テキサス州、不法移民を逮捕する法案を可決→バイデン司法省「テキサスを訴えてやる」完全対立

CBP Photography, Public domain, via Wikimedia Commons

12月に不法移民の最高記録を更新

米国の南部国境から不法入国した移民の数が、2023年12月度に月間記録を樹立したという。

税関・国境警備局(CBP)の情報筋によると、12月に出くわした移民は27万6000人を超え、すでに過去最高の月となっているという。

たった1ヶ月でこの数字。27万人というと、東京都墨田区や茨城県水戸市の人口と同じくらいです。これが毎月増え続けているわけです。しかもいつまで続くかわからない。

アメリカでは10月1日から新年度になりますが、新年度が始まって以来、南部国境での移民との遭遇件数はすでに76万件を超えたという。

テキサス州は移民を逮捕する法案を可決

テキサス州は先ごろ、不法移民の逮捕を認める法律を可決しました。

テキサス州のグレッグ・アボット知事は、合法的な方法以外でテキサス州に入国した者を、逮捕し罰する法律に12月18日に署名しました。

それによると最高180日の懲役または最高2,000ドルの罰金に処せられ、有罪判決を受けたことがある場合は重罪に引き上げ、180日から2年の懲役と最高1万ドルの罰金を科すものです。

また特定の条件下では、2年から10年の禁固刑と1万ドル以下の罰金刑を伴う第3級の重罪となり、重罪の有罪判決を受けて入国した場合は、2年から20年の禁固刑と1万ドル以下の罰金を科すという。

アボット知事は「バイデンの意図的な不作為によって、テキサスは自力で何とかしなければならなくなった」と言い、法案の目的はテキサスへの不法入国の高波を止めることだと述べました。

テキサスvsシカゴ

以前からテキサス州は、ニューヨークやシカゴなどの「聖域都市宣言」をしている街に、不法移民達を送り届ける策を講じています。

聖域都市とは「移民ウェルカム」の意思表明をした都市のことで、移民を受け入れ、手厚く保護することを約束しています。なのでテキサス州のやっていることは、むしろ移民のことを思ってやっている。

しかし受け入れる側のシカゴは、移民を運んでいるバスを妨害し始めたのです。

シカゴ市のブランドン・ジョンソン市長は、移民輸送バスを対象とした新しい条例を施行し、バスを押収する権限を付与しました。ジョンソン市長は「アボット知事は国全体に混乱をもたらそうとしている」と語っています。

いや、聖域都市宣言してるのはシカゴの方じゃないんですかね。

そこでアボット知事が対抗策として、今度は移民をチャーター飛行機で運ぶ作戦を開始しました。

聖域都市のシカゴは、我々のバス輸送作戦を妨害し、標的にし始めた。

テキサスは今、シカゴへのフライトを含む作戦を展開する。

バイデンが国境の安全確保に乗り出すまで、私たちはテキサスの国境沿いの町が必要としている救済を提供し続ける。

司法省「テキサス州を訴える」と脅す

バイデン政権は、テキサス州が移民を逮捕できる新しい法案を可決したことに対して、反発しました。

12月28日に司法省は、アボット州知事が署名した新しい不法移民対策法をテキサス州が推進するなら、訴えると脅したのです。

司法省はアボット知事に向けた書簡の中で、「テキサス州が連邦政府のやり方を妨害しないよう、あらゆる適切な法的救済を追求する」と述べ、圧力をかけました。

この書簡によれば、テキサス州の新法案は「連邦政府が管轄する分野に侵入しており、先取りされている」としました。

これはアリゾナ州移民法に対する2012年の最高裁判決の例を引用しているという。

テキサス州「最高裁まで争う」

一方アボット知事は、バイデン政権と闘い、最高裁まで争う意思を表明しています。

「テキサス州は、バイデン大統領の国境開放政策からテキサス州民とアメリカ人を守るため、連邦最高裁判所まで争う用意がある」

なんでもテキサス州の新法は、2012年のアリゾナ移民法とは根本的に違いがあるという。

「テキサス州の法律は、不法入国者にメキシコに戻るか、不法滞在で逮捕される恐れがあるかという選択肢を与えるものであり、アリゾナ州の法律は、基本的に、身分を尋ね、それに基づいて行動するという点で、連邦移民法を肯定的に執行するものだ」

DOJ Threatens To Sue Texas Over Law Enabling State Authorities To Arrest Migrants Who Enter Illegally /Daily Caller

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