大谷翔平選手所属のエンゼルス、球団売却検討のなぜ?大谷選手の今後は?

オーナー「今がその時」

大谷翔平選手が所属するロサンゼルス・エンゼルスが、突然球団の売却を検討していることを明らかにしました。

米現地8月23日に球団オーナーのアート・モレノ氏が、「球団売却の可能性を含む戦略的選択肢を判断するための正式なプロセスを開始した」と発表しました。

「この難しい決断はもっぱら私たちの選択であり、熟慮に値するものでしたが、私と家族は最終的に今がその時だという結論に達しました。このプロセスを通じて、私たちはファン、従業員、選手、ビジネスパートナーの利益のためにフランチャイズを運営し続けるでしょう。」

アート・モレノ球団オーナー

モレノオーナーは2003年5月にウォルト・ディズニー・カンパニーからエンゼルスを購入しています。エンゼルスの本拠地があるカリフォルニア州オレンジ郡アナハイム市にはディズニー・リゾートがあり、市の代表的存在になってます。

モレノ氏はメキシコ系アメリカ人で、ベトナム戦争に従軍した後、屋外看板の会社アウトドアシステムに入社し、CEOになり株式公開しています。その後アウトドアシステムは売却されました。

野球好きが高じて他の投資家と共同でマイナーリーグ球団を買収した後、メジャーリーグ球団を持ちたいとMLBアリゾナ・ダイヤモンドバックスの買収に動きましたが、この時は成立せず、その後エンゼルスを1億8,000万ドルで買収しました。

ちなみにモレノ氏は現在MLBで唯一の非白人オーナーです。

現在76才で、成人した子供が3人いるようですが、3人とも球団経営を引き継ぐことに興味を持っていないという。

球団の価値

買収の前年2002年にエンゼルスはワールドシリーズ制覇をしているため、今の感覚からすると1億8,000万ドルというのは破格の安さです。

というのも、2020年にニューヨーク・メッツが買収されたときの価格は24億ドルでした。なお現在、エンゼルスの資産価値は22億ドルと言われています。

ワールドシリーズを制覇しているだけあって、2000年台のエンゼルスはアリーグ西地区の強豪で、2004、2005、2007、2008、2009と地区優勝を遂げています。

しかし2012年にセントルイス・カージナルスからFAになったアルバート・プホルズ選手と10年2億5,400万ドルという大型契約を結んだあたりから、雲行きが怪しくなっていきました。プホルズ選手のせいというわけではないと思いますが、全体的にチームの流れが悪くなっていった印象です。

2014年に地区優勝したものの、それ以外の年はプレーオフ出場もままならず、現在ではすっかり「あの頃の強さはどこ行ったの?」という状態になっています。

またチーム生え抜きの選手が育っておらず、マイナーリーグシステムに問題があると評価する向きもあります。

本来の勝負以外でもスキャンダルがあり、2019年に薬物で死亡したタイラー・スカッグス投手に球団職員が薬物(オピオイド)を提供していたとして、遺族から訴えられました。

他にも球団のクラブハウス職員だったブライアン・ハーキンス氏が、ロジンと松ヤニのブレンドを作って両チームの選手に配っていたとして2020年3月に解雇されています。

スタジアム買収をめぐるアナハイム市長の汚職事件

そんなチーム事情もさることながら、今年噴出したエンゼルスタジアム売却をめぐる汚職が、影を投げかけました。

2020年10月、モレノ氏の会社SRBマネジメントが、アナハイム市からエンゼルスタジアムとその周辺の駐車場を3億2,000万ドルで購入することに同意しました。

モレノ氏はMLBで4番目に古いエンゼルスタジアムを改修し、周辺の土地をオフィスや新しい住宅、店舗、ホテル、レストランのある娯楽地区を作るための開発に乗り出す予定だったと言われています。

しかしこの売却をめぐって、当時のアナハイム市長ハリー・シドゥ氏がエンゼルスの幹部に機密情報を提供したとして、2022年5月にFBIが捜査を始めたことが報じられました。

FBIによれば、シドゥ市長は情報提供の見返りに100万ドルの選挙献金を望んでいたという。

これによりシドゥ市長は5月24日に辞任しました(罪には問われていない)。またスタジアムの売却は無効になっています。

気になる大谷選手の今後

これらのドタバタが、モレノ氏が球団経営のモチベーションを失う要素になったかもしれません。もしスタジアム買収が何事もなく決まっていれば、そのまま続けた可能性はあるのでは。

ただ我々日本人が気になるのは、大谷選手が今後どうなるかということでしょう。

大谷選手は2023年シーズン終了後にFA権を獲得しますが、それまでは球団側に所有権があるため、大谷選手に選択権はないはずです。

一方で今シーズン終了後に年俸調停で年俸が急騰するのはまず間違いないので、もし球団がケチってそれを嫌うとしたらトレードに出す可能性はあるかと。

メディアは早くもドジャース、メッツ、カージナルス、ヤンキース、レンジャースあたりの名前を出していますが単なる憶測に過ぎません。

そもそも球団売却が決定したわけではなく、可能性を模索し始めた段階に過ぎないわけですから。

今後の情報を待ちたいと思います。