トランプがヒラリー・クリントンや民主党を提訴、ロシアゲートでっち上げで「考えられないような陰謀を企てた」――今わかっていること

トランプ氏がヒラリー・クリントン氏ほかを提訴

さて春分点が過ぎましたが、ドナルド・トランプ氏がヒラリー・クリントン氏ほかを提訴しました。

これは2016年の大統領選挙をめぐって、トランプ氏がロシアと共謀したという疑惑「ロシアゲート」をでっち上げて評判を貶めようとしたとして、ヒラリー氏、民主党全国委員会(DNC)、前FBI長官など、関連した組織・個人などを相手取り、懲罰的損害賠償を求めて起こされた民事訴訟です。

今回は民事訴訟ですが、刑事事件としてはジョン・ダーラム特別検察官がすでに何名かを起訴しています。

なおロシアゲートについては過去記事をご参照ください。

トランプを誹謗中傷するという自分勝手な目的で協力した

フロリダ州フォートピアスの連邦裁判所に提出された訴状は108ページに及びます。

訴状は、「ヒラリー・クリントンとその仲間達は、2016年の大統領選挙において、考えられないような陰謀を企てた。それは良識を揺さぶり、この国の民主主義を侮辱するものである」というくだりから始まっています。

被告は協調して行動し、共和党の対立候補であるドナルド・トランプが敵対する外国と共謀しているという偽りのシナリオを織り込むために、悪意を持って共謀した。

証拠の改ざん、法的執行機関の欺瞞、機密性の高いデーターソースへのアクセス乱用など、彼らの計画を推進するために行われた行為は、ウォーターゲート事件でさえ比較にならないほど非道であり、破壊的、扇動的なものだ。

被告は「対立調査」「データ分析」その他の政治的戦略を装い、悪意を持って国民の信頼を揺るがそうとした。彼らはドナルド・トランプを誹謗中傷するという、たった一つの自分勝手な目的を持って協力した。

実際、彼らの広範囲に及ぶ陰謀は、根拠のない連邦捜査を引き起こし、メディアが熱狂するスキャンダルをでっち上げることで、トランプの大統領選出馬を台無しにすることを目的としていたのだ。

被告のリスト

今回の被告としてリストされているのは、

【被告リスト】

  • ヒラリー・クリントン氏
  • 2016年大統領選ヒラリー・クリントン選挙キャンペーン
  • 民主党全国委員会(DNC)
  • 法律事務所パーキンス・コーイ
  • クリントンキャンペーンの弁護士マイケル・サスマン氏
  • クリントンキャンペーンの弁護士マーク・エリアス氏
  • クリストファー・スティール氏
  • 元DNC議長デビー・ワッサーマン・シュルツ氏
  • バイデン政権国家安全保障顧問ジェイク・サリバン氏
  • クリントンキャンペーン元議長ジョン・ポデスタ氏
  • 調査会社フュージョンGPS
  • 元FBI長官ジェームズ・コミー氏
  • 元FBI副長官アンドリュー・マッケイブ氏
  • 元FBI捜査官ピーター・ストルゾック氏
  • 元FBI弁護士リサ・ペイジ氏
  • 元FBI弁護士ケビン・クラインスミス氏
  • 複数の関係者
  • 複数の関連企業

トランプ氏側の弁護士

この訴訟はフロリダ州ディアフィールドビーチにある法律事務所ティクティン・ロウ・グループが、トランプ氏の代理人として提出しています。

主任弁護士のピーター・ティクティン氏はトランプ支持者で、トランプ氏に関する著書も書いているもよう。また2009年に業務停止処分を受けていますが、過去10年においては処分の記録もなく健全だといいます。

もう一人の弁護士アリーナ・ハバ氏もトランプ支持者と思われ、かつてトランプ暴露本を書いたメアリー・トランプ氏を訴え、またトランプ氏から性的虐待を受けたと訴えを起こしたコラムニストのE・ジーン・キャロル氏の訴訟にも関わっていたとのこと。

ただハバ氏については若干ネガティブな評判もあるような。

訴因

訴状による訴因は以下のようなものです。

【訴因】

  • RICO法違反
  • RICO法共同謀議
  • 有害な虚偽の記載
  • 有害な虚偽行為の謀議
  • 悪質な訴追
  • 悪質な訴追を行うための共謀
  • コンピューター詐欺および乱用
  • 営業機密の窃盗
  • 保存通信法(SCA)違反
  • エージェンシー(ヒラリー氏が主謀してトランプ氏に危害を与えるようエージェントに指示したこと)
  • 監督責任
  • DNCの監督責任・代理責任
  • クリントンキャンペーンの監督責任・代理責任
  • フュージョンGPSの監督責任・代理責任
  • オービス・ビジネス・インテリジェンス社の監督責任・代理責任
  • ニュースター社の監督責任・代理責任

※RICO法とは「Racketeer Influenced and Corrupt Organizations Act」の略で、違法行為によって不正な利益を得る組織的犯罪を規制する法律とのこと。

この訴状では、トランプ氏は直接名誉毀損を主張していません。

一方で、訴状が主張する被告の行為によってトランプ氏が2,400万ドル以上を失ったとして、懲罰的やその他を含む損害賠償を求めています。

担当はクリントン任命の判事か

この訴訟は、ビル・クリントン元大統領が任命したドナルド・ミドルブルックス連邦地裁判事に割り当てられましたが、シャニーク・メイナード判事が一部または全部を担当する可能性もあると言われています。

ミドルブルックス判事は、ヒラリーメール問題でヒラリー氏を訴えた民事訴訟を却下しているとのことなので、いわゆる民主党系かもしれません。

まあトランプ氏サイドがこのタイミングで訴えたのは、11月に行われる中間選挙に向けてアピールする意図が少なからずあったのかな、と思わないでもないですが。

個人的にはロシアゲートの詳細が明らかになることを期待したいです。

また続報あれば取り上げたいと思います。