ハマス指導者の息子が内部告発
パレスチナのスンニ派イスラム原理主義「ハマス」の共同創設者で指導者でもあるシェイク・ハッサン・ユセフ氏の息子モサブ・ハッサン・ユセフ氏が、ハマスについて内部告発をしました。
モサブ氏がなぜ告発したかというと、彼はすでにキリスト教に改宗し、中東を逃れて米国に移住しているからです。
モサブ氏はFOXの番組『FOX&フレンズ』に出演し、テログループでの経験や、なぜそのような生活を捨てたかについて語りました。
「私はハマスの指導部の中心で生まれた。彼らはパレスチナの人々のことなど気にかけていない。彼らは人命を顧みない。」
'THEY DON'T CARE': Son of Hamas leader breaks silence on decision to denounce terror group, says they "do not regard the human life." https://t.co/2k368zbYtG pic.twitter.com/TnBvrU5Ryg
— Fox News (@FoxNews) October 19, 2023
生まれ~スパイになるまで
モサブ・ハッサン・ユセフ氏(45)は、1978年にエルサレムの北10kmの都市ラマッラで生まれました。
父親はハマスの共同創設者であり指導者の一人シェイク・ ハッサン・ユセフ氏で、母サッバ・アブ・サレム氏との間にモサブ氏を含む6人の息子と3人の娘がいるという。
モサブ氏が10歳の頃、パレスチナの蜂起「第一インティファーダ」があり、イスラエルの入植者に石を投げたことで初めて逮捕されています。そこから何度もイスラエルに逮捕され、投獄されたという。
1996年にイスラエルのメギド刑務所に収監されている時、同じハマスの受刑者達がイスラエルに協力しているパレスチナ人を残忍なやり方でリンチしているのを目撃した。
目の前でハマスが指の爪の中に針を刺したり、プラスチックと共に燃やしたりして何百人もを拷問して殺していたという。
「彼らの悲鳴は忘れられない。私は自問自答を始めたんだ。もしハマスがイスラエルを破壊し、国家を建設することに成功したらどうだろう。彼らはこの方法で私たちの仲間を滅ぼすのだろうか?」と。
モサブ氏はこうしたハマスの残虐性やイスラム教に疑問を抱き、イスラエルの諜報機関「シン・ベト」から協力を請われて受け入れた。
つまりイスラエルに協力するスパイになったというのです。
マイクを持っているのが父シェイク・ハッサン・ユセフ氏↓
Hamas founder's son says Israel should kill terror group's leaders after ceasefire https://t.co/ZiOHpAae5G pic.twitter.com/S9nSfNyK8Z
— New York Post (@nypost) May 22, 2021
イスラエルのスパイ~キリスト教との出会い
1997年に刑務所から出所すると、モサブ氏はハマス指導部に戻り、イスラエルに情報を流した。シン・ベトの最も信頼できる情報源とみなされていたという。
彼がイスラエルに提供した情報により、ハマスの多くの組織が摘発され、ユダヤ人に対する数十件の自爆テロや暗殺未遂を防ぐことができたとか。
しかも彼は身内スパイの疑いを払拭するため、イスラエル側に自らを逮捕させる演出さえ施したという。
モサブ氏はこうした行為を、金銭目的ではなく、宗教的イデオロギーでやっていたといい、人命を救いたかったと言っています。そのため、殺さずに逮捕させるという条件でイスラエルに情報を提供していたとのこと。
1999年にイギリスの宣教師に出会い、キリスト教を教えられた。
2005年にテルアビブで旅行者から密かに洗礼を受け、2007年にカリフォルニア州サンディエゴに移ってキリスト教会に入信し、2008年に公表しています。
私は自分の血筋に背を向けた
10月7日にハマスがイスラエルを攻撃してから約2週間後、モサブ氏は『FOX&フレンズ』の中で以下のように述べました。
私は自分自身に正直でなければならなかった。ハマスが私に利益を与えてくれたとしても。
私はその世界では王子のようだった。しかし、私は彼らが好きではなかった。
私は自分の血筋にさえ背を向けたのです。それほどまでにハマスが嫌いだったからだ。そして25年後の今日、彼らはガザの支配者であり、私たちは彼らが何をしでかすか見ている。
さらに、
ハマスとは民族運動ではない。ハマスとは、イスラム国家の樹立を目指す宗教運動だ。
彼らはナショナリズムには関心がない。実際、彼らはナショナリズムに反対している。
長期的な目標は、中東と世界をイスラム国家に変えることです。
ハマスの背後にいる真犯人はイランだ
モサブ氏によると、ハマスの背後にいるのはイランであり、イランがスポンサーとして動いているという。
この絵を描いているのはイランだ。
ハマスが仕えているのはパレスチナ人ではなく、イランなのだ。ハマスの主人はイランだ。
だから、ナショナリズムだとか、自分たちは民族運動だとかいうのは嘘で、
彼らはパレスチナ人を人間の盾として利用しているのだ。
ガザをハマスから解放する必要がある。
イスラエルは、ハマスを崩壊させることで、パレスチナの人々に最大の恩恵を与えられる。
ガザ住民はハマスの恐怖政治に支配されている
モサブ氏は2021年のニューヨーク・ポストのインタビューで、ガザの人々はハマスの恐怖政治に従っているだけだと述べています。
「ガザの大多数が沈黙しているのは、ハマスを支持しているからではなく、ハマスを恐れているからだ。」
「人々は恐怖の中で生きている。ハマスが彼らを剣で支配している。ハマスに反対すれば、すぐに射殺されるか絞首刑にされる。お前も家族も終わりだと。」
参考までに、モサブ氏の主張に関して「本当にしては出来すぎ」っていう声もあるようですが。
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