。
- ジョー・バイデンはハンターのビジネスパートナーの娘をジョージタウン大学に推薦入学させるために推薦状を書いた。
- ジョー・バイデンはエアフォース2でハンターのメキシコ人ビジネス仲間と面会した。
- ハンター・バイデンのビジネス問題を調査していたIRS(国税庁)の内部告発者が、バイデン氏が任命したワシントンDC連邦検事マシュー・グレイブスがハンター・バイデンの管轄区域での告発を拒否し、特定の税務告発の時効を経過させたと証言している。
- ハンター・バイデン事件のIRS内部告発者ジョセフ・ジーグラーは、司法省の調査中、いかにバイデン家が優遇されていたかを証言した。
- IRSの内部告発者は2人とも、ジョー・バイデンにつながる証拠を追求することを許されなかったことを確認した。
- ハンター・バイデンは2019年のテキストメッセージで、ジョー・バイデンに給料の「半分」を渡していると娘に嘆いている。
- ハンターとビジネス・パートナーであるエリック・シュヴェリンとの間で交わされたEメールには、「JRB」(ジョセフ・ロビネット・バイデンのことだと思われる)に対する請求書支払いの詳細が記されている。
Here is all the "no evidence" in the Biden impeachment inquiry obtained by House Oversight.
1. Hunter's business partners & associates met in the White House over 80 times when Biden was VP pic.twitter.com/RtUgRtgfgl
— Kyle Becker (@kylenabecker) September 13, 2023
※こちらのスレッドリーダーにまとめがあります。
バイデンは思い通りに行かなかった
まあいずれにしても民主党は上院を抑えているので、証拠が揃っていたとしてもバイデンが弾劾で罷免されることはないでしょう。ただそれはそれとして、弾劾訴追したという事実の持つ意味は大きいと思うので、やる価値はあるのでは。
余談ですがニューヨークタイムズが興味深い記事を書いていて、7月にハンター・バイデンが司法取引に失敗した時、バイデン大統領は茫然としたという。
バイデン氏に近い複数の関係者が語っている事として、このときバイデン大統領は悲しみと苛立ちに襲われたという。つまり思い通りに行かなかったことを示している。
そしてそれ以来、ハンターに関する会話におけるバイデン大統領の口調は、以前にはなかった諦念を帯びてきたという。
バイデン家は長男のボー・バイデンが優秀で、政治家を受け継ぐ資質だとみられており、天性のリーダーで、父親のジョー・バイデンは長男を大統領になる器だと思っていたという。
しかし病気でボー氏を失った後、弟のハンター氏はアルコール・ドラッグに溺れていった。
ジョー・バイデンはハンターを側に置こうとしてきた。ハンターがジョー・バイデンをビジネスに引きずり込もうとしたとき、ジョー・バイデンは断ることができなかった、と周辺の親しい人たちは思っているとか。
いずれにしても司法取引に失敗したことにより、デラウェア州のデビッド・ワイス特別検査官は9月中にハンター・バイデンを起訴すると言っています。
そうなるとおそらく長い裁判になるでしょう。
LINK: https://t.co/jhchqSuk3B
— Citizen Free Press (@CitizenFreePres) September 13, 2023
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