アンドルー王子がピンチ?――性的暴行を訴えるジュフレ氏に対して苦しまぎれの言い訳か

アンドルー王子の民事裁判

マックスウェル氏の有罪評決により、アンドルー王子がさまざま取り沙汰されています。

アンドルー王子から性的暴行を受けたと訴えているバージニア・ロバーツ・ジュフレ氏との民事裁判について、アンドルー王子サイドは棄却の申し立てをしており、それについて米現地1月4日に弁論が行われる予定です。

これは刑事裁判ではないのでアンドルー王子は犯罪を起訴されているわけではなく、ジュフレ氏側が損害賠償を求めているものです。ジュフレ氏は当時17才であり、法的同意年齢を超えていました。

ただ裁判でジュフレ氏の主張が認められると、英王族の名誉が傷つけられる恐れがあり、またこれまで嘘をついていたとして信頼性を失うことにもなりかねません。

ジュフレ氏は、2021年8月9日にアンドリュー王子を「性的暴行と精神的苦痛を意図的に加えた」としてニューヨーク南部地区連邦地方裁判所に訴えました。2001年17才のときにアンドルー王子から3回にわたって性的暴行を受けたと主張しています。

アンドルー王子はこれを否定しており、ジュフレ氏と会った覚えはないとしています。

米国裁判所の管轄権

アンドルー王子サイドは、王子は英国在住であり、またジュフレ氏もオーストラリア在住であるため、米国の裁判所は管轄権を持たず、訴えは無効だと主張しています。

アンドルー王子の代理人アンドリュー・ブレットラー弁護士は、ジュフレ氏が過去19年のうち2年間を除いてオーストラリアに住んでいると主張しました。

ブレットラー弁護士によると、ジュフレ氏は提訴のために母親の住所を使って米コロラド州に登録したと述べています。

アリバイを主張

またアンドルー王子は2019年11月に放映されたBBCのインタビューで、ジュフレ氏が性的暴行を受けたと主張している2001年3月10日の夜は、娘のベアトリス王女をピザ・エクスプレスのパーティーに連れていっていたと述べました。

なぜ18年も前のことをそこまで詳しく覚えているかについてアンドルー王子は、ピザ・エクスプレスに行くことは非常に珍しいことなので、奇妙なほどにハッキリと思い出すことが出来た、とインタビューで述べています。

これに対してジュフレ氏の代理人デヴィッド・ボイス弁護士は、ピザ・エクスプレスへの道中や店内で会った人の情報を求めました。

しかしアンドルー王子側はそのとき誰にも会っていないといい、こうした書類は存在しないため応じることが出来ないと回答しました。

無汗症

さらにジュフレ氏は性的暴行を受けた夜に、アンドルー王子・エプスタイン・マックスウェル氏らとイギリスのメイフェアにある「Tramp」というナイトクラブに連れていかれたと主張しました。

2019年のインタビューではアンドルー王子が「全身に汗をかいていて、まるで汗が降っているようだった」と語りました。

これについてアンドルー王子サイドは、汗をかかない体質だと反論しました。それによるとフォークランド紛争で銃撃された際に受けたアドレナリン治療の過剰摂取によるものだとし、ジュフレ氏の主張には問題があるとしています。

ジュフレ氏のボイス弁護士は、無汗症・低汗症あるいは汗をかくことが出来ないという症状についての情報を求めましたが、アンドルー王子サイドは「自分しか確認できない」と回答しました。

軍の地位が剥奪の危機

アンドルー王子は、現在任されている9つの軍事的地位を失いかねません。

イギリス軍の高官達は、アンドルー王子が背負っている大佐としての役割を持続することは不可能だと考えているといいます。

軍関係者はアンドルー王子を今や「やっかいな存在」として見なしているといい、軍の称号を全て返上するべきだと考えていると伝えられています。

すでにヘンリー王子は王室を離脱したために軍での地位を事実上失っており、アンドルー王子もその岐路に立たされているといいます。

ポイントは管轄権か

ピザ・エクスプレスといい無汗症といい、かなり都合のいい言い訳のように聞こえますが、ポイントは米国の管轄権かもしれません。

いずれにしてもこうしたアンドルー王子側の申し立ては、1月4日に審理されることになります。

ではこの辺で失礼します。

マックスウェルの有罪が、アンドルー王子の裁判に与える影響とは

2021年12月30日

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