裁判所、暗殺が噂されるセス・リッチのパソコンやドライブを提出しろとFBIに命令――陰謀が暴かれるか

Johanna745, CC0, via Wikimedia Commons

FBIにセス・リッチのPCを提出するよう命令

ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領の妻オレナ・ゼレンスカの財団に不穏な情報が出てますけど、例によって「ロシアのフェイクだー」と否定報道も出てます。どうなんだろって感じですが。

さて連邦判事が、2016年に亡くなったセス・リッチ氏のノートPCなどの証拠品を提出するようFBIに命じました。

このニュースに、陰謀界隈は沸き立っているかもしれない。

11月29日、テキサス州のアモス・マザント連邦判事は「セス・リッチの個人用ノートパソコン、仕事用ノートパソコン、DVDやテープドライブの情報を、この意見書と命令書の発行後14日以内に開示すること」と命じました。

民主党全国委員会(DNC)の職員だったリッチ氏は、2016年7月10日の明け方、ワシントンDCで射殺されました。27歳でした。

この事件は未解決のままです。

陰謀界隈はこの事件をよーく知ってると思いますが、なぜ7年も経っているのにこの命令が出たのか。なぜ陰謀界隈が騒ぎ立てているのか。

セス・リッチ殺人事件

事件からおさらいしていきましょう。

ネブラスカ州出身のセス・リッチ氏は、民主党のベン・ネルソン上院議員のインターンなどを経て、DNCの選挙関連のディレクターとして勤めていたという。

2016年7月10日の早朝午前4時20分、リッチ氏はワシントンDCのブルーミングデール地区で撃たれました。背中に2発の銃弾を受け、搬送された病院で死亡が確認されました。

時まさに2016年大統領選挙の数ヶ月前であり、民主党はヒラリー・クリントンが党代表の指名を受ける直前のことでした。

そして事件5日前に、FBIによるヒラリーのメールスキャンダルの捜査が終了したばかりだった、ということも頭に置いておく必要があります。

リッチ氏の身体には若干の痣があったものの、財布をはじめとする所持品は何も奪われておらず、ただ殺されただけだったのです。

ヒラリー・クリントンによる殺害説

事件後すぐに、不穏な噂がネットを駆け巡りました。

リッチ氏がヒラリーメールの内部文書をウィキリークスに情報提供したため、その報復としてヒラリー陣営に殺害されたという憶測が飛び交いました。

なぜ民主党の職員だったリッチ氏が同じ党のヒラリー氏を貶めようとしたかについて、リッチ氏はひそかにライバル候補であるバーニー・サンダース氏を支持していたという噂も出ました。

一方で、ヒラリー側による殺害の憶測が出るのもムリはなかった。というのもこれまで、クリントン家に関わっていた関係者の数十人が、謎の死を遂げているからです。
(死亡者リストあり↓)

またビル・クリントンの元側近が謎の死、ジェフリー・エプスタインとのパイプ役――関係者の死が多過ぎじゃね?

2022年5月12日

ウィキリークスがメールを大量公開

また事件12日後の7月22日、ウィキリークスがDNCから流出した大量の電子メールの公開を開始したものだから、一気に騒動は燃え上がった。

そしてウィキリークス代表のジュリアン・アサンジ氏が、リッチ氏殺害に関する情報を提供した人に「2万ドルの報奨金を出す」とまで言い出しました。

さらにDC警察も、情報提供者に2万5千ドルを提供すると発表しました。

11月には保守派活動家のジャック・バークマン氏までもが、10万ドルの報奨金を個人で提供すると述べ、翌月さらに5000ドル上乗せ、1月にはさらに2万5000ドルを追加しました。

Murder of Seth Rich /Wikipedia

証拠を隠していたFBI

今回の判事の命令は、テキサス州のブライアン・ハドルストン氏がFBIを相手に起こした情報公開訴訟に関するものです。

ハドルストン氏(代理人:タイ・クレベンジャー弁護士)は、2017年9月1日にFBIに「セス・リッチ氏殺害に関する全ての記録と通信」を求めて情報公開請求を行いましたが、FBIは「記録を見つけることが出来なかった」と回答しました。

これを受けて翌2018年、原告はニューヨーク東部地区のブルックリンの裁判所に、情報公開を求めてFBIを提訴しました。

2020年1月27日に原告のクレベンジャー弁護士は、偶然にも、本件と関係のない訴訟でセス・リッチ氏とウィキリークスのつながりを示す電子メールをFBIが提出していたことを発見します。

その後FBIは一転して、リッチ氏のパソコンから数千のファイル(2万ページ以上)を入手していたことを認めました。しかし毎月500ページずつしか公開できないと言い、全部公開するには「66年かかる」と主張しました。

2022年9月29日にマザント判事は、FBIがセス・リッチ氏のノートパソコンにあった情報を「不当に隠した」と述べ、「14日以内に提出しなければならない」と命令しました。

10月27日にFBIは、66年以上にわたる記録の提出を認めるべきだと主張しました。

その後も延長を要請していたもよう。

FBIと民主党

この件に関するFBIの動きを見ていると、やっぱりなにか隠したい事があるように思えてしまう。

最初「記録はなかった」と言っていたのが、その後あったことを認め、さらに「公開に66年かかる」という。公開する気がないのが見え見えです。

その間クレベンジャー弁護士はしつこく食い下がり、ようやく今回の命令にたどり着いた。

左派メディアは、この事件を取り巻く不穏な噂を「陰謀論だー」として否定してきました。

しかし民主党とFBIというセットは、ロシアゲートやハンター・バイデンのラップトップなど、これまでもさまざまな工作をでっち上げてきた歴史があり、自ら陰謀を謀ってきた。

そもそもこの事件の犯人はいまだに捕まっておらず、捜査が進んでいるという話も見えてこない。捜査する気があるのかさえ分からない。

このあとFBIは裁判所の命令に従って公開する気があるのか。


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2023年4月1日
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