ファニ・ウィリス、セーフ
「選挙結果を覆そうとした」として、ドナルド・トランプ氏を含む19名を起訴していたジョージア州のファニ・ウィリス地方検事がスキャンダルによる失脚を免れました。
ウィリス検事はこの起訴のために3人の特別検察官を任命しましたが、その中の1人ネイサン・ウェイド弁護士が不倫相手だったこと、そして高額の報酬を与えて贅沢なデート代などに費やしていたとして、利益相反の疑いで被告側から告発されました。
ウィリス検事は資格適性を問われ、失脚の可能性がありましたが、3月15日にスコット・マカフィー判事は2つの選択肢を与える判断を下しました。
1.ウィリス検事はこの事件から手を引くか
2.もしくはウェイド氏をこの事件から外すか
けっきょくウェイド氏が特別検察官を辞任したことで、ウィリス検事はこの事件の担当を引き続き行うことになったという。
Fulton County District Attorney Fani Willis and her office can remain on Georgia's 2020 election interference case against Trump if the special prosecutor Willis hired steps aside, a judge ruled. https://t.co/I0gaW2LLYg
— Axios (@axios) March 15, 2024
利益を受け取ったことは立証できない
ウェイド氏には、2年間で65万ドル(約1億円)以上の報酬が支払われていたことがわかっています。
一方、他の2人の特別検察官=アンナ・クロス氏とジョン・フロイド氏にはそれぞれ10万ドル以下の報酬しか支払われていません。
ウェイド氏はこの高額な報酬をバハマ、アルバ、ベリーズ、ナパ・ヴァレーなどのリゾート地への贅沢なデート費のために使われたとされましたが、ウィリス検事は「現金で返済した」と主張しました。
なぜそんなに多額の現金を手元に置いているのか?というツッ込みには、「現金を家に持っておけ」という父の教えを守った、と答えています。
結局マカフィー判事は「ウィリス検事が金銭的利益を受け取ったとは立証できないと考えている」と述べ、またそれが「何らかの影響を与えたという証拠もない」と述べた。
そして「ウィリスが前例のない元大統領の訴追から失脚するには十分ではない」とし、「ウィリス検事は、事務所全体とともに身を引き、この起訴を検察審査会に付託し、再任を求めることもできる。あるいは、ウェイド特別検察官は辞退することもできる。」との選択肢を与えました。
その結果ウェイド氏が辞任を受け入れ、ウィリス検事は「あなたは勇敢だ。私は決して忘れない」との書簡を書きました。
なんだこれ。
各所の反応
もちろんこの判事のアマアマ判定には異論が上がっています。
トランプ弁護団のスティーブ・サドー弁護士は、判事の決定を尊重するとしながらも「判事はこの事件のすべての詳細を十分に考慮していなかったと考えている」と述べているという。
法律専門家のハーバード大学法学部の名誉教授アラン・ダーショウィッツ氏は「実際に利害の対立がある」とし、「これはスキャンダルだ。裁判官は正しいことをする勇気がなかった。裁判官はしばしばそうではなく、逃げ道を見つけるものだ。これはイタチごっこだ」と述べている。
またジョージ・ワシントン大学法学部のジョナサン・ターリー教授は「銀行の金庫に2人いるのを見つけて、1人を刑務所に連れて行くようなものだ」
と、専門家2人とも公正な判断ではなかった事を示唆しました。
しかし、これでこの話が済んだというわけでもなさそうです。
マカフィー判事に利益相反の疑い
スコット・マカフィー判事は2015年4月にジョージア州フルトン郡の地方検事局に入局した後、ファニ・ウィリス検事が率いる複合裁判部門の検事として勤務しています。
つまりファニ・ウィリスの部下だった。
その後2021年に州監察長官、2022年にブライアン・ケンプ州知事からフルトン郡高等裁判所の判事に任命されました。
マカフィー判事は2020年6月に、ファニ・ウィリスの選挙キャンペーンに150ドルを寄付していたことが発覚しています。さらに判事の妻もウィリスの選挙運動に2020年に99ドル、2018年に101ドルを寄付しているという。
寄付額は少額ですが、それを被告に開示しなかったことで、裁判官の利益相反の可能性があると指摘されています。
さらにマカフィー判事の財務公開情報によると、2018年にブライアン・ケンプ氏の州知事選挙キャンペーンにも200ドルを寄付しているとのこと。
https://dailycaller.com/2024/02/21/scott-mcafee-fani-willis-donation-trump/
BREAKING :
Judge Scott McAfee, who is overseeing the Georgia trial of Donald Trump, donated to Fulton County DA Fani Willis' campaign, who just happens to be prosecuting the case against Trump, which could provide evidence of a conflict of interest by the judge in the case.
The… pic.twitter.com/CwXIakLbFq
— Conservative Brief (@ConservBrief) February 21, 2024
Judge Overseeing Trump’s Georgia Case Donated To Fani Willis Campaign Prior To Appointment from @katesrichardson https://t.co/vzjMsBd9bs
— Daily Caller (@DailyCaller) February 21, 2024
下院司法委員会は侮辱手続きを示唆
すでに議会も動き出しています。
下院司法委員会のジム・ジョーダン委員長(共和党)は2月2日にファニ・ウィリス検事に対し、公金チューチュー(連邦助成金の不正使用)の疑いに関する召喚状を発行していました。
ウィリス検事の事務所は不正を否定し、召喚状に対して情報を送ったというが、一部の文書を提出しなかったという。
ジョーダン委員長は、文書の提出は評価するとしながらも「不備がある」として、議会侮辱手続きの可能性を示唆しました。
「もししないのであれば、委員会は議会侮辱罪の適用など、さらなる措置を取ることを検討する」
House Judiciary Committee Chair Jim Jordan (R-Ohio) threatens Fani Willis with contempt over subpoena on federal grants https://t.co/4d9opkw2XV pic.twitter.com/OdL8H2OTnn
— The Hill (@thehill) March 14, 2024
極左検事を排除するジョージア州法
実はマカフィー判定の2日前の3月13日、ジョージア州のブライアン・ケンプ知事が法案「SB332」に署名し、成立しています。
SB332は、悪質な検事を懲戒・罷免する権限を委員会に認めるものです。
ケンプ知事は2023年5月に、治安を悪化させる「極左検察官」を懲戒処分することができる法案に署名していましたが、同年11月に州最高裁がそれを承認しなかったという。
今回のSB332は、それを再度復活させるものでした。
ケンプ知事は反トランプで有名ですが、それは差し置いても極左検事をなんとか排除したいという思いはあったのでしょう。
主にジョージ・ソロス氏に資金援助された極左検事は全米各地におり、刑罰を軽くして犯罪を増加させています。サンフランシスコなどはそれで街が破壊された。
当然この法案は、ファニ・ウィリスのような検事もターゲットになる可能性があるものです。
.@GovKemp signs Georgia bill to rein in ‘rogue’ prosecutors amid tense Fani Willis-Trump case https://t.co/mMkAEdHGzR https://t.co/mMkAEdHGzR
— Washington Examiner (@dcexaminer) March 14, 2024
トランプへの起訴は動き始めている
複数あるトランプ氏の起訴がここのところいろいろ動きを見せています。
昨日の記事で書いたように、フロリダ州で起訴されているトランプ機密文書問題でも動きがありました。
ここで何度も書いていますが、バイデン民主党とその手中にある司法省は、早く裁判を進めて何が何でも大統領選挙前にトランプ氏を有罪に持ち込みたいという悲願があります。なぜなら今のままではバイデン再選は危ういかもしれない。
ただそんな思いとは裏腹に、今回のファニ・ウィリス検事の件もそうですがなんとなく彼らには逆風が吹き始めている。
一方トランプ氏サイドからすれば、できるだけ裁判を遅らせるのが目的です。とりあえずは選挙前に判決が出ないようにすればいいわけですし。
このあと大統領免責特権を最高裁が審理しますから、またそこで何か動くのか。
最高裁で思い出しましたが、いよいよ週明けにミズーリ対バイデンの口頭弁論です。いわゆるバイデン政権とビッグテック企業の共謀による検閲についての審理です。
これはネットが始まって以来、世紀の裁判と言われている。
はたして言論の自由が勝つのか、検閲の圧力が勝つのか。
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