OpenAIの700人のスタッフ、退社するぞと脅す――シアー新CEO、エロ好きやナチス支持が暴露されてしまう

OpenAIがアルトマンCEO解雇、スタッフ離脱騒動に

シエナ・カレッジの最新の世論調査で、左派ニューヨーク州においてドナルド・トランプの支持が10ポイント差をつけてジョー・バイデンを上回ったという。あのニューヨークで?という驚きがある一方、そうなって当然だろうという思いもありますが。

さてChatGPTを開発しているOpenAIが11月17日に、サム・アルトマンCEOの解任を発表しました。

その理由がふわっとしてて詳しいことはよくわからない。

声明によると、「アルトマンは取締役会とのコミュニケーションにおいて一貫して率直でなく、取締役会がその責任を果たす際の妨げとなっていた」と述べ、「あなたの行為は、あなたにOpenAIを監督する能力がないことを明らかにした」としていますが、その詳細については不明です。

アルトマン氏に続いて、OpenAI共同創設者兼社長のグレッグ・ブロックマン氏も更迭されました。

まあこれだけでもお家騒動だというのが明らかですが、その日の夕方までに3人の上級研究員が辞任したというオマケまで付きました。

アルトマン氏とブロックマン氏はすぐに「マイクロソフトに入社した」とサティア・ナデラCEOが認めるまでに至りました。

この騒動でOpenAIの大半のスタッフが、無能な取締役会が辞任しない限り、辞めてマイクロソフトに入社するぞと脅すという展開になっています。一説によると退職を検討しているスタッフは全770人中700人に上り、約9割にまで達しているという。

アルトマン解雇の理由はこれか?

ブルームバーグによると、この騒動が起こる前、アルトマン氏は新しい半導体ベンチャーのために中東で資金調達をしていたと報じています。

アルトマン氏は、コードネーム「Tigris」と呼ばれるプロジェクトの資金調達のために中東を訪れていたという。それによってAIに特化した半導体会社を設立し、Nvidiaに対抗する半導体を製造することを計画していたとのこと。

さらに元アップル社のデザインチーフ、ジョニー・アイブ氏と共同で開発を進めているAIに特化したハードウェア・デバイスの資金調達も視野に入れていたという。

アルトマン氏はこれらのベンチャー企業について、孫正義さんのソフトバンク・グループやサウジアラビアの公的投資ファンド、ムバダラ・インベストメント・カンパニーなどと話し合いを持ち、新会社のために数百億ドルの資金を求めていたと書かれています。

ただし記事によればアルトマン氏の半導体ベンチャーはまだ設立されておらず、投資家との話し合いはまだ初期段階だという。

また現時点でサウジアラビアのファンド、OpenAI、ソフトバンクはコメントを拒否しているとのこと。

もしかしてOpenAIの取締役会は、アルトマン氏の戦略について何も聞かされていなかったことにヘソを曲げたんでしょうか?

真相はわかりません。

9割のスタッフが取締役会の無能さを非難

アルトマン氏が更迭された後、OpenAIの505人のスタッフが取締役会に対し、役員全員が辞任しない限り同社を辞めると脅しました。

その後この人数は増え、すでに書いたように700人に達していると言われている。

スタッフ達は取締役会に宛てた書簡の中で、取締役会の無能さを非難しました。

「あなた方の行動は、OpenAIを監督する能力がないことを明白にしました。私たちは、私たちの使命と従業員に対する能力、判断力、配慮に欠ける人たちのために、一緒に働くことはできません。」

そして解任された2人がマイクロソフトに入社したため、スタッフ達もマイクロソフト社の子会社で働くと述べています。

「我々はOpenAIを辞め、サム・アルトマンとグレッグ・ブロックマンが経営するマイクロソフトの新しい子会社に参加すること選択することができる。」

また、

「現取締役全員が辞任し、取締役会がブレット・テイラーやウィル・ハードなど2人の新たな主席独立取締役を任命し、サム・アルトマンとグレッグ・ブロックマンを復職させない限り、私たちは直ちにこの措置を取る」

マイクロソフトは、このような転職を検討している従業員には、アルトマン氏の新子会社で仕事があることを「保証する」と述べているとか。

なお、この書簡に署名したスタッフの中には、暫定CEOのミラ・ムラティ氏と、共同創業者で取締役会メンバーのイリヤ・スーツケバー氏も含まれていると言われています。

OpenAI内部では権力闘争が続いている

The Vergeによると、アルトマン氏のマイクロソフト移籍は決まったわけではなく、まだ復帰に向けての道が模索されているという。

記事では情報筋の話として、アルトマン前CEO、ブロックマン前社長、そして同社の投資家たちの間で、取締役会の退任への道を見つけようとしていると伝えています。

金曜日の解任以来、OpenAI内部では権力闘争が絶え間なく続いており、ほぼすべての従業員が、アルトマンに反対する取締役会に反発しているという。

取締役会の中でアルトマンに反対しているのは、Quoraのアダム・ダンジェロCEO、GeoSim Systemsのターシャ・マコーリー元CEO、ジョージタウン大学安全保障・新技術センターのヘレン・トナー戦略部長の3人とのこと。

そんな中、新たに任命されたエメット・シアー新CEOは、取締役会がアルトマンを解雇した詳細な理由を記した書面を入手できておらず、投資家にも共有されていないという。

一方マイクロソフトのサティア・ナデラCEOは20日、CNBCのインタビューに答え、サム・アルトマンとOpenAIのスタッフがマイクロソフトに加わるかどうか直接質問され、

「それはOpenAIの取締役会と経営陣、従業員が選ぶことだ。」

またナデラCEOは、マイクロソフトは「OpenAIと提携することを選んだが、それはOpenAIの人々が残るか、マイクロソフトに来るかにかかっている。もしサムとグレッグがOpenAIにいないのであれば、マイクロソフトの同僚たちとともに素晴らしいファミリーを築いてほしい。」と述べました。

エメット・シアー新CEO

OpenAIの新CEOにはエメット・シアー氏が就任しました。

シアー氏はイェール大学でコンピューター・サイエンスを専攻し、2005年に理学士号を取得しました。

2009年にJustin.tvを共同設立し、最高技術責任者となりました。その後ビデオゲームなどのライブストリーミングサービス「Twitch」を共同創設しています。

そんなシアー氏に、早くもスキャンダルが出ています。

シアー新CEOのSNS過去投稿が問題に

シアー氏の過去のツイッターXでの発言が掘り起こされ、物議になっています。

投稿の一部の女性の「レイプ妄想」や、ナチスの世界征服に関するものでした。

「ナチスは非常に邪悪だったが、私はすべての価値の終わりをコインで決めるよりも、実際の文字通りのナチスが永遠に世界を支配することを望む」↓

「でも、40~60%の女性がレイプや同意のない妄想をしているようです。なぜあなたは、それが彼女たちにとって本物のセックス・ファンタジーでないと決めつけるのですか?(後略)」↓

「それはBDSMの非同意/屈辱的な変態的なものです…あなたの言う通り、彼らは何らかの恐怖をエロティックにしているのでしょう。しかし、それは変態的なセックスファンタジーだ」↓

「昆虫は明らかに美味いよ。ポップコーンコオロギを食べたことある?」↓

まあこれだけなら、シアー氏がナチスの事を真剣に支持しているとか、女性がレイプされることを望んでいるとかは言い切れるものではありませんが、こうした発言にスタッフや投資家が気持ち悪さを覚える可能性はあるのでは。

エロ好きも暴露された

それだけではなく、他にもめくられている。

あるXユーザーは、シアー氏がアエラ・マーティンというエロ配信者かつ風俗嬢のサブスクを購読していることをバラしました。

「OpenAIの新CEOはアエラを購読している。エロCEOだ。もう終わりだ」↓

この女性はアエラというファーストネームのみを名乗っており、自らをセックスワーカー(売○婦)であると語っていて、ツイッターXの購読料は月9ドルだという。

ニューヨークポストによれば、アエラはかつてポルノ配信サイト「OnlyFan」のトップスターで、月収10万ドルとも言われていたという。

「2022年、私はシャワーよりもセックスをした」

身辺調査の大切さ

まあ個人の趣味とは言え、この暴露はちょっと恥ずいかな。

いずれにしてもOpenAIのゴタゴタがどうなるかは、今後の展開を見ていくしかないでしょうけど。

ただ日本の政治家もそうだけど、これからの時代、大事なポストに就ける時は身辺調査は大事だということだけは確かなようです。

後で何がめくられるかわかったもんじゃない。

【追記】
OpenAIは11月21日、アルトマン氏が同社に復帰することを確認した。


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