マックスウェル裁判、再審の可能性
予想した通りというか、案の定大晦日のRIZINのシバターと久保優太選手の顛末がろくでもないことになっていて、ほらねという感じですけど。これ誰も得しないパターンでしょう。
さて有罪評決を受けたギレーヌ・マックスウェル氏が、再審される可能性が出てきました。つまり今回の裁判は無効審理になり、最初からやり直されるかもしれないということです。
マックスウェル裁判で陪審員を務めた12名のうち1人が、メディアのインタビューを受けた際に、過去に性的虐待を受けた事があると発言したことで問題が浮上しました。
この陪審員は、裁判で審議しているときに自分の性的虐待の話をし、それが他の陪審員にマックスウェル氏を有罪にするよう説得するのに役立ったと語りました。
これが公平な審理に影響を与えた可能性があるとして、検察が調査を要請しました。
陪審員の一人が性的虐待被害者だった
スコッティ・デイヴィッド氏と名乗るこの陪審員は、1月4日に報じられた複数のメディアのインタビューで、過去に自分が受けた性的虐待の経験について語りました。
「この評決はすべての被害者のためのものだ」「証言した人たち、名乗り出た人たち、名乗り出ることが出来なかった人たちのためなんだ。」
「マックスウェルが責任を負わされたことをうれしく思う。」
「この評決は、地位に左右されることなく有罪が下されることを示した」
Ghislaine Maxwell juror breaks silence to The Independent https://t.co/EeAue419Hj
— The Independent (@Independent) January 4, 2022
他の陪審員に影響を与えたか
デイヴィッド氏は「私は性的虐待を受けたときのことをよく覚えてる。カーペットの色も、壁の色も。そのいくつかはビデオのように再現できる。」「しかし詳細を全部覚えているわけではない。いくつかのものがゴッチャになるんだ。」
これは裁判で、弁護側が告発者の記憶の曖昧さをツッコんでいたことに対する反論だと思われます。
また他の陪審員から「なぜ告発者達はもっと早く名乗り出なかったのか」と聞かれた際に、自分も高校生になるまで虐待を公表しなかったと話し、そのとき陪審員室は静まりかえったといいます。
デイヴィッド氏はこうした経験を話すことで、他の陪審員の判断に影響を与え、マックスウェル氏を有罪にするのに役立ったと言っています。「私がその時のことを話したら、彼らは性的虐待の記憶という点で、ある種歩み寄ることが出来たのです。」
選考時にチェックされなかったか
そもそも陪審員を選ぶときの選考の基準となるアンケートで、自分自身が性的虐待の被害者であるかという質問があったようです。
アンケート50問のうち48番目に
「あなたや、周りの友人や家族の誰かが、性的嫌がらせ・性的虐待・または性的暴行の被害を受けたことがありますか?(これには実際の性的暴行や未遂、その他望まない性的誘惑、他人・知人・上司・教師・家族によるものも含みます)」
という質問があり、「はい(自分)」「はい(家族の友人)」「いいえ」の3つの選択肢があったとのこと。デイヴィッド氏はこの問いに間違いなく「はい」をマークしたといいつつ、正直言って質問の内容は覚えていない、とも語りました。
陪審員の選定は2日間にわたって行われるようですが、初日のアンケートでカットされなければ、裁判官・検察・弁護士のインタビューに進むのだそう。
デイヴィッド氏はそのときいくつかの質問をされたが、自身の性的虐待の経験については全く聞かれなかったと語りました。質問は30秒程度で終わったと言っています。
弁護側は再審を要求
マックスウェル氏の弁護士は検察側の調査依頼に反発し、再審するべきだと主張しました。「検察の調査要請は時期尚早であり、法廷は新たに裁判を命じるべきだ。」
弁護団の一人クリスチャン・エバーデル弁護士は「この陪審員が審議に影響を与え、他の陪審員にマックスウェル氏を有罪にするよう確信させた」と述べました。
つまり弁護側は調査よりも、裁判をちゃぶ台返しして一からやり直したいという意向を示しています。
問題点とは?
専門家によればこの問題のポイントは、
- 性的虐待者が陪審員になれないということではない
- この陪審員がメディアのインタビューに答えたことでもない
- 問題なのはデイヴィッド氏が、陪審員の選定中に性的虐待について「全く聞かれなかった」とメディアに答えたことだ
としています。
これは陪審員選考の際の手順に誤りがあった可能性があるとして、アンケートと質問の記録を再調査する必要があるとしています。
よくわからないですが、もしデイヴィッド氏がアンケートで性的虐待について「はい」と答えたにもかかわらず、次の質問コーナーで何も聞かれなかったのが事実だとしたら、弁護側はデイヴィッド氏をふるいにかけるチャンスがあったにもかかわらず、それをしなかったということになるのかもしれません。
いずれにしてもどうなるかは、裁判長のアリソン・ネイサン判事が判断することになります。また、その判断は控訴審の争点にもなるだろうとのことです。
続報を待ちたいと思います。
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