性的暴行を受けNetflixドキュメンタリーで取り上げられたデイジー・コールマン氏が自殺

性的暴行がドキュメンタリー化

2016年にNetflixのドキュメンタリー『Audrie&Daisy(オードリーとデイジー)』でフィーチャーされたデイジー・コールマン氏が自殺したという。彼女は23才だった。

『オードリーとデイジー』は、ハイスクールに通っていた二人の女子学生=デイジー・コールマン氏とオードリー・ポット氏のドキュメンタリーで、二人は全く別の場所に住み知り合いではないが、二人とも性的暴行を受け、その後家族も虐待やイジメに遭うという同様の道を辿っている。

おらが町のヒーローが生んだ悲劇

共通しているのは2つのケースとも加害者がフットボール選手だったことで、ローカルの町ではハイスクール・フットボールが地域コミュニティの住民にとって共通の楽しみであり、おらが町のヒーローだった事がこうした悲劇を生んでしまったのではないかと推測する。

このドキュメンタリーは2016年1月にサンダンス映画祭で公開され、その後Netflixが配信しており、アニー賞・女性映画批評家サークル賞にノミネートされた。

なおポット氏は性的暴行から9日後に自殺しており、今回、コールマン氏の方も自殺してしまった。

事件

デイジー・コールマン氏は1997年モンタナ州で生まれ、ミズーリ州で育った。父親は医者だったが、2009年に事故で亡くなっている。

彼女が14才の時の寒い朝、母親が自宅の前でTシャツとスェットパンツだけで倒れている彼女を見つけた。

前日、一つ下の友達と自宅で遊んでいた時に、3才年上の先輩でフットボール選手のマシュー・バーネットに誘い出され、彼の家に連れて行かれた。そこには男友達が他にも数人いたという。彼女らはそこで酒を飲まされ、性的暴行を受けた。

その後家まで送り届けられ、気温-5度の屋外に放置されたのだった。

嫌がらせ・放火

マシュー・バーネットの祖父はミズーリ州の共和党下院議員レックス・バーネット氏だった――これだけで、その後どうなったかは想像できるだろう。

マシューは性行為は同意のものだったと主張し、軽犯罪で有罪になっただけだった。性的暴行罪は取り下げられ、2年間の保護観察と4ヶ月の執行猶予のみ。デイジーに支払われたのは損害賠償たった1800ドルだけだった。

それだけでは済まない。彼女や彼女の家族は嫌がらせを受けるようになる。「#ウソつき」「#淫乱」「#尻軽」「#くそデイジー」などと誹謗中傷を受け、地元の町で迫害された。

耐えかねた家族は別の町に引っ越しをすることにしたが、自宅は不審火により全焼してしまった。

暴行後デイジーは何度も自殺未遂をしたという。

マシュー・バーネットについて

実際のところ、マシュー・バーネットに関してはその後どうなっているのかググってもわからなかった。

一説によると彼はミズーリ中央大学に進学したが、大学には批判が殺到したという。そのため入学を辞退したという情報もあった。

母親は記者会見で、そのためにマシューは精神的な問題を抱えていたとコメントしていたという。

自宅で自分を撃ち自殺

デイジー・コールマン氏は、2017年に学校での性的暴行を防ぐことを目的とした非営利組織「SafeBAE」を共同で設立している。また、性的暴行被害者を支援するための組織も運営していた。

2018年からはタトゥーアーティストやモデルとして活動していたが、同年に19才の弟を交通事故で亡くしてしまったのも彼女の心の傷になったかもしれない。

2020年8月4日の16時頃、心配した母のメリンダさんが彼女のもとに救急隊員を派遣したという。そのときはデイジー氏に自殺の兆候はなかったため、保護されることはなかった。

しかし20時30分頃、デイジー氏の友人から警察に連絡が入り、自宅アパートに駆けつけたところ彼女は銃で自分を撃ち自殺していたという。

最後に

14才で性的暴行を受けた時のデイジー・コールマン氏のホロスコープは、もし無事だったなら奇跡としか思えないほど、とてもひどい状態だった。

彼女または家族がこういう学術を知っていれば、行動に注意し悲劇を避けられたかもしれないと思うと、とても虚しい思いだ。(だとしても、他のダメージがあったかもしれないが)

R.I.P.


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