トランプ勝利、機密文書持ち出し問題で判事が裁判を延期――司法省がやらかしたチョンボとは

マー・ア・ラゴの機密文書/United States Department of Justice, Public domain, via Wikimedia Commons

フロリダ州のキャノン判事が裁判を延期

ニューヨークではトランプ氏のポルノ女優口止め料裁判が現在進行形で行われていますが、その他の3つの刑事裁判は手続きがストップしています。

  • ジャック・スミス特別検察官が起訴した1月6日国会議事堂事件(ワシントンDC)
  • ジャック・スミス特別検察官が起訴したトランプ邸マー・ア・ラゴの機密文書持ち出し問題(フロリダ州)
  • ファニ・ウィリス地方検事が起訴したRICO法違反(ジョージア州)

民主党バイデン政権の司法省は、トランプ氏を大統領選挙で勝たせたくないためになんとか選挙前に有罪にしようと、ムリヤリこじつけてこれらの起訴を行いました。

司法省は一刻も早く裁判を開始したくて焦っていますが、最高裁の判断待ちや、ウィリス判事の不倫スキャンダルなどでストップしています。

そしてフロリダ州の機密文書持ち出し問題で、5月7日に担当裁判官のアイリーン・キャノン判事が裁判の延期を命令しました。

これは事実上、トランプ側の勝利です。なぜならこれで11月の大統領選挙までに裁判が間に合わない可能性が高まったからです。

トランプ陣営は、どの裁判も遅らせるだけでよかった。

https://www.foxnews.com/politics/federal-judge-postpones-trumps-classified-records-trial-indefinitely

ウソの主張

この裁判はもともと5月20日に開始される予定でした。なぜキャノン判事は延期を命じたのか。

それは司法省がチョンボをやらかしたからです。というか違法なことをやった上に、裁判所にウソまでついていた。

FBIは2022年8月8日に、フロリダ州にあるトランプ氏の自宅マー・ア・ラゴに強制家宅捜索に入り、機密文書を押収しました。

押収した証拠はそのままの状態で保存されなければなりません。なぜなら証拠改ざんになってしまう。

司法省は2022年8月にキャノン判事に提出した書類の中で、FBIが押収した書類の写真を添付し、あたかもこれが現場にあったそのままの状態であるかのように主張していました。

しかし写真に写っている赤・青・黄色のシートは、あとからFBIが分類のために挿入したものだったようです。つまり写真は捏造されたものだった。

検察は証拠改ざんを認める

5月1日に提出された文書の中で、トランプ氏の共同被告ウォルト・ナウタ氏は「押収された書類の順序が違う」と主張しました。

これを受けてキャノン判事は、文書の調査を命じました。

すると5月3日にジャック・スミス特別検察官は、文書の改ざんを認めたのです。

「箱が押収・保管されて以来、前述の民事訴訟で当裁判所が出した命令に従うため、捜査目的のため、被告が箱を確認しやすくするためなど、いくつかの理由で適切な職員が箱にアクセスしてきた」

「そのボックス内のアイテムの順序が、関連するスキャンと同じでないボックスもいくつかある」

そして「政府は、このことが政府弁護士が以前理解し、法廷に表明していたことと矛盾していることを認める」と書いています。

https://justthenews.com/sites/default/files/2024-05/gov.uscourts.flsd_.648653.522.0.pdf

小さな問題ではない

スミス特別検察官のチームはこの問題を軽視し、裁判が遅れる理由にはならないと主張しましたが、キャノン判事は問題視した。

無数の、相互に関連した公判前問題が残っており、またこれから起こるため、公判前のさまざまな係争中の申し立てを完全かつ公平に検討することは、慎重さを欠き、裁判所の義務に反する

従って裁判所は、被告の適正手続きへの権利と、公正かつ効率的な司法運営という公共の利益に合致するよう、現在の2024年5月20日の公判期日(および関連するカレンダーコール)を取り消し、裁判所前の問題の解決後に別の命令によって再設定する。

また法律専門家も、問題になり得ると述べています。

ハーバード大学法学部のアラン・ダーショウィッツ名誉教授は「検察や捜査官は、箱の中の書類の順番を含め、所持している証拠に手を加えたり、改ざんしたりすべきではない。なぜなら、何が裁判や陪審員にとって重要な意味を持つようになるかは、誰にもわからないからだ」と述べた。

FOXニュースの法律アナリストであるグレッグ・ジャレット氏は「小さな問題ではない」といい、スミス特別検察官の言い訳は「”裁判長、複雑な事件で書類がたくさんあるんです”というものだが、それは言い訳にはならない。これは証拠改ざんだ。さらに悪いことに、スミスは法廷に嘘をつき、彼はそれを認めざるを得なかった。これは小さな問題ではない」と語っています。

なお今後のスケジュールは、

5月8日:公聴会
5月20日:審問
5月22日:起訴棄却を求めるナウタ氏の審理
6月21日:スミス特別検察官の任命が合法かどうかの弁論
6月24日~26日:追加審問
7月22日:状況説明会

これらの後に裁判の日程が決まるようです。

民主党の工作

以前書いたようにこの機密文書持ち出し問題は、完全にトランプ氏がハメられた可能性が浮上しています。

キャノン判事の命令によって封印解除された文書によれば、トランプ大統領の機密文書はバージニア州にあるGSA(一般調達局)にパレットごと保管されていたという。

当時トランプ大統領退任のドタバタの中で、GSAがマー・ア・ラゴに運び込んだというのです。つまりトランプ氏が故意に持ち出したのではない可能性がある。

それを「トランプが機密文書を持ち出したー、違法だー」と騒ぎ立ててFBIが強制家宅捜索した。これが事実ならトランプ氏は無実の罪を着せられている可能性がある。↓

【巨大な陰謀】トランプはハメられた?――機密文書問題でバイデン政権の闇が明らかに

2024年4月30日

その裏にはなんとかして民主党はトランプ氏を有罪にしたいのでしょう。どんだけトランプ再選が怖いんだよと。

そして今回明らかになったように、司法省は裁判所にウソをついて証拠改ざんをしていた。いろいろな工作が明らかになり、キャノン判事が裁判を延期するのもムリはない。

ムチャクチャなやり方

今回の件でさっそく下院司法委員会の委員長であるジム・ジョーダン議員(共和党)は、スミス特別検察官を調査することを発表しています。

委員会は、スミス特別検察官とそのチームのすべての文書及び通信などを5月20日までに提供するよう要請しました。

そもそもスミス氏の特別検察官任命は違憲だった可能性があり、これについてもキャノン判事は審理する予定です。

スミス氏は2022年11月にメリック・ガーランド司法長官から特別検察官に任命されていますが、このときスミス氏は私人(一般民間人)であり、連邦法では民間人にその資格はないと規定されていると主張されています。

それが法的に証明されれば、つまりスミス氏には起訴する資格はなく、この起訴自体が無効となる可能性がある。そうなればもう一つのワシントンDCの起訴も無効になるかもしれません。

いずれにしても民主党のやってきたことは、法に沿っていないムチャクチャなやり方だったのか。

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