「黒人の命は大事」なBLM、巨額赤字で破綻危機か?――共同創始者が私物化していた

BLMが大幅赤字

ブラック・ライブズ・マター(BLM)が財政破綻の危機だという。

かつて起こったジョージ・フロイド「息が出来ない」事件のとき、意気盛んだったBLMはどうしてしまったのか?

BLMは黒人差別に半旗を翻し、社会正義を掲げて全米各地で抗議デモを繰り返しました。その中には、過激な活動で町を破壊した例もあったとか。

いずれにせよこの抗議に多くの有名人や左派政治家が賛同し、左派メディアが煽ったことでその勢いは膨れ上がっていき、莫大な寄付金が集まったという。

しかしこのたび報告された納税申告書によると、BLMは2022年度に大幅な赤字を計上していたようです。

ジョージ・フロイド事件

2020年5月にミネソタ州ミネアポリスで起こったジョージ・フロイド事件は記憶に新しい。

偽札を使用した疑いで警察に拘束されたジョージ・フロイド氏は、白人警官デレク・ショーヴィン氏に取り押さえられた際、膝で首を圧迫され、それが元で死亡したとされています。

この時の動画は黒人差別の象徴のように扱われ、ネットで拡散され、警官に非難が殺到しました。首を圧迫されたフロイド氏は「I can’t breathe(息が出来ない)」と訴え、そのうちグッタリとなっていくシーンは衝撃的でさえあったのです。

もともとこの「I can’t breathe」というフレーズは、2014年7月にニューヨークの警官が黒人男性エリック・ガーナー氏を拘束する際に、首を絞めたことにより死亡した事件がその発端だと言われています。

いずれにせよ「I can’t breathe」はBLMのスローガンにもなり、各地の抗議活動でアピールされることになりました。

このジョージ・フロイド事件があった2020年に、BLMは9000万ドルの寄付金を集めたという。

寄付金が88%も減少

ところがこのたびワシントン・フリー・ビーコンが入手した「BLMグローバル・ネットワーク財団」の納税申告書によると、BLMは2022年に850万ドルもの赤字を出していたという。仮にも慈善団体で、そこまで赤字を出すというのはどういうことなのか?

記事によれば、寄付金の大幅な減少に加えて、ずさんな経費支払いや、投資によって損失を出していたとされています。

納税申告書によれば、BLMの2022年度の寄付金はわずか930万ドルで、前年の寄付金から88%も減少したという。

これは、財務報告の透明性とコンプライアンスの問題により、2022年2月にいくつかの州でオンライン募金の停止を余儀なくされていたことも影響している可能性があります。

共同創始者パトリッセ・カラーズ

2021年4月に、BLMの共同創始者パトリッセ・カラーズ氏が、高級不動産を買いあさっていたという情報をニューヨークポストが報じました。

不動産記録によれば、カラーズ氏は米国内だけで4軒の高級住宅を320万ドルで手に入れたとされています。これにより、BLMへの不信感が噴出したのは言うまでもありません。

カラーズによる私物化

この報道でカラーズ氏は辞任を余儀なくされましたが、まだその影響力を失っていなかったようです。

寄付金が減少している中でも、BLMは約1200万ドルをロサンゼルスとトロントの高級住宅に費やしたという。さらに請負業者にも資金を投じており、その多くはカラーズ氏の友人や家族と関係のある企業に支払われていました。

カラーズ氏の弟ポール・カラーズ氏は、BLMのセキュリティとして160万ドルを受け取っているという。従業員はたった2人しかおらず、ポール氏自身もボディガードの経験のないただのアーティストでした。

またカラーズ氏の後任で友人のシャロミア・バウアーズ氏は、コンサルティング料としてBLMから1700万ドルを受け取っています。

さらにカラーズ氏の子供の父親であるデイモン・ターナー氏が経営するアート会社トラップ・ヒールズにも、96万ドルが支払われていたようです。

このようにカラーズ氏がBLMを完全に私物化してたことで内部分裂を起こし、派生した姉妹組織「BLMグラスルーツ」などが透明性を求めて非難していました。

カラーズの妻

ちなみにトロントの不動産購入は、パトリッセ・カラーズ氏の妻でBLMトロント支部の共同創設者ジャナヤ・カーン氏が絡んでいることがわかっています。

カラーズ氏はクィア(同性愛者)で、女性であるカーン氏と結婚しているという。BLMからカーン氏が運営する慈善団体に数百万ドルが送金され、トロントの物件を購入しています。

どちらにせよ「黒人の命は大事だー」と主張した割には、姑息にBLMを私物化し、個人のお財布代わりにしていたのか。


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