TikTokが2名のジャーナリストをスパイ
TikTokが、ジャーナリストをスパイしていたことが判明しています。
これはTikTokの親会社バイトダンスが、内部情報をリークしている従業員を特定する目的でおこなった調査で、従業員とジャーナリストが同じ場所に滞在していたかなどを調べていたとのこと。
情報が収集されたのはBuzzfeedのエミリー・ベイカー・ホワイト記者とFinancial Timesのクリスティーナ・クリドル記者で、彼女らは6月にBuzzfeedでTikTokのデータアクセスについて記事を書いていたため、追跡されたという。特にクリドル記者は、バイトダンスについていくつかの記事を書いていたようです。
この記者2名はバイトダンスの社員4人にアカウントをハッキングされ、IPアドレスなどの個人情報が収集されたとのことで、また2人に関係する他の米国人も標的にされていたと報じられています。
調査の結果、バイトダンス社は主任内部監査員のクリス・レピタク氏を解雇しており、またレピタク氏の部下で、バイトダンス社のルボ・リャンCEOの直属の部下だった幹部ソン・イェ氏は辞職したという。
バイトダンスは今後、監査チームとリスクチームを制限し、同部門から米国データへのアクセスを排除すると報告しています。
ByteDance, the China-based parent company of TikTok, said an internal investigation found that employees had inappropriately obtained the data of U.S. TikTok users, including two journalists. https://t.co/FnWaGRmQxi
— The New York Times (@nytimes) December 22, 2022
別の記者2名もか
またフォーブスは、自社の2人のジャーナリストも追跡されたと報じています。
フォーブスによると、同社のジャーナリストがバイトダンス社に追跡されていたことが内部調査により明らかになったと報じています。
フォーブスは10月に、TikTokが位置情報などを監視している事を報じていますが、バイトダンス社は取材しているフォーブスのジャーナリストを追跡し、IPアドレスやユーザーデータに不正アクセスして居場所などを特定しようとしていたと主張しました。
この2名はフォーブスのキャサリン・シュワブ記者とリチャード・ニーバ記者だといわれていますが、バイトダンス側は、上で書いたホワイト記者とクリドル記者を追跡していた事しか認めていません。
#BREAKING EXCLUSIVE: TikTok Spied On Forbes Journalists https://t.co/gROm7SyhJR
— Forbes (@Forbes) December 22, 2022
記者に対する報復だった?
いずれにしろこの調査は、2022年6月にBuzzfeedが報じたことから始まったという。その記事では米国の個人情報が中国から繰り返しアクセスされている事を示す「社内会議の音声データ」がリークされたことを報じています。
その記事の詳細↓
この記事を書いたのがホワイト記者でした。その後ホワイト記者はフォーブスにも寄稿し、バイトダンスがTikTokを使って特定の米国人の位置情報を監視する計画を立てていると書いています。
This is the same team that was planning to monitor the location of certain Americans, as @Forbes reported last week. https://t.co/YpUy6nMGx6
— Forbes (@Forbes) October 25, 2022
またクリドル記者もバイトダンスに関する記事をいくつか書いていたようです。
バイトダンス社のルボ・リャンCEOは、従業員宛の電子メールで「この事態を知らされたとき、私は深く失望した…皆さんも同じように感じていることでしょう。我々が膨大な労力を費やして築いてきた社会的信頼が、数人の個人の不正行為によって大きく損なわれることになる」と述べています。
米国で高まるTikTok排除論
すでに米上院議会では、政府の端末でTikTokを禁止する法案が現地12月14日に可決されています。この法案は2023年度の1兆7000億ドルのオムニバス歳出法案に盛り込まれていると言われていますので、だとしたら下院でも可決されたということになるかと。
国防省、国土安全保障省、国務省などの連邦機関は、すでに政府所有のデバイスからTikTokを禁止しています。
さらに共和党のマルコ・ルビオ上院議員は12月20日に、TikTokを全面的に禁止する超党派の法案を発表し、ますますTikTokへの排除論が高まっています。
FBIのクリストファー・レイ長官と、CIAのウィリアム・バーンズ長官は、共にTikTokが国家安全保障上の脅威ということに同意しています。
FBIレイ長官は12月1日にTikTokについて「コンテンツを操作することができ、彼らが望めば、影響力工作に利用できる」と述べました。
CIAバーンズ長官は17日に放映された「PBSニュースアワー」のインタビューで、レイ長官に「同意する」と述べ、「中国政府がTikTokを操作することができるのは、純粋に困ったことだ」と語りました。
各州レベルで対応
CCDH(デジタルヘイト対策センター)の最新の報告によると、TikTokはアダルトなコンテンツや麻薬の横行で子供達に有害な影響を与えているという。
さらに子供達の心を毒して自分の身体への憎しみを助長し、自傷行為や摂食障害を押しつけたり、トランスジェンダー化と関連付けているという。
米国ではトランプ政権時代にTikTokを禁止する大統領令が出されましたが、バイデン政権になって撤回されています。最近では民主党議員でさえ「トランプは正しかった」と認めています。
バイデン政権が動かないため、各州レベルでTikTokを制限し始めており、ネブラスカ州、テキサス州、サウスダコタ州、サウスカロライナ州、メリーランド州、アーカンソー州などは州が所有するデバイスでTikTokを禁止しました。インディアナ州ではTikTokに対して訴訟を起こしています。
また15州の司法長官が、TikTokの年齢制限を修正するようAppleとGoogleに要求しました。現在App Storeでは12歳以上、Google Play Storeでは13歳以上のユーザーが対象ですが、弁護団は「17歳以上」にレーティングを変更するよう要求しています。
TikTokをお使いの方、お気を付け下さい。
15 Attorneys General Demand Apple, Google Fix TikTok Age Ratinghttps://t.co/XxEM1zbuY7
— The Federalist (@FDRLST) December 14, 2022
※当ブログでは主流メディアでなかなか報じられず、検索されない情報を取り上げています。ぜひブックマークなどをご利用ください。またあなたの大切な人や、教えたい人にお知らせ・共有してください。
詳しくは→こちら