トランプ有利の流れに傾く
アストラゼネカのコロナワクチンが全世界で回収になったのは、冥王星の逆行と無関係ではないのでは。
さてドナルド・トランプ氏をめぐる刑事起訴が、ここにきて次々に暗礁に乗り上げているのが興味深い。
司法省の「なんとしてでも大統領選挙前にトランプを有罪にする」という野望が、どんどん遠のいていく気がする今日このごろです。
昨日書いたようにフロリダ州の機密文書持ち出し問題では裁判が延期になったことで、がぜんトランプ氏が有利になった。
これについて左派メディアは担当のアイリーン・キャノン判事がトランプから任命されていることで「忖度だー」と非難していますが、そもそも延期になった理由は司法省側にあるわけで。
司法省は証拠を改ざんをした上に、裁判所にウソをついた。つまり違法なことをしていたのであり、判事としてはそんな裁判をやすやすと行うわけにはいかないのは当然でしょう。
そんな中、さらに他の2つの起訴でもトランプ氏に有利な展開になりつつあります。
現在ニューヨークで行われているポルノ女優口止め料裁判と、これから行われるはずのジョージア州のRICO法違反裁判です。
口止め料裁判では、当のストーミー・ダニエルズ本人が証言台に立ちましたが、これが「大失敗だった」と法律専門家から酷評されています。
そしてジョージア州のRICO法違反問題では、不倫スキャンダルのファニ・ウィリス検事に再度失脚の可能性が浮上してきた。
ストーミー・ダニエルズの露骨な証言
口止め料裁判では5月7日に元ポルノ女優のストーミー・ダニエルズ氏が証言しました。ダニエルズ氏は2006年にトランプ氏と性的関係を持ったと主張した。
この件は過去に連邦検察も選挙管理委員会(FEC)も調査していましたが、立証できないとして起訴を見送っています。そもそも口止め料は違法ではなく、マンハッタン検察はトランプ氏が「ビジネス記録を改ざんした」という事務的な理由をこじつけ、強引に起訴しました。
証言の中でダニエルズ氏はトランプ氏との出会いから語り、ホテルでの出来事を詳細に説明しました。
しかしそのディテールはえげつなかった。「私は彼から雑誌を取り上げ、それで彼の尻を叩いた」「服も靴も脱いでいた。ブラも外した」「正常位だった」
あまりの露骨な表現に、フアン・メルシャン判事は何度かストップをかけたという。また証言の一部を記録から削除するよう命令したとのこと。
確認しておきますが、この裁判は口止め料に関する「記録の改ざん」が争点です。性的なことをやったかどうかは関係ない。
トランプ弁護団は無効審理を要求したが、それは判事に却下されたようです。
反対尋問でダニエルズ氏はトランプ氏に「責任を取ってもらいたい」といい、トランプ氏から金を脅し取ろうとしているのかとのツッコミには「違う」と声を張り上げたという。
.@NormEisen was in the courtroom today for Stormy Daniels' testimony: Despite defense objections to "her sometimes rambling answers that were unflattering to Trump… the point had been made: the degree of detail meant the witness was believable" https://t.co/HvHFP7z4oa
— CNN Opinion (@CNNOpinion) May 7, 2024
法律専門家「検察側に不利になる」
こうしたダニエルズ氏の証言は、専門家からは概ね不評のようです。CNNやMSNBCなど左派メディアの法律アナリストでさえ苦言を呈している。
MSNBCの法律アナリストのダニー・セバロス氏は、彼女の証言は「準性的暴行事件に変えてしまった」と述べた。
CNNの法律アナリストのエリオット・ウィリアムズ氏は、ダニエルズ氏がトランプ氏を嫌っていることを明らかにしたことで、「検察側に不利になるだろう」と述べた。
またCNNのエリー・ホーニグ記者は「彼女の反応は惨憺たるものだった」と評価した。「ドナルド・トランプを憎んでいますか?」という問いに「もちろんです」と答えてしまったことで、「それは大きな問題だ」と述べた。
そしてダニエルズ氏が、SNSでたびたびトランプ氏を批判する投稿をしていることも問題だとした。
ABCの長寿番組「The View」のMCを務めるアリッサ・ファラ・グリフィン氏は、ダニエルズ氏の信憑性に疑問を呈した。「私は彼女が卑猥な詳細に踏み込む必要があったとは思わない」
ハーバード大学法学部のアラン・ダーショウィッツ名誉教授は、ダニエルズ氏の証言が検察側にダメージを与えたと述べた。
「今日、裁判官と検察側には明らかな逆転の誤りがあった。ハーヴェイ・ワインスタインの有罪判決を覆したニューヨークの控訴裁判所が、この有罪判決を覆さないとは考えられない。」
Alan Dershowitz breaks down why Stormy Daniel's disastrous testimony yesterday could have just doomed the prosecution's entire case in NYC:
"There was clear reversible error today committed by the judge and by the prosecution."
"I can't imagine how the Court of Appeals in New… pic.twitter.com/9TWpWkLDiX
— Charlie Kirk (@charliekirk11) May 8, 2024
ウィリス検事の資格剥奪を再審理
もう一件のジョージア州のRICO法違反問題でもトランプ側に有利な展開になりつつあります。
トランプ氏ほか複数名をRICO法違反などで起訴したジョージア州フルトン群のファニ・ウィリス地方検事は、以前書いたように特別検察官に任命したネイサン・ウェイド弁護士と不倫関係にあり、高額な報酬をデート費などにつぎ込んでいたと告発されたことで、資格剥奪の危機に晒されました。
これについて3月にスコット・マカフィー判事は、ウェイド氏を解任するか、ウィリス検事が身を引くかの選択肢を与え、即座にウェイド氏が辞任したことでウィリス検事は失脚を免れていました。
マカフィー判事は、過去にウィリス検事の部下として働いていたことがわかっていますし、ウィリスの選挙キャンペーンに寄付していた事も判明しているので、利益相反の疑惑があります。↓
トランプ氏を含む複数の共同被告の弁護団はこれを不服として控訴し、マカフィー判事がウィリス検事とウェイド弁護士の両方を罷免しなかったのは「間違っていた」と主張し、「ウェイドを単に罷免するという選択肢をウィリス検事に与えることは論理を混乱させ、ジョージア州の法律に反する」と主張しました。
このたびジョージア州の控訴裁判所はこの申し立てを受理し、再びウィリス検事の失脚を求める訴えを審理することに同意しました。
Georgia appeals court to hear Trump’s bid to disqualify Fani Willis https://t.co/iKtHTjzwCx pic.twitter.com/qL1fm8rQJL
— New York Post (@nypost) May 8, 2024
大統領選挙前に開始されない
これがトランプ側にとって朗報なのは、これでまた裁判の開始が遅れるからです。
元アトランタ連邦検事補のジョン・マルコム氏は、この裁判が大統領選挙の11月までに開始される可能性は「ない」と述べているという。
また「マカフィー判事にはまだ多くの係争中の申し立てが残っており、裁判が差し戻されたら検討しなければならないだろう」と述べた。
さらに現在最高裁で審理されている大統領免責特権についての判断が、この件に影響を及ぼすとも付け加えました。
'Not a chance’: Experts weigh likelihood of Trump's Georgia case going to trial before 2024 election https://t.co/TjnBwyL6uN
— Fox News Politics (@foxnewspolitics) May 8, 2024
トランプの作戦
以上のようにここのところトランプ氏をめぐる起訴は、一気にトランプ側に有利に動き始めています。何度も書いているようにトランプ氏のホロスコープのハードな影響はすでに終わっています。
トランプ氏は裁判を遅らせるだけでよく、大統領選挙前に行われなければ事実上の「勝ち」であり、弁護団はそれを狙っています。というのもトランプ氏が選挙で勝利すれば裁判は凍結される可能性が高いからです。
なので司法省はなんとか選挙前に有罪判決を出すべく、早く裁判を開始したくて焦っていますが上のようにうまくいっていません。
今のところ唯一選挙前に判決が出る可能性があるのは、ニューヨークの口止め料裁判だけですが、今回のダニエルズ氏の証言で12人の陪審員の心はどう動いたか。
陪審員裁判は全員一致が必要なので、たった1人だけでもトランプ無罪を主張すれば、無効審理になります。
ただ民主党員の多いニューヨーク州というのが壁になっていますが。
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