【MLB】ズバ抜けた能力を持ちながら、期待を裏切り続けたジョシュ・ハミルトンの挫折人生

ドラフト全体1位

2000年台後半から2010年台初頭まで、メジャーリーグのテキサス・レンジャーズで活躍したジョシュ・ハミルトン。

1999年にMLBドラフト1巡目1位(全体1位)でタンパベイ・デビルレイズ(現レイズ)から指名を受けた。全体1位が何を意味するのか?――MLBは全部で30チームある。ドラフト1位と言っても、30人いることになる。その中で「イの一番」。つまりその年のNo.1選手ということ。ちなみにMLBのドラフトで指名される選手は毎年1200人以上いる。

ただ全体1位であっても、プロ入り後、期待通りの活躍ができるとは限らない。

ゴールデンルーキー

ジョシュ・ハミルトンはノースカロライナ州で生まれ、アテネ・ドライブ高校に入学。60ヤードダッシュ(約55m)を6.7秒で走り、ピッチャーとしては時速96マイル(154km/h)の速球を投げたという。25試合に出場し、打率.529、ホームラン13本、35打点、20盗塁。

当初、高校卒業後はノースカロライナ州立大学に進学する予定だったというが、デビルレイズの指名を受けたため、369万ドル(約4億円)の契約金でプロ入りした。

2000年はマイナーリーグで順調に過ごし、クラスAのサウスアトランティックリーグでオールスターに選ばれ、MVPも獲得した。またオールスターフューチャーズゲームにも選出され、USA Today誌のマイナーリーグ年間最優秀プレーヤーに選ばれている。

両親は息子の活躍に期待し、応援するため仕事を辞めてしまった。アメリカでけっこう多いパターンだ。

最初のつまづき

その両親と共に、2001年シーズン前に自動車事故に遭ってしまう。ここから何かの歯車が狂いだした――アルコールと薬物使用が始まった。両親が仕事を辞めて全面的に応援に回ったことが、プレッシャーになってはいないのか。

2002年には薬物検査で陽性が出て、25日間の出場停止おとび薬物更生施設への入所が義務付けられる。

2003年シーズン前、スプリングトレーニングにたびたび遅刻をするなど素行不良が見られ、結局このシーズンは休場~復帰を繰り返し、最終的に個人的な理由で休止してしまう。

2004年にも薬物違反で30日間の出場停止処分を受け、さらに2回も検査に引っかかったため、MLB機構はこのシーズンを通じて出場停止処分にした。

ハミルトンはこの時点でほぼ3年間、野球から遠ざかっていた。
迎える2005年シーズンは、なんとかメジャー昇格を目指そうとしたものの、シーズン前に友人のトラックのフロントガラスを破壊して逮捕されてしまう。

復活へ

普通の人間はここまでで挫折して終わる。しかしハミルトンは諦めず、野球アカデミーの施設で働きながら復帰を目指した。

2006年6月に出場禁止が解かれて試合出場を果たした。この年の12月にルール5ドラフトというシステムでシカゴ・カブスに指名を受け、その直後に金銭トレードでシンシナティ・レッズに移籍した。

2007年にプロ入り8年目にしてようやくメジャーリーグに昇格、初めての出場ではスタンディングオベーションが22秒間鳴り止まなかったという。

アメリカ人は復活ストーリーが好きだ。ハミルトンのように一度落ちるところまで落ちた人間が、再び立ち上がって来たときは称賛を惜しまない。「お前、よく頑張って戻ったな」――タイガー・ウッズがそうだったように。

伝説の28発

シーズン後にトレードでテキサス・レンジャーズに移籍し迎えた2008年シーズン、4・5月連続で月間MVPを受賞。外野手最多得票でオールスターに選ばれ、前日のホームランダービーの1ラウンド目で28本を打つ。

会場のニューヨーク・ヤンキースタジアムの3階アッパーデッキに打ち込むパワーは、一度アルコールと薬物でボロボロになった人間とは思えない。このものすごい飛距離。
↓ ↓

翌2009年にはケガやスキャンダルがあったものの、2010年に再び活躍。首位打者のタイトルを獲得しリーグMVPにも選ばれた。2011年にレンジャーズはワールドシリーズに進出しているが、ジンジャエールで祝福したというのは有名な話。

また薬物に

2012年シーズン終了後にFAとなり、いくつかのチームが獲得に乗り出したが、争奪戦の末に5年総額1億2,500万ドル(約135億円)という大型契約でロサンゼルス・エンゼルスに入団した。

――しかしまた影が近づいていた。

鳴り物入りでエンゼルスに移ったものの、そこそこの成績ではあったが、期待通りの活躍とはいい難かった。ケガにも見舞われてしまった。

2015年に右肩の手術をしたが、またアルコールと薬物に手を出したことが明らかになった。このときハミルトンは自分からMLB機構に報告している。4月にはトレードで古巣のレンジャーズに移籍したが、ここでも低迷し50試合の出場にとどまった。

結局、これがメジャーリーグ選手として最後のシーズンになった。この後ヒザの手術などで試合には出られず、2016年途中に自由契約になっている。その後もハミルトンは復帰を目指したが、ついに叶わなかった。

娘への暴行で訴追

しばらくハミルトンの名前を聞かなかったが、残念なニュースが入ってきた。

ハミルトンは前妻との間に3人の娘がいるが、昨年9月に娘と口論になった際、水の入ったボトルを投げたり、椅子を投げたりしたようだ。このときは3万5000ドル(約380万円)を支払い保釈されていたのだが、このたび正式に訴追されたという。

 38歳のハミルトン容疑者について、テキサス州検察は意図的に子どもの身体に危害を加えた傷害容疑により、米刑法に基づいて第3級重罪で訴追した。ダラス(Dallas)のテレビ局CBSDFWなどの報道によると、この事件は同容疑者と14歳の娘との間に起きたものだという。

【出典元】元レンジャーズの主砲、児童虐待罪で正式訴追 米報道/AFP(2020年4月10日)

ジョシュ・ハミルトン

ジョシュ・ハミルトン

出生時間不明だが、やはり精神的に問題あるかな。
けっこうしんどいものを抱えているように思えるね。フラッシュバックなどもあるのではないか。

また娘への過剰な行為があったように、ここのところは不安定な時期だったと思う。

火星にアスペクトがないのだが、この火星はちょっと危うい暗示があるね。

これだけ光と影のコントラストが激しいアスリートも珍しい。まあたまにいるけど。