60号で今年はジャッジか?
MLBアメリカンリーグのMVP争いが佳境に入ってて、ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手かニューヨーク・ヤンキースのアーロン・ジャッジ選手かという二択になってます。
これを書いている9/21(米現地9/20)、ジャッジ選手が大台の60本目のホームランを打ちあのベーブ・ルースと並びました。
リーグMVPは記者の投票によって決まるため、シーズンを通じてより印象の強い活躍・数字を残した選手が選ばれますが、60本で多少ジャッジ選手に傾いてしまったかなという印象があります。
もちろん大谷選手は二刀流という唯一無二の事をやっているので比較対象がありません。ムリヤリ比べるとしたら、それこそ100年以上前のベーブ・ルースとかになっちゃうので。
もし大谷選手が獲得すれば2年連続MVPですが、どうもメディアの雰囲気は今年はジャッジ選手かも、という空気を感じてしまうのは私だけですかね?
Most home runs in American League history:
1961 Roger Maris: 61
1927 Babe Ruth: 60
2022 AARON JUDGE: 60📹: @Yankees pic.twitter.com/X1aYyzXW52
— CBS Sports (@CBSSports) September 21, 2022
ロジャー・マリスの61本記録
ジャッジ選手がホームランをあと1本打てば、1961年にヤンキースのロジャー・マリスが記録したシーズン61本記録に61年ぶりに並びます。どうでもいいけど61が三並びです。
実は1998年にマーク・マグワイア選手が70本というア・リーグ記録を作っていますが、当時はステロイド全盛時代でありマグワイア選手も使用を認めたため、ドーピングありの記録として残っています。
なので、純粋なナチュラルの記録としてはマリス選手の61本が認められており、これを今年ジャッジ選手が61年ぶりに更新するのかと話題沸騰しています。
ただ現在はドーピング禁止とはいえ、8月にサンディエゴ・パドレスのフェルナンド・タティスJr.選手が禁止薬物で出場停止処分を食らったりしてるので、一部で「バレなきゃラッキー」という風潮があるのは否めない。
なんつってもタティスJr.選手は、2021年2月に14年総額3億4000万ドル(現在のレートで約487億円)という高額契約をしています。そしてドーピングが発覚してからも今のところギャラが減額されたという話は聞きません。つまりやったもん勝ち、バレなきゃ勝ち、という風になってしまっているのです。
ジャッジ選手は今年のシーズンが終わればFA権を獲得するので、メジャーリーグ選手によくあるFA前のアピール期です。FA直前に活躍をアピールすることによって、少しでもいい契約を獲得したいという思いがあるはずです。これまではなんだかんだ毎年ケガで離脱していましたが、今年はそうでもないようです。
アメリカに嫌われたロジャー・マリス
マリス選手はベーブ・ルース選手が1927年に記録した60本を破りました。ベーブ・ルースは知ってるけどロジャー・マリスって誰?っていう人もいるかもしれません。同じヤンキースで活躍した選手です。
実はロジャー・マリスという人が作った61本の記録は、しばらく世間から認められていませんでした。それは、あまりにベーブ・ルースの名前が偉大すぎるというある種の「カベ」があったと思います。
というのもベーブ・ルースは当時から大人気選手であり、MLBどころかある意味アメリカのヒーローだったため、米国民の間で60本という記録はアンタッチャブルになっていたかもしれません。日本人にとって王貞治氏のシーズン55本がしばらくそうだったように。
その記録に近づいていたマリス選手は、シーズン途中に殺害予告を受けています。まだ時代が未熟だったといえばそうかもしれません。
しかもそれほど活躍していたにもかかわらず試合中にブーイングを受け続け、あまりのストレスで髪の毛が抜けたという。
それはマリス選手のキャラにも原因があったと言われています。ルース選手は明るく親しまれるキャラだったのに対し、マリス選手はいわゆる愚直な無口で、あまり愛想のないキャラだったようです。クロアチア系ですが。
またベーブ・ルースの頃は1シーズン全154試合の中で60本を達成しており、マリスの時代は162試合でした。マリスは154試合目に59号を打ちましたが、これがルースの記録を抜いてないとイチャモンがつきました。
最終の162試合目で61号を打ちましたが、ルースとは同じ条件(試合数)ではないと言うことで論争が起こり、すっかりマリスは悪玉にされ、記録にはアスタリスク(*)が付されたという。これが正式に認められるのは何年か後でした。
最終的にトレードでセントルイス・カージナルスに移ったマリス選手は「ニューヨークが大嫌い」と言っていたとか。
記録づくめ
しばらくそんな扱いだったマリス選手のシーズン61本は、現在ではれっきとした記録として残っており、1984年にはヤンキースが彼の付けていた背番号9を永久欠番にしています。
そんないわくつき記録を61年ぶりにジャッジ選手が抜くかどうかと言うことで、メディアは騒いでいます。もし抜いたとしたら当然お祭り騒ぎでしょうし、上の方で「全体の雰囲気は今年はジャッジ選手かな」と書いたのはそういう背景もあるからです。
それとチーム状況としてもヤンキースは地区優勝するでしょうしエンゼルスはとっくに終戦っぽいので、残念ながらその差はあります。
まあMVPは数字ではなく人間が選ぶというのが一つのポイントであり、その時の流れとか雰囲気というのに左右される要素が無視できないと思うので。
それと、今年ジャッジがMVPじゃなければもう誰も大谷選手にはかなわないじゃん、という空気もないですかね。
一方で、もちろん大谷選手のパフォーマンスは言うまでもなく、今年はあと3試合登板すると言われており、その中で14イニング投げれば、規定投球回数に達することになります。
投手と打者で規定投球回数&規定打席に到達するのは1903年以降で史上初の快挙であり、ぜひ達成して欲しいものですしその瞬間を味わいたい。
アーロン・ジャッジ
ジャッジ選手のホロスコープを見て、子供の頃に何かあったんじゃないかと思ったら、生まれたすぐ翌日に養子になってますね。たぶんこの人は血縁から離れる人です。
なので、プレー中もあまり感情が表に出ない人だなと思っていたのはそういうことでしたね。
元々生まれ持った資質があり、それが20代半ばから開花した感じです。
現在30才でサターンリターンを迎えており、かなりプレッシャーもあると思いますがそれをはねのけて記録ばく進中であり、大谷選手の活躍も見たい一方で、ジャッジ選手の記録もこの目で見たいと思うのは贅沢な悩みです。
ただ、将来ネガティブな話が出ないといいんですが。
いずれにしても史上まれに見るMVP争いになりそうです。
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