最終戦にもつれ込んだ女子プロゴルフ賞金女王争い、三つ巴の戦い

渋野日向子選手の快進撃

女子プロゴルフの2019賞金女王争いが、最終戦のリコーカップに持ち越されて盛り上がっている。

特に”しぶこ”こと渋野日向子選手が話題。連日スポーツ紙で彼女の一挙手一投足が報じられ、ニワカファンも急増しているみたいだ。(ちなみに”しぶこ”は彼女自身がそう呼んでくださいと言っていたもの)

彼女は2018年にプロテストに合格して、今年レギュラーツアーに参戦したばかりのバリバリのルーキーだが、5月のサロンパスカップでいきなり優勝し、さらに8月の国際メジャー「全英女子オープン」優勝という快挙を成した。それまで全くの無名でしかもルーキーでのメジャー優勝は、世界中のメディアが驚きを持って伝えた。

この快挙によって日本女子プロゴルフツアーの試合は、渋野選手目当ての観客が激増し「しぶこフィーバー」「しぶこ渋滞」などのワードも生まれている。

賞金女王争い

最終戦を前にして賞金女王争いは

1位:鈴木愛選手(1億5302万円)
2位:シン・ジエ選手(1億3803万円)
3位:渋野日向子選手(1億3791万円)
(※ちなみにあくまで日本ツアーの賞金レースなので、渋野選手の全英女子オープンの優勝賞金は除外されている。それが加算されれば渋野選手は余裕の2億超え)

最終戦リコーカップの優勝賞金は3000万円、もちろん2位以下にも賞金は出るので渋野選手は自力だけでは厳しく、他の選手の順位も絡んでくる。

今シーズンはシン・ジエ選手がトップを独走していた。シン・ジエ選手は韓国ツアー賞金女王、LPGAツアー賞金女王をすでに達成しており、日本ツアーの賞金女王も目前とも思われた。しかしシーズン途中から渋野選手が2位に浮上してきて、逃げるシン・ジエ、追う渋野という構図になった。

ところが11月に入り第1週目の三菱電機レディス、第2週目のTOTOジャパンクラシック、第3週目の伊藤園レディスと3週連続で鈴木愛選手が優勝し、いきなりトップに躍り出るというドラマチックな展開になった。(鈴木選手は今年、怪我で1ヶ月ほど休場していた)

しかも伊藤園レディスで、渋野選手は痛恨の予選落ちをしてしまい、賞金女王レースから完全に脱落したかと思わせた。

マンガ展開

ここでへこたれないのが渋野マジックと言うか、まさにバウンスバック率(ミスした次にすぐ取り返す)の高さがウリの彼女の真骨頂がここでも発揮され、翌週の大王製紙エリエールレディスを優勝してしまうという、マンガみたいな展開が起こる。

いやむしろこういうマンガができる、彼女の底知れないポテンシャルが人気を呼ぶのだが。

もし最終戦で渋野選手が賞金女王になれば、史上最年少での達成ということになり、まさにシンデレラストーリーであり、歴史に残る傑作マンガの完成という話になるが、さてどうなるか。

ちなみに大会2日目終了時点で、渋野選手は4アンダーで3位タイ(3打差)と好位置につけている。試合はあと2日間なので頑張ってもらいたいものだ。

賞金女王の価値

賞金女王、賞金女王と騒がれるのにはそれなりの理由がある。というのも、単なるその年度のトップという勲章だけでなく、翌年から3年間、シード権が得られるという特典があるからだ。

シード権とは、無条件にトーナメントに出場できる権利のこと。もちろん上位の選手なら来年のシード権は得られるが1年のみ、その先はまた来年の成績次第になる。賞金女王は3年間シードというのがミソ。(渋野選手の場合は公式戦優勝などでさらに加算)

そもそもプロは毎回試合に出られるという保障など何もなく、シード権がない選手は予選会から勝ち上がるか、スポンサーの推薦枠で出場するなど、極めて限られたチャンスをものにするしかない。

試合に出られなければもちろん収入はゼロで、それどころかふだんのコーチ料・トレーナー料・練習代・その他経費でマイナスだろう。まずは試合の土俵に立てる事を担保するのがシード権であり、その試合で頑張って決勝に進めば最下位でも賞金が出る。つまりあるとないでは雲泥の差ということ。

だからこそプロは、次年のシード権をキープするために必死で戦う。今年あっても成績が悪ければ次年度は失う。すでに今週リコーカップの裏でも、来年のシード権を争うクォリファイングトーナメント(QT)が行われ熾烈な争いが行われている。弱肉強食の世界だ。

現在トップの鈴木愛選手

そんな中で、現時点で獲得賞金トップの鈴木愛選手にも注目が集まっている。彼女は2017年以来二度目の賞金女王を目指している。

鈴木愛選手はパットの鬼というか、ともかくパットに定評がある。ゴルフ用語に「パットイズマネー」という標語があるが、300ヤード飛ばすドライバーも、30cmのパットも、価値としては同じ一打。その一打で賞金が数十万円違うこともある。

彼女は練習の鬼と言われる。試合のラウンドを終えると、たいていの選手は帰らずに練習をする。そんな中で鈴木愛選手は、他の選手が練習を終えて帰っても、日が暮れて暗くなるまでパット練習をすることで有名だという。

鈴木愛選手のホロスコープ

鈴木愛選手

鈴木愛選手は1994年生まれで、黄金世代(1998-99)とぜんぜん違う配置で、その違いが興味深いなと。
生まれた年度が数年違うだけでガラッと雰囲気が変わるのが。

黄金世代の話になるが、彼女たちを見ていると、いい意味でクセがなく嫌味がないのが共通してると思ってる。だから気負いも感じないし意外とサラッとしてて、言い方は古いが浪花節っぽくない印象。(渋野日向子・畑岡奈紗・勝みなみ・小祝さくら・新垣比菜・原英莉花・河本結・大里桃子など)

また黄金世代同士でも、ガッチガチのライバルで口も聞かない、みたいなのはないのかと。試合でたまに同組になると仲良くプレーしてるイメージだ。

鈴木愛選手はそれとは全然別だ。世代的な配置が全く違うというのにプラスして、個人天体も特徴的で「パットの鬼」というのがよくホロスコープに出ており職人気質なんだろう。

それはキャラにも現れていると思うが、ちょっと重厚な雰囲気を感じさせる。こだわりが強さみたいのがあるので、黄金世代とはかなり違う。

ここのところネットでは、しぶこフィーバーがエスカレートして、アンチ鈴木愛のような人が見られるが、彼女はこだわりがあるのでストレスがつい出てしまう個性だし、むしろこだわりが強く生きるために生まれてきているので。
それで結果を出す。

いずれにせよあと2日間いい戦いを見せてほしい。