ウクライナとロシアの和平交渉を妨害したのは米国だ――シュレーダー元ドイツ首相

Gerhard schroeder / public domain

アメリカがロシアとウクライナの和平をぶっ潰した

ドイツの元首相ゲアハルト・シュレーダー氏がこのたびインタビューの中で、米国がロシアとウクライナの和平交渉を妨害したと主張しました。

シュレーダー氏はドイツのメディア「Berliner Zeitung」のインタビューで、「ウクライナはロシアと和平協定を結ぶ準備ができていたが、アメリカ政府がそれを許さなかった」と発言しています。

それによると2022年の和平交渉でいくつかの妥協案が提示されたものの、アメリカが突っぱねたという。

まあバイデン政権はなんでもかんでも「ロシア憎し」なので、なんとしてでも戦争したかったのでは。

ゲアハルト・シュレーダー氏

1944年生まれで現在79歳のゲアハルト・シュレーダー氏は、1998年10月~7年間ドイツの首相を務めましたが、2005年9月の国政選挙で野党に負け、退任と同時に議員も辞職しました。

その後ノルド・ストリームAG、ロスネフチ、ガスプロムなど、ロシアの国営エネルギー企業に勤めたことから、若干ロシア寄りなのかなという感じです。

2022年2月にロシアがウクライナに侵攻した際、シュレーダー氏はロシアの国営企業ガスプロムの取締役になっていたため、ドイツ国内やEU議会から批判を浴び、制裁対象とするか検討されました。

またシュレーダー氏が所属していたドイツの政党「SPD」も同氏の除名手続きを開始しましたが、5月にシュレーダー氏がロスネフチの役員を辞任しています。

仲介を打診された

シュレーダー氏はウクライナ戦争が始まった2022年、ウクライナからロシアとウクライナの仲介ができないか依頼を受けたという。

それはシュレーダー氏からプーチン大統領にメッセージを伝える事ができるか、という打診だったとのことです。ロシア国営企業に勤めてましたからね。

そしてウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領と親しい関係にある現ウクライナ国防大臣のルステム・ウメロフ氏と会ったという。ウメロフ氏はクリミア・タタールの少数民族出身だそうで、言ってみれば当事者です。

この会合で議題になったのは「どうやって戦争を終わらせるか?」ということでした。

このときシュレーダー氏は、そのための”5つのポイント”を挙げたという。

和平のための”5つのポイント”

  • ポイント1:ウクライナのNATO加盟の放棄。どのみちウクライナは条件を満たせることはできない。
  • ポイント2:言語の問題。ウクライナ議会は二言語主義を廃止したが、これを変えなければならない。
  • ポイント3:ドンバスはウクライナの一部であることに変わりはない。しかし、ドンバスにはより大きな自治が必要である。
  • ポイント4:ウクライナは安全保障も必要としている。国連安全保障理事会+ドイツがこの保証を提供すべきだ。
  • ポイント5:クリミアについて。クリミアはいつからロシア領なのか?クリミアはロシアにとって単なる土地ではなく、歴史の一部である。地政学的な利害が絡まなければ、戦争を終わらせることもできた。

しかしシュレーダー氏いわく、これらは法的な問題だけではなく、解決できるのはアメリカだけだと述べています。

和平はアメリカが許さなかった

シュレーダー氏はウメロフ氏と2回会談し、その後プーチン大統領と1対1で会談し、さらにプーチン大統領の特使とも会談したという。

2022年3月にトルコのイスタンブールで行われたルステム・ウメロフ氏との和平交渉で、いくつかの和平案が提案されました。

ウクライナの安全保障の妥協案として、オーストリア・モデルまたは5+1モデルが提案された。これにウメロフ氏は良いと判断した。

またウメロフ氏は他の点についても前向きな態度を示しており、

・ウクライナはNATO加盟を望んでいない
・ウクライナは、ドンバスにロシア語を再導入する

などと言っていたとのこと。

しかしウクライナ側は和平に同意しませんでした。ウクライナが同意しなかったのは「アメリカが許さなかったからだ」とシュレーダー氏は述べました。

「彼らは話すことすべてについて、まずアメリカ側に確認しなければならなかった」

「結局何も起こらなかった。これは致命的で、その結果、ロシアは中国との結びつきを強めることになった。」

アメリカはロシアを抑えることができると考えている

シュレーダー氏によれば、アメリカはウクライナとロシアの妥協案を望んでいなかったといい、なぜなら「アメリカはロシアを抑えることができると考えているからだ」と述べました。

ところが今、中国とロシアという2つの国が手を結ぼうとしている。アメリカはこの2つの国を抑えられると思っているが、それは間違いだとシュレーダー氏はいう。

「アメリカ人は、自分たちが両者を抑え込むのに十分強いと信じている。私の考えでは、これは間違いだ。アメリカ側が今どれほど混乱しているかを見てほしい。議会の混乱を見ればわかる。」

そして「アメリカは自分たちを過大評価しているのでは」との問いかけに、同意しました。

ロシアにとっての脅威

シュレーダー氏いわく、アメリカはウクライナをNATOの新メンバーとして、ロシアの西側国境にNATOを持ち込もうとしている。

そしてトルコはすでにNATOの加盟国で、モスクワに届くミサイルを所持している。

これらはロシアにとっては脅威だったという。ロシアはその両方をごちゃ混ぜにして反応した。「恐怖と前方防衛だ」

ロシアは、西側諸国がNATOをさらに拡大させ、ソビエト後の空間に進出させたいと考えているという確信がある。

そのキーワードはグルジア(ジョージア)とウクライナだ。ロシアのトップは誰もそれを許さないだろう。この危険分析は感情的かもしれないが、ロシアにとって現実的なものだ。

西側諸国はこのことを理解し、それに応じた妥協を受け入れなければ、平和の実現は難しい。

プーチンと交渉できるのはマクロンとショルツだけ

この脅威によってプーチン大統領が戦争を始めたのは致命的な間違いだったが、そもそもロシアはドンバスとクリミアの現状維持だけを望んでおり、それ以上何もない、とシュレーダー氏はいう。

その上で、ロシアとウクライナの和平案を復活させることができるのは、フランスとドイツだけだと述べました。

「プーチンと対話できるのはマクロン(フランス大統領)とショルツ(ドイツ首相)だけだ」

なぜウクライナへの支援とロシアとの対話の申し出を結びつけることができないのか?武器を供給することは永遠の解決策ではない。しかし、誰も話し合おうとはしない。

誰もが塹壕の中にいる。あと何人死ななければならないのか。中東に似ている。一方と他方で苦しんでいるのは誰なのか?子供を失った貧しい人々だ。重要な人たちは誰も動かない。

バイデン政権、ウクライナとイスラエルに支援

一方、バイデン大統領はウクライナとイスラエルの支援を推進すると述べています。

バイデン政権はウクライナに600億ドルと、イスラエルへの140億ドルを含む1050億ドルの予算要求を議会に提出しようとしているという。

つまり両方の戦争とも止める気はなく、あくまで戦わせる気です。それで世界の平和は来るのか。それとも第三次世界大戦をやりたいのか。

いまウクライナ戦争は長引いているし先が見えない。そしてイスラエルはまだ始まったばかりでこれからという感じで、こちらもどうなるかって感じですが・・・。

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