TikTok社内会議の音声データがリーク、エンジニアが米国ユーザー情報にアクセス「全ては中国で見られている」

TikTokに個人情報アクセスの疑い

先週末、ショート動画アプリ「TikTok」が米国ユーザーの個人情報を取得している疑惑が報じられました。

米現地6月17日にTikTok側は、米国のユーザーデータをオラクルが所有する米国のサーバーに移行完了したと発表し、長年懸念されてきた国家安全保障の問題が払拭されたとしました。

しかしリークされたTikTokの社内会議の音声データをBuzzFeed Newsが入手したところ、エンジニアが米国のユーザーデータにアクセスしていたことを複数のスタッフが認める認めている事が確認されたという。

バイデンがトランプの禁止令を撤回

トランプ大統領はその政権時代に、安全上の懸念からTikTokを米国で全面禁止する大統領令に署名しました。アプリストアからも削除されることになりました。

ただこの大統領令に関して、すったもんだで何度も期限が延長されているうちに大統領が代わってしまい、事実上棚上げのような形になっていたという。

代わったバイデン政権が2021年6月にトランプ氏の大統領令を撤回したことで、TikTok側が起こしていた大統領令撤回を求めた訴訟も取り下げられました。

しかしTikTokのデータ安全性に対する懸念は米国内で燻っていたとみられ、それが今回発表されたオラクルのサーバーにデータが移行されたことで、この論議が表向き上、集結したことを示したことになりました。

ところがこれに水を差したのが社内会議の音声データだったのです。

全ては中国で見られている

2021年10月の米上院公聴会で、TikTokの幹部は「世界的に有名な米国ベースのセキュリティチーム」が、このデータにアクセスできる者を決定すると宣誓証言しています。

ところがBuzzFeedが入手した音声データには、少なくとも2021年9月~2022年1月の間、中国のエンジニアが米国のデータにアクセスしていたことを認める9名のTikTok社員による14の発言が見つかったという。

TikTokを運営するバイトダンス社には米国人エンジニアもいるとのことですが、音声データによると米国人はデータにアクセスする許可をされておらず、その方法も知らされていなかったようです。

音声データの中で2021年9月の会議では、TikTokの信頼・安全部門のスタッフが「全ては中国で見られている」と発言しているといいます。別の会議では北京にいるあるエンジニアのことを「マスター・アドミン(管理者)」と呼んでおり、その人物が「全てにアクセスできる」と述べていたという。

リークされた音声データはかなりの量にのぼるとみられ、幹部クラスの少人数のものから全体的なものまで、幅広くカバーされていたようです。

日本では?

皮肉なことに、けっきょくトランプ氏が正しかったということになるのかもしれません。

ただ今回アクセスされたのは米国のユーザーデータで、日本のは大丈夫とか思っている人がいるとしたらちょっと想像力が足らないかもしれないですね。

ちなみに日本では2020年に自民党の「ルール形成戦略議員連盟」がTikTokの制限を検討しています。その後どうなっているか知らんけど。

インド、イラン、インドネシア、アフガニスタンなどではTikTokの使用が禁止されています。その他でも一時的に禁止になり、その後解除された国もあります。

まあそれくらい疑惑のあるアプリということくらいは認識しておいた方がいいのかもしれません。

それでも2021年9月には、TikTokのユーザーが10億人に到達したと発表されています。

にしてもリーク社会は本格化してきています。