MLBオールスター開催地移転問題、元選手「何の目的？笑えるわ」ケンプ知事「私は左派に屈しない」

ジョージア州の選挙法改革成立が波紋

昨日取り上げた件だけど、ジョージア州の選挙法改革が成立したことに反発して、2021年のMLBオールスターゲームをジョージア州アトランタから移転することが発表されたが、その後波紋を呼んでいる。

まずバイデン大統領がMLBの決定を「強く支持する」と述べた。

Today President Joe Biden said he would support the MLB moving the All-Star game from Georgia because of the controversial election bill that Kemp signed recently.

"I would strongly support them doing that." pic.twitter.com/qwgZeBSqQv

— Everything Georgia (@GAFollowers) April 2, 2021

一方トランプ氏は「オールスターゲームがアトランタから離れるのは、有権者のIDを選挙に関係させたくない左派民主党が恐れているからだ。」と声明で述べ、さらにジョージア州の決定に反発したコカコーラ、デルタ航空などを非難している。

"Tthey are afraid of the Radical Left Democrats who do not want voter I.D., which is desperately needed, to have anything to do with our elections."

Trump says "boycott baseball" as @MLB protests GA voting law by withdrawing All-Star Game from Atlanta.https://t.co/Sq9NiTcv9y

— Washington Examiner (@dcexaminer) April 3, 2021

オールスターの経済効果

元MLB投手で通算216勝を挙げたカート・シリング氏は「オールスターは、開催地に1億ドル（約100億円）の経済効果をもたらす」と言っており、今回のMLBの決定は労働階級の野球ファン、スタジアム従事者、ホテルなどに影響があると述べた。

「これはアトランタの経済に悪影響でしかない。何のためなんだ？何も変わらないのに。何の目的なんだ？この法律を取り消すためか？」と苦言を呈している。

Curt Schilling says the MLB Georgia boycott "is about the bigotry of low expectations from liberals, democrats and progressives on minorities…it's going to do nothing but hurt the Atlanta economy." @gehrig38 @AndrewHGiuliani @AlisonMaloni https://t.co/VlT7z8drtO pic.twitter.com/x9Zk3mcsTe

— Newsmax (@newsmax) April 3, 2021

MLBのオールスターゲームは日本プロ野球と違って年1試合のみ、会場は各球場を毎年持ち回りで開催される。メジャーリーグは全部で30チームあるので、単純計算で30年に一度しか回ってこないことになる。

またオールスターの週は「オールスターウィーク」といってレギュラーの試合は1週間ほど休みになり、開催地はお祭り騒ぎで盛り上がるため、シリング氏の言うように経済効果も大きいはず。単に集まるファンだけじゃなく、放映権・スポンサー料なども相当大きいかと。

カート・シリング氏

さらにシリング氏は

「誰でも取得できる政府発行のIDを持つことへの制限を、どんどん減らす要求を続けるのが目的なのかな？笑えるわ。」と語り、IDは誰でも取得できるのにイチャモンつけてる、と言わんばかり。

さらにワシントンDCやハリウッドが「思想警察を先導している」とまで言い、「こういうのを許すから、こういうことになるんだ」と語っている。

ちなみにシリング氏はアラスカ州出身で、高校・大学はアリゾナ州、プロ入り後はボルティモア・オリオールズ→ヒューストン・アストロズ→フィラデルフィア・フィリーズ→アリゾナ・ダイヤモンドバックス→ボストン・レッドソックスに在籍しており、ジョージア州と関係があるとも思えない。

一方で政治には興味があるみたいで、現役引退後の2008年大統領選ではジョン・マケイン氏を支持し、自身も政治家への転身を取り沙汰されたこともあった。ただ日頃からストレートな物言いのため、お騒がせ的な面も否定できないが。

ケンプ州知事「私は引かない」

また意外な男気を見せたのが、ジョージア州のブライアン・ケンプ知事。

「ハッキリしておきたい。私はこの戦いから引くことはない。我々は脅しに屈しないし、沈黙もしない。」

“I want to be clear: I will not be backing down from this fight. We will not be intimidated, and we will also not be silenced,” Gov. Kemp said.https://t.co/ZMVTvxO64Y

— CBS 42 (@CBS_42) April 3, 2021

「MLB、コカコーラ、デルタ航空は、ステイシー・エイブライムスやジョー・バイデンなどの左派を恐れているかもしれないが、私は違うし、ジョージア州民としてもだ。」

「この論争の犠牲者は、オールスターウィークで稼げたはずのアトランタの様々な企業と労働者達、そしてファンだ。」

ちなみにステイシー・エイブライムスとは、2018年ジョージア州知事選挙で民主党の候補となったが、票数でケンプ氏に負けた人物。

うーん、しかしケンプ知事はよくわからないな。共和党員として男気を見せたかもしれないが、大統領選の時とやってることがチグハグだ。

寝返ったのか、今の地位を失いたくないだけか不明。