ウクライナは2016年大統領選でヒラリー陣営に協力していた
RealClearInvestigationsというサイトに掲載された、ウクライナと米民主党の関係について考察した記事を読みました。
先日ここでもちょと触れたのですが、ウクライナは2016年の大統領選挙でヒラリー・クリントン陣営に協力していた事が詳しく書かれています。
それは陰謀論や憶測記事の類いではなく、宣誓供述書、宣誓証言、契約書、電子メール、テキストメッセージ、法的所見、外交官の通話記録、ホワイトハウスの訪問者記録、ロビー活動開示書、議会報告書、非公開の議会証言etc、などを元にして書かれています。
ポール・スペリーという記者が書いたその記事は『ウクライナは2016年の選挙で、プーチンを阻止するために民主党と組んでトランプに対抗した。その賭けは悪い方向に裏切られた。』というタイトルです。
ロシアゲートにも話が及んでいて、いかにトランプ氏を貶めようと画策していたかが垣間見えるものでした。
ヒラリーなら守ってくれる→裏目に
当時ウクライナには、ヒラリー・クリントン氏が大統領になれば、ロシアのプーチン大統領から守ってもらえるだろうとの目論見があったようです。
しかし結果的にそれは裏目に出ました。なぜなら、すでにロシアは侵攻しています。
トランプ氏が言うように彼が大統領の時、ロシアは動きませんでした。それどころかトランプ大統領は、ロシアが侵攻してきたときのために、対戦車ミサイルや自衛のための兵器をウクライナに提供したのです。
もしトランプ氏がまだ大統領だったら、今傷ついているウクライナ国民は無事だったかもしれません。
バイデン政権はむしろロシアを刺激した
一方、米国史上最高得票数で米国民から選ばれたバイデン政権は、逆にロシアを刺激しました。
バイデン政権のアントニー・ブリンケン国務長官は、2021年9月に「我々はウクライナのNATO加盟を支持する」と発言し、プーチン大統領を警戒させました。
(4:57あたり)
またバイデン氏は大統領になる前の2020年2月に以下のツイートをしています。
Vladimir Putin doesn’t want me to be President. He doesn’t want me to be our nominee. If you’re wondering why — it’s because I’m the only person in this field who’s ever gone toe-to-toe with him.
— Joe Biden (@JoeBiden) February 21, 2020
ウラジミール・プーチンは私が候補になることを望んでいない。なぜなら、このフィールドで彼と1対1で対決したことがあるのは、私だけだからだ。
プーチン大統領はこの言葉を忘れなかったかもしれません。
いやむしろ、バイデン氏が選ばれるのを望んでいたかも。プーチン大統領はバイデン氏が何も出来ないことをわかっていたかもしれないです。
2014年から始まった
それは2014年から始まりました。
オバマ政権の外交官達は、当時ウクライナのヤヌコヴィッチ大統領を失脚させるクーデターを画策し、彼らがコントロールできる指導者を据えようとした、と記事は書いています。
それをリードしたのはビクトリア・ヌーランド国務次官補と、ジェフリー・パイアット在ウクライナ米国大使でした。以前の記事で取り上げた2014年のリーク音声データがそれを示しています。
ヌーランド氏は当時バイデン副大統領がこの案に賛成するだろうとし、「バイデンは喜んでいる」と言いました。そして「EUクソ食らえ」とも。
実際ヌーランド氏はキエフに行き、デモを手伝ったといいます。
「なぜクーデターを画策したか?」――それはヤヌコヴィッチ大統領が親プーチン派だったからです。
クーデター後、1ヶ月もしないうちにプーチン大統領は速効でクリミアを併合しましたが、これでその理由がわかったかもしれません。
アレクサンドラ・チャルーパという人物
クーデターが成功した後、ウクライナ系アメリカ人で民主党工作員のアレクサンドラ・チャルーパ氏が暗躍しました。チャルーパ氏は、バイデン副大統領のチームと連携してさまざまな活動を行ったとのことです。
さらに元イギリスMI6の諜報員クリストファー・スティール氏は、ウクライナ危機とロシアに関する情報をヌーランド氏に機密に提供していたようです。ヌーランド氏はチャルーパ氏やスティール氏から約120件の報告書を受け取っているといいます。
またチャルーパ氏は2016年にホワイトハウスを27回も訪問していると、シークレットサービスの記録に残っているもよう。
民主党はチャルーパ氏を月5,000ドルでコンサルタントとして雇い、後にドナルド・トランプ氏の選挙対策本部長となるポール・マナフォート氏とウクライナの取引を示唆し、ロシアとのつながり疑惑をメディアにけしかけたようです。
オバマ政権はウクライナに働きかけ、ハンター・バイデンちゃんの調査を止めて、マナフォート氏を捜査するよう要請しました。
するとFBIは、マナフォート氏をマネーロンダリングや脱税の容疑で捜査を開始したといいます。
ポール・マナフォート氏を追い詰める
2016年3月28日、ポール・マナフォート氏がトランプ陣営に加わるという情報が流れ、チャルーパ氏は民主党の高官にメールを送ったといいます。
「これがトランプをやっつけるための全てだ」
2016年4月、チャルーパ氏はウクライナ系アメリカ人の抗議デモを組織し、マナフォート氏を解雇するよう叫びました。またSNSでのキャンペーンも組織したという。
そしてウクライナ大使館とも通じ、それによってウクライナ高官が公然とトランプ批判をするようになっていったといいます。
後にウクライナのセルヒィ・レシチェンコ議員は、「トランプ大統領が誕生すれば、アメリカの外交政策における親ウクライナの計画が変わる」として政治的な意図があったことを認め、ウクライナの政治家のほとんどがヒラリー派だったことを明かしました。
レシチェンコ議員は、フュージョンGPSの情報源だったこともわかっています。これはロシアゲートのスティール文書につながります。(これについては省きます)
結局マナフォート氏は失脚し、起訴されました。マナフォート氏は無実を主張しています。
けっきょく、裏目に出た
チャルーパ氏の暗躍もむなしく、トランプ氏は勝ちました。
このとき「トランプ大統領の下では、クレムリンは侵攻する可能性が高い」とチャルーパ氏は言いましたが、それは実現しませんでした。
むしろ、チャルーパ氏が応援した民主党バイデン政権の下で侵攻が起こったのです。これが「裏目に出た」ということです。
・・・誰がこんなシナリオを書けたでしょう。
うわべでは「ロシアの暴走」と言われるウクライナ侵攻は、裏でいろいろなことがうごめいていました。どれが原因というのはないでしょう。全てが重なったものだと感じます。
早く事態が収まって、映画にでもなって欲しいと思うくらいです。
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