オリバー・ストーンのJFKドキュメンタリー新作
アルゼンチン新大統領は保守派のハビエル・ミレイ氏になりました。やはり左派の政策にはノーが突きつけられている。
さて1991年の映画『JFK』のオリバー・ストーン監督が、JFK暗殺に関する新作映画を公開しました。
この映画『JFK/新証言 知られざる陰謀』は、新たに解禁された機密文書からジョン・F・ケネディ暗殺事件の真相をひも解いたドキュメンタリーで、11月17日より劇場公開されました。
(原題『JFK Revisited: Through the Looking Glass』)
映画『JFK/新証言 知られざる陰謀【劇場版】』オフィシャルサイト
リー・ハーヴェイ・オズワルドによる単独犯行
JFKは1963年11月22日に暗殺されていますから、60年が経過したことになります。
事件直後に設置されたウォーレン委員会により、暗殺はリー・ハーヴェイ・オズワルドによる単独犯行だと結論づけられました。
先ごろ、甥のロバート・F・ケネディ・ジュニア氏がJFK暗殺について発言し、そのRFKジュニアが大統領選挙に出馬したことであらためて脚光を浴びています。
また当時JFK周辺の警護をしていたシークレットサービスのポール・ランディス氏が、60年経って初めて口を開き、弾丸について異論を述べたことで、さらに注目されることになりました。
JFK暗殺に関する文書の公開
1992年に「ジョン・F・ケネディ大統領暗殺記録収集法」が成立し、ケネディ大統領の暗殺に関連する記録の迅速な開示が規定されました。
この時点で、ウォーレン委員会の全文書の98%が公開されていたという。
その後設置された暗殺記録審査委員会(ARRB)は、現存する暗殺関連文書は2017年10月までにすべて公開するよう規定しました。
2017年7月24日に国立公文書館(NARA)は、これまで非公開だった残りの文書の公開を開始し、2018年4月26日までに大部分が公開されましたが、依然として一部は非公開でした。
2022年12月15日、バイデン大統領の命令により、NARAは13,173件の文書を追加公開したが、まだ残っているようです。
オズワルド一人の犯行ではない
現地11月19日に、イギリスのチャンネル5で『JFK Assassination: Inside the Trauma Room』(JFK暗殺:外傷室で何が起きたか)という長編ドキュメンタリーが放送されたようです。
この番組で、JFKが撃たれた後に運び込まれたパークランド記念病院の外傷室にいた数人の医師と研修医が、初めてインタビューに応じているという。
それによると7人の医師たちは、ウォーレン委員会の結論に真っ向から反論しているという。ウォーレン委員会は、オズワルド一人が、背後の教科書倉庫ビルからから撃ったと結論づけていました。
当時、同病院の外科助教授を務め、2019年に89歳で亡くなったロバート・マクレランド医師は、「陰謀があったことは間違いない。犯人は一人ではなかった」と語っているという。
Did Lee Harvey Oswald act alone? In this staggering new documentary, the doctors who tried to save President JFK's life claim to have evidence of a second shooter.
📺 Watch #JFKAssassination: What Happened In The Trauma Room on Sunday at 9pm on @channel5_tv. 😳 pic.twitter.com/3OGeNVQ4xs
— Channel 5 (@channel5_tv) November 16, 2023
前方正面から撃たれている
この番組に出演したパークランド記念病院の医師たちは、2013年に映画監督のジャック・ルース氏によって集められ、インタビューを受けていたとのこと。
しかしこの映像は10年間封印され、これまで公開されることはなかった。それが今回チャンネル5のドキュメンタリーによって初公開された形です。
インタビューに答えた医師たちは、JFKの外傷と、弾丸が前頭部に入ったように見えていたことから、背後から撃たれたという説に疑問を呈しています。
パークランド病院の上級医師ロナルド・ジョーンズ医師は、「振り返ってみての問題は、もしオズワルドが倉庫ビルの6階にいたなら、どうして正面から撃たれたのだ?加害者は複数いたのか?」と述べました。
当時医学部の4年生だったジョー・ゴールドストリッチ博士は、「後方から撃たれた銃弾が、どうして前方後方から頭皮を剥がすことができるのか」と、疑問を呈したという。
解剖写真が違って見えた
また医師たちは、これまで見たことのないケネディの解剖写真も調べたという。
すると、パークランドの外傷室で見たものとは「違って見える」と全員が述べていたとのこと。
当時1年目の研修医で2020年に亡くなったケネス・サリヤー医師は、「解剖写真を見たとき、誰かが全体を改ざんしたのではないかと思い、とても疑わしくなった」と語っているとか。
これはJFKの証拠が改ざんされたことを意味するかもしれない。
パラマウント+もJFKドキュメンタリー
奇遇なことにほぼ同じタイミングで、ストリーミングサービス「パラマウント+」でも新作ドキュメンタリー『JFK: What The Doctors Saw』(ドクターが見たものとは)が11月14日から配信されているもよう。
この動画も、当時のパークランド記念病院の医師たちが語っており、ネタ元はチャンネル5のものと同一映像のようです。
またこちらでは、JFKが検死もされずにパークランド記念病院から移送され、メリーランド州のベセスダ海軍病院で検死解剖した医師、J.ソーントン・ボズウェル医師とジェームズ・ヒューム医師の法医学解剖にも疑問を呈しているという。
1976年にケネディ暗殺事件を調査した、下院暗殺特別委員会の法医学病理学委員会の委員長マイケル・バーデン氏は「ベセスダのは一種の秘密解剖だった」と語っているようです。
それによるとこの検死解剖はお粗末なものだったと言い、「検死を担当する人々は訓練を受けていなかった」と語ったいるとか。
そしてベセスダ海軍病院とパークランド記念病院の医師との間にはコミュニケーションがなかったといい、パークランドの医師たちによると、ベセスダのチームは、解剖が終わるまでJFKの治療の詳細を確認するための連絡を取らなかったという。
パークランドのジョーンズ医師はドキュメンタリーの中で「彼らはすべての情報を持っていなかった」と語りました。
そして医師たちは、口をつぐませようとする当局の脅迫工作についても語っているという。
シカゴでも暗殺が計画されていた
JFK暗殺の記録を丹念に調べたジェイムズ・W・ダグラス著『JFK and the Unspeakable』によると、JFKはテキサス州ダラスで暗殺される前、シカゴでも暗殺計画がありました。
この計画はダラスの20日前の11月2日に計画されており、その方法は似通っていた。
シカゴではオズワルドと同じように、身代わりの容疑者としてトーマス・アーサー・ヴァリーという人物が選ばれていたと本は述べています。
逮捕されたとき「ハメられた」と言ったオズワルドですが、そのやり方はシカゴの計画もそっくりで、ヴァリーは共産主義の妄想に取り憑かれた人物として設定されていました。
ただヴァリーが事前にバレた原因として、乗っていた車のナンバーと情報機関との関連が示されたことでした。
ヴァリーは6年後に警官によって射殺されてしまいます。この警官は後にFBIの指示によって撃ったことを認めました。
映画『JFK』を観た人ならわかると思いますが、JFK暗殺の重要参考人は次々に殺害されています。
大きな力
東西冷戦時代のさなか、JFKは方針を変えたたために、何らかの大きな力から敵視されたかもしれない。
それは今も続く力だとすれば?
JFKは核戦争になりかねない冷戦をやめ、和平に向かおうとしたことでヘビに睨まれた。
大統領選挙の候補たちが無事であることを願っています。
詳しくは→こちら