いよいよ始まる米大統領選挙戦――その口火を切る1/15アイオワ集会、共和党はトランプがリード

ドナルド・トランプとニッキー・ヘイリー/The White House from Washington, DC, Public domain, via Wikimedia Commons

各党の代表選びがスタート

2024年11月5日にアメリカ大統領選挙が行われます。

大げさではなく、この選挙によって世界の状況が決まると言っていい。もちろん日本も例外ではありません。

トランプ大統領時代に戦争は起こりませんでした。バイデン大統領になってから2つも戦争が始まり、さらに増えそうな状況になっている。さらにバイデン政権になって燃料費は上がり、コオロギを食べることになった。

それほどアメリカ合衆国の大統領というのは、世界情勢に影響すると言えます。

そんな大統領選挙の前に、各党は代表候補を選ぶ予備選挙が各州で行われることになります。その第一弾となるのがアイオワ州で、週明けの1月15日月曜日に行われます。

ただ共和党と民主党ではやり方が違います。

共和党は従来通り党員投票によって行い、民主党はスーパーチューズデー(3月5日)までの郵便投票によって行われることになりました。

そして最終的に、各党の全国大会で党代表が選ばれる。

共和党は7月15日~18日までウィスコンシン州ミルウォーキーで開催される2024年共和党全国大会で決定する事になっています。

民主党は8月19日~22日までイリノイ州シカゴで開催される2024年民主党全国大会でで決定する予定です。

現時点の各党の候補たち

民主党

  • 現職大統領のジョー・バイデン
  • ミネソタ州選出の連邦下院議員ディーン・フィリップス
  • 作家のマリアンヌ・ウィリアムソン(2020年大統領選出馬)

※ロバート・F・ケネディ・ジュニアは無所属に変更

共和党

  • 実業家で牧師のライアン・ビンクリー
  • フロリダ州知事のロン・デサンティス
  • 元国連大使でサウスカロライナ州知事のニッキー・ヘイリー
  • 前アーカンソー州知事のエイサ・ハッチンソン
  • 起業家のビベック・ラマスワミ
  • 元大統領のドナルド・トランプ

※クリス・クリスティ、ダグ・バーガム、ラリー・エルダー、ウィル・ハード、ペリー・ジョンソン、マイク・ペンス、ティム・スコット、コリー・ステイプルトン、フランシス・スアレス、はいずれも中断もしくは辞退

リバタリアン党

  • ジェイコブ・ホーンバーガー
  • ラース・マプステッド
  • チェイス・オリバー
  • マイケル・レクテンワルド
  • ジョシュア・スミス
  • マイク・テル・マート

インディペンデント・無所属

  • ロバート・F・ケネディ・ジュニア
  • 環境活動家のジル・スタイン
  • 左派活動家のコーネル・ウェスト
  • アメリカ連帯党のピーター・ソンスキー
  • 緑の党のジル・スタイン
  • 起業家のシヴァ・アヤドゥライ
  • ラッパーのジョセフ・”アフロマン”・フォアマン
  • ポッドキャスターのテイラー・マーシャル

以上は現時点でのもので、出馬が噂されているものの、まだ表明していない人もいます。

アイオワ州共和党予備選

上に書いたように民主党はルールを変えたため、アイオワ集会はさほど重要ではなく、むしろ2月3日に行われるサウスカロライナ州党員集会がスタートとして重要視されています。

というのもアイオワ州は歴史的に農村部と白人が多く、キリスト教の福音派の影響を受けていると言われているため、多様性とマイノリティの支持を基盤とする民主党は、黒人の多いサウスカロライナ州を初戦と位置づけたのです。

また他のほとんどの州は予備選挙方式を採用しているのに対し、アイオワ州共和党の場合、伝統的な党員集会で行われることになっています。

アイオワ州内には約1700の選挙区があり、1月15日の午後7時に各選挙区の会場(学校、教会、組合会館)に集まって無記名投票が行われます。

この獲得票数によって40人の代議員が割り当てられ、全国大会で決定することになります。

世論調査でトランプがリード

このように共和党は事実上の初戦であり、すでに熱い戦いになっています。

直前のNBC/デスモインズ・レジスターの世論世論調査では、ドナルド・トランプ氏が圧倒的なリードを持っています。

ただトランプ氏は12月に比べて1月は3ポイント落としており、ニッキー・ヘイリー氏は逆に4ポイント伸ばしました。ビベック・ラマスワミ氏も5%→8%に伸ばしています。

トランプ氏を強く支持しているのは、キリスト教福音派(51%が第一支持)、共和党員登録者(54%)、初回投票者(56%)、大卒でない投票予定者(59%)だという。

一方でヘイリー氏支持者は無党派層(33%が第一支持)と大卒層(27%)でトランプ氏を上回っているとのこと。

またトランプ支持者の82%が「心は決まっている」と答えたのに対し、デサンティス支持者は64%、ヘイリー支持者は63%だったという。つまりトランプ支持者は鉄板で支持している人がほとんどです。

ニッキー・ヘイリーが上昇

上を見ても分かるように、共和党支持者でも反トランプの人はニッキー・ヘイリー氏に流れています。

初めの頃はデサンティスを推す声が多かったものの、デサンティス氏は選挙戦略を見誤ったと言うしかない。デサンティス選挙キャンペーンの幹部らが続々と退任し、大口献金者も撤退していった。

その原因の一端は、トランプ氏を執拗に批判したことでしょう。これは悪手だったかもしれない。支持者達はドン引いた。

その代替えとしてヘイリー氏に流れていると言えます。

ただニッキー・ヘイリー氏は保守派ではなく、グローバリストだという声も多いですけど。

トランプ氏「ニッキー・ヘイリーはグローバリストだ」↓

ランド・ポール「ヘイリーはネオコンだ」

その関連で、共和党のランド・ポール上院議員はニッキー・ヘイリー氏を批判しています。

ポール議員によると、ヘイリー氏はマケイン、ディック・チェイニー、ミッチ・マコーネルのような軍産複合体との関係があるネオコンだという。

「ヘイリーはウクライナ戦争への資金提供に関して、バイデンとマコーネル、そして永遠の戦争派を支持している。彼女の戦争への渇望はとても強い」と主張し、

「彼女は個人的に、戦争で利益を得る武器商人から数百万ドルを受け取っている。サウスカロライナ州知事として、彼女は同じ武器商人に税金を提供し、(その見返りに)彼らは選挙献金と、彼女が知事を辞めたときの取締役の席を彼女に与えた」

これが事実なら、もしヘイリー氏が大統領になったら戦争は終わらないどころか、拡大される可能性もありますが。

いずれにしてもアイオワ集会がどうなるか。

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