『エプスタイン事件』マックスウェル裁判13日目:最終弁論が終了!陪審員は評決に

Ghislaine Maxwell, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

13日目:最終弁論

米現地12月20日、性犯罪者ジェフリー・エプスタインの片腕として性的虐待に加担したとされるギレーヌ・マックスウェル氏の裁判は13日目を迎え、検察側と弁護側の最終弁論が行われました。

現在59才のマックスウェル氏は、1994~2004年にかけて4名の少女を勧誘し、エプスタインに虐待させたとして起訴されています。告発者は他にもいますが、今回は4名に絞られています。英アンドルー王子との性行為を強制されたと訴えているバージニア・ロバーツ・ジュフレ氏は今回は含まれていません。

この裁判に向けてマックスウェル氏が7億円もかけて雇ったといわれるスーパー弁護団は、エプスタインとマックスウェル氏の関係はあくまでビジネスであり、犯罪に関しては何も知らなかったと完全無罪を主張しています。

この日検察側と弁護側の最終弁論が終了した後、12名の陪審員が審議に入りました。

早ければ翌21日に評決が出ます。

検察:マックスウェルは人を食い物にしていた

まず検察側が最終弁論に立ち、マックスウェル氏がエプスタインのために10代の女性を誘い込んで性的虐待を行うパートナーだったと述べました。

「エプスタインは単独でこんな事はできなかった。この男に上品な笑顔で年相応の女性が一緒にいれば、全てが真っ当に見えるのです。」「男が少女達に触れることが全く普通であるかのようにこの女性が振る舞えば、少女達をトラップに誘い込むことになるのです。」

「彼女は弱い立場の者を食い物にする大人の女だった。母親がアルコール中毒の少女をターゲットにし、シングルマザーで苦労して育てている少女をターゲットにした。」

「マックスウェルは上品ぶって人を食い物にしていた」

エプスタインからお金が支払われた

また検察は、フロリダ州パームビーチにあったエプスタインの自宅の映像を公開しました。

動画↓

さらに検察側は、1990年代~2000年代初頭にかけてエプスタインがマックスウェル氏に支払った3,000万ドル(約34億円)について言及しました。

これは裁判で銀行取引明細が証拠として提出されています。マックスウェル氏側はその後ヘリコプターの購入資金などにしています。

「マックスウェルはエプスタインのために少女を募集することで、豪華な生活を保つことができた。」「それはエプスタインとヤバい犯罪を犯すために支払われたのです。」

「マックスウェルはそのお金が何のためか知っていたのです。」

マックスウェルは取り仕切っていた

さらにマックスウェル氏がエプスタイン邸を取り仕切っていたことを挙げ、「彼女はローションからオイルに至るまで、全て細かく管理していた。」「彼女は全てに関与していたのです。」

エプスタイン邸の元ハウスキーパーが証言したマックスウェル氏から指示された言葉を挙げ「”何も見るな、何も聞くな、何も言うな”と指示していたことを思い出してください。」

さらに犠牲者の名前が書かれた「リトル・ブラック・ブック」を提示しました。

全ての証拠を検討し、常識的な判断をすれば唯一の結論に達するだろうと述べ、「マックスウェルは有罪です」

「ギレーヌ・マックスウェルは、自ら選択しました。彼女はジェフリー・エプスタインと共謀して犯罪を犯したのです。」とアリソン・モー検察官は述べました。

彼女は自分が何をしているか知っていたといい、加担していたと主張しました。

弁護団:「お金のために告発した」

続いて弁護側が最終弁論しました。

それによるとマックスウェル氏は無実であり、告発をしている女性たちは「お金が動機」だと主張しました。

「確かに彼ら(検察側)は、エプスタインがお金と権力を乱用したことを証明しました。」「それはギレーヌとは関係なく、エプスタインのことなのです。」

ローラ・メニンガー弁護士はお金が告発者とFBIを結びつけたといい、エプスタインの遺産が被害者補償基金から支払われる見込みがあったからだと述べました。

また彼女らの記憶に問題があるとし「お金のために記憶が操作されたのだ」と主張しました。

エプスタイン亡き後、マックスウェルに方向転換した

さらに弁護側は、検察はエプスタインが死亡したことでマックスウェル氏に方向転換し、彼女になすりつけようとしていると主張しました。

「我々はエプスタインを弁護するためにここにいるのではない。」「検察はエプスタインが亡くなったため、彼女もだー、彼女もだー、と言っているのです」

またマックスウェルは幸福で、教養もあり、美しかったのに、なぜ生活の維持という理由だけで一人の男のために全てを危険に晒す必要があったのか?と陪審員に問いかけました。

「常識で考えてください」

陪審員が審議入り、いよいよ評決

約6時間にわたる最終弁論が終わり、ネイサン判事が審議に入るための注意事項を読み上げた後、陪審員に審議に入るよう指示しました。

この裁判では検察側にいくつか疑問点がありました。まず検察側の証人の中にバージニア・ロバーツ・ジュフレ氏が選ばれていないこと、エプスタインのカリブ海のプライベート島については一切無視されていること、そして3週間とも言われた検察側の主張があっさり10日間で終わったことなどです。

一方弁護側にしても、35名の証人を呼ぶ予定だったのがけっきょく8名だけしか出廷しませんでした。これについて弁護団は「時間が無かった」「急がされた」と言い訳がましく言っています。

一説によると、もしマックスウェル氏が有罪になった場合、刑を短くするために検察側と協力する可能性が指摘されています。具体的にはエプスタインと関係した人物の名前をリークすることです。

今回マックスウェル氏は6つの罪に問われていますが、それとは別に2つの偽証罪の容疑も残っています。

いずれにしても評決が待たれます。またお伝えします。

ではこの辺で失礼します。

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