Facebook、ユーザーDMをNetflixに売る/ライバル企業の情報を盗む――明らかになるMetaの欺瞞

NetflixにFacebookユーザーのDMのアクセス権を与えていた

Meta社は、約10年にわたってネットフリックスにFacebookユーザーのプライベートメッセージのアクセス権を与えていたとして騒ぎになってます。

この疑惑は3月23日に公開された法廷文書から浮上したもので、この訴えはMeta社に対する独占禁止法(反トラスト法)訴訟の一環として昨年4月に提出されたものだったという。

法廷文書によると、Facebookとネットフリックスは密接な関係にあり、Facebookはネットフリックスにユーザーデータへの特別アクセス権を与えていたと主張しています。

また、ネットフリックスの共同創業者リード・ヘイスティングス氏とFacebookの創業者マーク・ザッカーバーグ氏との個人的な関係を利用して、2社がカスタム・パートナーシップや統合を行なっていたと主張しているという。

ヘイスティング氏は2011年6月から2019年5月までFacebookの取締役を務めており、就任した直後から両社は「Inbox API」(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)として知られる契約を結び、ネットフリックスがFacebook上のユーザーのプライベートメッセージの受信トレイにアクセスできるようにしたと主張しています。

https://www.breitbart.com/tech/2024/03/29/lawsuit-facebook-gave-netflix-access-to-private-user-messages-scuttled-video-service-for-sweetheart-ads-deal/

莫大な広告収入を得る

この訴訟はマクシミリアン・クライン氏とサラ・グラバート氏という2人の一般米国民によって起こされたものです。

消費者と広告主を代表して起こされたこの訴訟は、Meta社がSNS市場を独占していると主張している。

裁判書類によると、Facebookはこうした密接な関係を利用し、ネットフリックスから何億ドルもの広告収入を受け取り、その引き換えとしてFacebookユーザーのプライベートメッセージの受信箱や、その他の分析ツールへの特権的なアクセスを認められ、重要な広告部門における優位性を与えていたとされています。

またこうした両社の広告契約を守るために、Facebookの配信サービス「Facebook Watch」は発足してたった2年で打ち切られたという。

ザッカーバーグ氏は2018年5月にFacebook Watchの責任者フィジ・シモ氏に個人的に電子メールを送り、まだ立ち上げから2年しか経っていないにも関わらず予算を7億5000万ドル削減すると伝えたという。この突然の方針転換は、配信サービスを解体することを意味した。

この間、ネットフリックスはFacebookへの広告費を年間約1億5000万ドルに増やし、データ分析を強化する契約を結んだとされます。2019年初頭には、広告費は年間およそ2億ドルに増加したという。

ヘイスティングス氏は2019年後半にフェイスブックの取締役を退いています。

裁判書類
https://cdn.arstechnica.net/wp-content/uploads/2024/03/Klein-v.-Meta-Platforms.pdf

「事実無根だ」

この話題はXに投稿されたことで広まりました。イーロン・マスク氏が「ワオ」と反応したのもそれを加速させたようです。

一方Meta社側は、この文書の主張の正確性を否定しているという。

Meta社のコミュニケーション・ディレクターであるアンディ・ストーン氏は「事実無根だ」とポストしています。

「衝撃的な事実無根だ。Metaは人々のプライベートメッセージをNetflixと共有していなかった。この契約により、人々はNetflixアプリから直接、Netflixで見ているものについてFacebook上の友人にメッセージを送ることができるようになった。このような契約は業界では当たり前だ。」↓

ただこれはストーン氏名義で主張していることであって、Meta社としての公式なコメントは発表されていないようですが。

過去にも報じられていた

ニューヨークタイムズは2018年12月に、Facebookが何年もの間、ビッグテック企業のいくつかにユーザーの個人データへのアクセス権を与えていたと報じています。

https://www.nytimes.com/2018/12/18/technology/facebook-privacy.html

この記事によるとFacebookは、

  • マイクロソフトの検索エンジン「Bing」にユーザーの同意なしにすべてのFacebookユーザーの友人の名前を見ることを許可していた
  • ネットフリックスとSpotifyにはFacebookユーザーのプライベートメッセージを読む能力を与えた
  • Amazonには友人を通じてユーザーの名前や連絡先を入手することを許可
  • Yahooにも友人の投稿のストリームを閲覧させていた

などをやっていたと報じられています。

ライバル企業からデータを盗む

今Metaが話題になっているのは上だけではありません。

先ごろFacebookは、Snapchat(スナップチャット)などのライバル企業から極秘にユーザーデータを盗んでいたと報じられた。

これも法廷文書から明らかになったもので、カリフォルニア州の連邦裁判所が3月26日に公開した文書によると、Facebookはユーザーがライバル企業とどのようにやりとりしているかのネットワーク・トラフィックを分析することで、Snapchat、Amazon、YouTubeなどに対して競争上の優位性を得ようとしていたことが明らかにされました。

Facebookはこれを「プロジェクト・ゴーストバスターズ」と呼んでいたという。(Snapchatのロゴからもじっている)

https://techcrunch.com/2024/03/26/facebook-secret-project-snooped-snapchat-user-traffic/

Snapchat、Amazon、YouTubeからデータをハッキング

Facebookは「アプリ内アクションパネル(IAAP)」と呼ばれるプログラムを開発し、2016年に導入したという。

このプログラムは、サイバー攻撃を使ってSnapchat、Amazon、YouTubeからの情報を傍受したと言われています。そしてその情報を解読した。

IAAPプログラムは、同社のOnavoチームによって開発された国家レベルのハッキング技術を使用し、偽のデジタル証明書を生成して、サーバーからOnavoのサーバーにリダイレクトさせたという。(書いててよくわからない)

ちなみにOnavoはイスラエルでスタートし、2013年にFacebookに買収されています。

こうして集められたデータは分析され、Facebookの製品戦略に反映させるなど利益のために使用された後、再度暗号化して、あたかもSnapchatのアプリから直接送信されたかのように偽装し、Snapchatのサーバーに送信したとのこと。

最初はSnapchatだけだったが、その後AmazonとYouTubeにも拡大したという。

裁判文書によると、このプログラムは2016年6月に開始され、2019年まで使用され続けたとのこと。

原告側の弁護士によると、このFacebookの行為は盗聴に相当し、連邦法に違反すると主張されています。

こちらの裁判文書
https://www.documentcloud.org/documents/24520332-merged-fb

儲け第一主義

これらは今後法廷で明らかにされていくのでしょう。

まあ事実だとすればザッカーバーグは恥も外聞もなくよくやるよなという感じです。それは彼のホロスコープに現れているけど。

しかしこれがFacebookだけで終わるとは思えない。昔から「三つ子の魂百まで」と言うけど、Metaには他にもインスタグラム、メッセンジャー、Threads、WhatsAppなどたくさんのサービスがあるわけですが、それらには使われていないと言えるのか。

日本でもホリエモンや前澤友作氏や森永卓郎氏を使ったなりすましのAIディープフェイク広告は、Metaにクレームを言っても全然対策しないと言われてますが、これも広告収入のためでしょう。

儲け第一主義がこのようなモンスターを生んだのでしょうか。


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