2人目の告発女性
性犯罪者ジェフリー・エプスタインと共謀した疑いが持たれているギレーヌ・マックスウェル氏の裁判は米現地12月6日に6日目を迎えました。
その前にマックスウェル氏の家族は米司法長官に書簡を出し、マックスウェル氏が拘留施設から裁判所に移動する際、4点式の拘束具（手錠等）をやめること、最低限の栄養しか与えられていないこと、石けんを与えることなどを訴えたといいます。
で、6日目ですが、この日は2人目の告発女性が証言台に立ちました。ケイト（仮名）と呼ばれるこの女性は、10代の頃にエプスタインから性的虐待を受けたと告発しています。
この女性はイギリスでエプスタインから虐待を受けていたといい、当時の年齢17才は、イギリスでは同意年齢を超えていたとされており、裁判官は違法な性行為ではなかったと指示しました。
Second accuser takes stand in Maxwell sex trafficking trial https://t.co/8BVQmm9hVJ
— Raw Story (@RawStory) December 6, 2021
キャリアを助けてくれると言われた
17才だったケイト氏は、フランスからイギリスに移り友達を作るのに苦労していたといい、1994年にロンドンの別邸でマックスウェル氏と会ったといいます。ケイト氏は当時、アルコールやドラッグ、睡眠薬を乱用していたとのこと。
ミュージシャンを目指していたという彼女は、マックスウェル氏はエプスタインのことを「若い人を助けるのが好き」「キャリアを助けてくれる」と言われたと言っています。
ロンドンの別邸に呼ばれ最初はエプスタインのマッサージをし、その後マックスウェル氏から電話があり再びエプスタインにマッサージをして欲しいと頼まれて向かったところ、性行為をされたと主張しました。
アンドルー王子、トランプと友達だと言っていた
その後フロリダの邸宅にも行かされ、そこでは女子高生の衣装を着せられたこと等も話しました。
ケイト氏はマックスウェル氏から「あなたはエプスタインのお気に入りの一人だ」と言われたといいます。
ケイト氏はマックスウェル氏との会話の中で、何度もアンドルー王子の名前が出てきたと証言し、マックスウェル氏が王子と友人だと言っていたといいます。またドナルド・トランプ氏とも友達だと言っていたとのこと。
彼女は「どう断ればいいかわからなかった」と言っており、その後エプスタインとの事を誰にも話さなかったのは、彼らがいかにコネを持っているかを知っていたからだ、と述べています。
エプスタイン邸から証拠品が消えた
次にFBIのケリー・マグワイア特別捜査官が証言台に立ちました。マグワイヤ氏は2019年7月にエプスタインが逮捕された時にマンハッタンのエプスタイン邸を捜査した際、鍵のかかった金庫からCDなどを押収していた時の事を説明しました。
のこぎりで金庫を壊し、CD、宝石、ハードディスク、パスポート、多額の現金などを発見したといいます。それらを写真に撮りましたが、令状がなく持ち出すことが出来なかったため、いったんそのまま残したといいます。
彼らが4日後にエプスタイン邸に戻ったとき、その証拠品らは消えていたといいます。マグワイヤ氏はエプスタインの弁護士リチャード・カーン氏に確認したところ、持ち帰ったと答えたとのこと。
その後それらの品は確認されたとしています。
銀行取引明細で明らかになったエプスタインからの送金
その後エプスタインの銀行取引明細が公開され、エプスタインからマックスウェル氏に多額の送金がされていることが明らかになりました。
初公開されたという銀行取引明細には、1999年に1380万ポンド（現在のレートで約21億円）、2002年に370万ポンド（約5億円）、2007年に550万ポンド（約8億円）の電子送金が記録されており、驚くべき証拠が明らかになっています。
エプスタインは株式を現金化し、マックスウェル氏の個人口座や彼女の名前がついた法人口座に送金していました。
2007年の送金では米領ヴァージン諸島のエプスタインの口座から、JPモルガンのマックスウェル個人名義の口座を経由して「エア・ギレーヌ社」という法人に送金されているとのこと。
この会社はその後シコルスキー社製S76Cヘリコプターなどを購入しているといいます。
多額の裁判費用
以上のように、エプスタインとマックスウェル氏のつながりが金銭的にも濃いものだったことが明らかになっています。
マックスウェル氏は今回の弁護士費用に520万ポンド（約8億円）を準備しているといい、また保釈金に2,110万ポンド（約32億円）を準備していました。
これらの一部がエプスタインとのつながりによってもたらされたという証明になったかもしれません。
裁判はまだ続きます。
ではこの辺で失礼します。
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