共和党は資金不足、トランプは裁判費用で打撃――民主党の高い資金力、選挙のために集中

共和党の資金不足

今年アメリカ大統領選挙を控え、共和党・民主党各党の資金状況についてレポートが出ています。

保守系メディアのレッドステートが、2022年12月以降の連邦選挙委員会(FEC)が記録した支出を分析し、資金の行方を探っています。

それによると、共和党のお金の使い方に疑問を感じざるを得ない。

また報じられたところでは、共和党はこの大統領選挙の重要な年に資金不足に陥っているという。そのため新たな融資枠を設けることを決議したとのこと。

共和党と民主党の支出の違い

共和党全国委員会(RNC)と民主党全国委員会(DNC)との金の使い方の違いは一目歴然です。
(以下わかりやすいように共和党、民主党とします)

【トータル支出】
・共和党:128,735,489ドル
・民主党:156,900,372ドル

【内訳】
人件費
・共和党:15,364,844ドル
・民主党:20,302,310ドル

事務用品:
・共和党:297,717ドル
・民主党:45,005ドル

経営コンサルタント
・共和党:107万8279ドル
・民主党:11万4000ドル

フラワーアレンジメント
・共和党:70,328ドル
・民主党:795ドル

献金者への贈り物
・共和党:615,751ドル
・民主党:502,763ドル

メディア・ブッキング・コンサルタント
・共和党:116,341ドル
・民主党:0

リムジン
・共和党:263,127ドル
・民主党:7,000ドル

投票者ファイルのメンテナンス
・共和党:39,233ドル
・民主党:235,865ドル

GOTV(投票推進運動)のテキスト
・共和党:86,019ドル
・民主党:167万6923ドル

州への支出:
・共和党:13,800,200ドル
・民主党:23,835,437ドル

共和党関係者によると、GOTVのテキスト送信作業と有権者ファイルのメンテナンス作業は、民主党とプロセスの違いがあるとのことで、単純には比較出来ないようです。

だとしても、よくもここまでハッキリと明確な差が付いたものだという印象。

共和党は贅沢、民主党は選挙に使う

上の数字をざっと見る限り、共和党は事務用品、経営コンサルティング、フラワーアレンジメント、メディアブッキングコンサルタント、リムジンなどで民主党を大きく上回っている。

事務用品には食品・飲料・コーヒー業者が含まれ、60,587ドルが支払われているという。またリムジンにはチャーターバスなども含まれるみたいですが、リムジンだけの会社への支払いもあるという。

っていうかフラワーアレンジメントって選挙に必要あるのか?・・・パチンコ屋の開店でもあるまいし。

それにくらべて民主党は、有権者ファイル管理、GOTVテキスト送信、各州党への支出で上回っており、つまり選挙に勝つためにターゲットを絞ってお金をかけていることが分かります。

ただ共和党の広報担当は「民主党の経費の中に300万ドルのコンサルティング費と2万5000ドル以上の美容費を発見した」とクレームを付けているみたいですが。

いやその前に自分のところをしっかりやれって感じですが。

共和党は融資枠を開設

上に書いたように、共和党全国委員会は資金ショートに直面しているもよう。(だったら贅沢出費はやめろというのは置いておくとして)

FECに提出された書類によると、昨年11月末現在で共和党は900万ドル(約13億円)しか保有しておらず、約2000万ドルを保有している民主党の半分以下だとのこと。

そのため新たに1,000万ドル融資枠を開設、つまり借金をすると報じられました。

委員らは1,000万ドルの融資枠のために「寄付者リストを担保にする」と告げられたという。

トランプ陣営は裁判費用が嵩み現金不足

さらにMediaiteも気になる記事を放り込んでいます。

それによるとドナルド・トランプ氏のPAC(政治資金団体)の残高が500万ドルしかないというのです。

トランプ氏の主要PACであるセーブ・アメリカPACは、かつては1億ドル以上の資金を有していたものの、昨年後半だけで弁護士費用に2500万ドル以上を費やしており、現在は500万ドル強しか残っていないとのこと。

またMAGA PACの方は2023年後半に590万ドルを費やし、そのうち400万ドルは訴訟費用に充てられたという。

トランプキャンペーンは1900万ドル強の資金を集めたが、支出に2350万ドル以上を費やし、キャッシュは3310万ドルに減少したとか。

主な支出は、広告費に760万ドル、法律コンサルティングに370万ドル、飛行機に170万ドル、イベントの演出に166万ドル。

さらにトランプ氏は先ごろのE・ジーン・キャロル氏との裁判で、8330万ドルの損害賠償支払いの評決を受けています。(上訴すると言っていますが)

バイデン陣営は順調な資金集め

一方ジョー・バイデン氏を支援するスーパーPAC「フューチャー・フォワードPAC」は、昨年2023年に2億ドルを集めたという。

フューチャー・フォワードPACは、傘下の非営利部門フューチャー・フォワードUSAアクションと共にこの資金を集めたと言われています。

民主党は億万長者のエリート層が大口献金をしていると言われていますが、フューチャー・フォワードUSAアクションは寄付者の身元を公開しておらず、こうした正体不明の資金は「ダークマネー」と呼ばれています。

かつてジョー・バイデン自身は「ダークマネーは社会的信用を損なう」と言っていたようですが、自分自身がそれをやっている。

このほかにバイデン陣営は、最終四半期に1億ドル近い資金を集めたといい、それと合わせるとトランプ氏の資金力に比べてかなりのアドバンテージになりそうです。

ほかに民主党のスーパーPACには、アメリカン・ブリッジやプライオリティーズUSAなどがある。

先週アメリカン・ブリッジは2024年の選挙期間中に1億4,000万ドルを有料広告に費やす計画を発表しました。

またプライオリティーズUSAは昨年春に、バイデン大統領を支持するために7500万ドルをデジタル広告に投じると発表したという。

ロナ・マクダニエルの無能っぷり

もしこれでトランプ氏が大統領選挙に勝ったら、エリート大富豪に民衆の力が勝ったということになるかもしれないですが。

ただトランプ氏を裁判費用で潰すのは民主党の作戦だとも言われてます。

一方、共和党全国委員会がヘボなのは、委員長のロナ・マクダニエル氏が無能だからと言われてますね。

というのも2017年にマクダニエル氏が就任して以来、共和党は2018年の民主党地滑り勝利に負け、2020年のトランプ敗北と民主党による上院確保、そして2022年中間選挙で起こる起こると言われていた「レッドウェーブ」を起こせなかった。

つまりほぼ貢献していないわけです。そして今回の資金ショート問題が浮上した。

これまでトランプ氏はマクダニエルのことを買っていたみたいですが、現在はどうなのかわかりません。

保守派は「ロナ・マクダニエルは辞めろ」と叩く声が多いという。

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