アンドルー王子の軍の称号と王室後援者の地位を剥奪
SCOTUS(米最高裁判所)が、100名以上の従業員を抱える民間企業に対してワクチン接種を義務付けたバイデン政権の政策を却下しました。そんな権限はない、という理由のようです。またバイデン政権にとっては痛手になりましたかね。
さて性的暴行を訴えていたバージニア・ロバーツ・ジュフレ氏との裁判が確定したアンドルー王子ですが、すべての軍の称号と、王室後援者の地位を剥奪されたと発表されました。公的には今後「HRH(殿下)」の敬称が使われることはないとのことです。
アンドルー王子はBBCでの釈明インタビューの大不評などで公務から退いていましたが、今後ジュフレ氏との訴訟は「ただの民間人」として対応するとしています。
やはり大事になってきました。
英アンドルー王子、軍の肩書や後援者の地位はく奪 性虐待訴訟の渦中 https://t.co/U9iX00cLH8
— cnn_co_jp (@cnn_co_jp) January 14, 2022
失ったポストは想像以上に大きい
英王室は声明を出しています。
A statement from Buckingham Palace regarding The Duke of York: pic.twitter.com/OCeSqzCP38
— The Royal Family (@RoyalFamily) January 13, 2022
女王の同意を得て、ヨーク公(アンドルー王子)の軍との関係および王室の後援は女王に返還されることになりました。
ヨーク公は引き続き公務を行わず、私人としてこのケースを抗弁します。
かなり簡潔な文章なのが、むしろ冷徹感を感じさせます。
アンドルー王子に授与されていた軍の称号はイギリスのほか、カナダ、ニュージーランドにもありました。
- グレナディア・ガード大佐 (イギリス)
- 王立アイルランド連隊長(イギリス)(Colonel-in-Chief)
- 小火器学校隊長(イギリス)
- ヨークシャー連隊長 (イギリス)
- ロイヤルハイランドフュージリアーズ大佐 (イギリス)
- ロイヤルランサーズ副大佐(イギリス)
- クイーンズヨークレンジャーズ(カナダ)大佐
- カナダ王立ハイランドフュージリア連隊長大佐
- プリンセス・ルイーズ・フュージリアーズ(カナダ)大佐
- ニュージーランド陸軍後方支援連隊長
空軍
- 英国空軍ロッシーマス基地名誉空軍提督(イギリス)
海軍
- 艦隊航空軍提督(イギリス)
イギリス軍のトップはエリザベス女王みたいですから、自らがアンドルー王子に授与した称号を、自ら剥奪することになったのは皮肉かもしれません。
またアンドルー王子の後援(パトロン)に至っては、実に多くて数え切れないほどです。ざっと見て100以上はありそうです。
これには、英国海兵隊児童基金、英国学術協会、ロイヤルフィルハーモニー管弦楽団、イングリッシュナショナルバレエ、ロンドンメトロポリタン大学などのエリート英国組織が含まれています。
これら軍のポストや後援者は、今後王室の他のメンバーに分配されるだろうとのことです。
失ったものは想像以上に大きいのでは。
チャールズ皇太子とウィリアム王子が推奨した
この件にあたり、アンドルー王子はエリザベス女王との面談を行うため、1月12日にウィンザー城に呼び出されたといいます。
バッキンガム宮殿の関係者は、サセックス公爵夫妻つまりヘンリー王子とメーガン夫人と同じように、アンドルー王子を王室から外すことにしたと語っているようです。それにより「もう自分たちには関係ない」と言えるようになったとしています。
この処分はプリンス・オブ・ウェールズことチャールズ皇太子と、ケンブリッジ公爵ことウィリアム王子が推薦し、エリザベス女王によって承認されたといわれています。
アンドルー王子はエリザベス女王のお気に入りと言われ、この決断は女王にとってつらいものだっただろうとしています。
今後公式に「殿下」と呼ばれることはなくなり、単に「ヨーク公」として呼ばれる可能性が高いとのことです。またアンドルー王子の娘のベアトリス王女とユージニー王女は、身辺警護のボディーガードを外されたと言われています。
囁かれる財政的な問題
アンドルー王子は、1700万~1800万ポンド(26~約28億円)とも言われるスイスの高級リゾート、ヴェルビエにあるスキー別荘の売却を急いでおり、それは裁判費用捻出のためと報じられていました。
アンドルー王子は公的資金を受け取っていないとされており、主立った財産はこのスイスの別荘だけで、そのため支払い能力が疑問視されていました。
Inside £17m Swiss chalet Prince Andrew is selling to cover sex abuse case costshttps://t.co/kyH5KLvQBt pic.twitter.com/8Mq4lAujAY
— The Mirror (@DailyMirror) January 12, 2022
7ベッドルームと室内プールのあるこの別荘は、元所有者のフランスのイザベル・ド・ルーブル氏からアンドルー王子と元妻サラ・ファーガソン氏が共同で購入したものですが、最後の残金500万ポンドが支払われていなかったことで、スイスの裁判所に訴えられていたようです。
2021年末になって、利息を含めた残金660万ポンドが支払われ、ようやく完済したと伝えられました。
これによって、売却先を探すことができるようになったとのことです。
一説によるとアンドルー王子の弁護団の費用は、1時間あたり2,000ポンド(約31万円)と言われており、さらにもしジュフレ氏と示談になったとしたら、その和解金にも相当の額が必要になるでしょう。
究極の断捨離
軍の称号、後援者、スイスの別荘など、すべてを失って”究極の断捨離”といっても過言ではないアンドルー王子ですが、それ以上に断捨離したのはイギリス国民、ひいては世界への信用かもしれないです。
ターニングポイントだったのは、2019年11月のBBCのインタビューだったかもしれません。アンドルー王子はエプスタインの犠牲者にこれっぽちの同情も示さず、ただ自分の保身のための釈明に終始したのです。
「フォークランド紛争の時のアドレナリンの過剰摂取により汗をかくことができない体質になった」「あの日はベアトリス王女をピザ・エクスプレスのパーティーに連れていっていた」などと弁明したのはこの時でした。
このインタビューは「あんなひどい代物は見たこともない」と酷評されて叩かれまくり、公務から退くことを余儀なくされました。
アンドルー王子は今後裁判で、汗をかけない体質やピザ屋のアリバイについて証明しなければならなくなる可能性があります。
And we go live to Heathrow International Departures as Prince Andrew catches his flight to the Amazon Rainforest.#GislaineMaxwell pic.twitter.com/EHKZXGKOnp
— Alex Tiffin (@RespectIsVital) December 29, 2021
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