ボーイングの内部告発者が謎の病気で急死、これで2人目――1人目も謎の自殺

ドアが吹っ飛んだアラスカ航空のボイーイング737MAX/NTSBgov, Public domain, via Wikimedia Commons

ボーイング告発者ジョン・バーネット氏

ゴールデンウィークが始まり国内や海外で過ごす人も多いと思いますが、かつてなかったほどに飛行機の安全性に注目が集まっています。

しかもそれは一つの航空機メーカー・・・ボーイング。

2024年3月、ボーイングの内部告発者ジョン・バーネット氏が死亡しました。彼は内部告発訴訟で事情聴取を受ける予定だったが、滞在先のホテルの駐車場で遺体で見つかりました。

バーネット氏はボーイングの工場に勤務していたが、組み立て工程が急がされているために安全性が損なわれていると告発していました。

バーネット氏は自分の車の中で、拳銃を持って死んでいたという。

自殺行為と見られたが、弁護士によればそのような兆候は見られなかったといい、内部告発をしたことで報復を受けたのではないかという見方も根強かった。

そのことで会社側から報復を受け、最終的に退社に追い込まれたという。そんな中での死でした。↓

ボーイングの内部告発者が遺体で発見――告発したことで報復を受けた訴訟の真っ最中だった

2024年3月13日

ボーイング告発者サム・サレフプール氏

ボーイングを告発していたのは、バーネット氏だけではありません。

ボーイングの787ドリームライナーに携わっていたエンジニアのサム・サレフプール氏も内部告発を行ないました。

サレフプール氏は、ボーイングの機体のいくつかの部分が、極めて危険な方法で接続されていると主張しました。それにより、時間の経過とともに飛行機が空中分解する可能性があると警告している。

サレフプール氏はボーイング社に10年以上勤務していたといい、同社は以前、それより安全なプロセスを採用していたが、途中で変更されたと主張しました。

以後、機体のパーツが異なる施設で製造され、それが問題になっていると指摘しています。

ボーイング社は、これらの変更が実施されたことを認めていますが、「機体の耐久性や安全な寿命に影響はない」と述べています。

報道によれば、サレフプール氏はボーイングから報復を受けたため、FAAから調査を受けているという。

サレフプール氏はあらゆる手段を尽くしてボーイング関係者に懸念を伝えようとしたものの、同社幹部は聞く耳を持たなかったばかりか、口封じをされ、移動させられたという。

https://www.nytimes.com/2024/04/09/us/politics/boeing-787-dreamliner-whistle-blower.html

ボーイング告発者エド・ピアソン氏

まだいます。

ボーイングの元マネージャーのエド・ピアソン氏が、1月のアラスカ航空のフライト中に737マックス9のドアプラグが外れた事故の原因について、「重要な情報を調査官に隠している」と告発しました。

「これは犯罪的隠蔽工作だ」

ボーイング社の首脳部は前月に、欠陥のあるドアプラグに関する作業の詳細を記した文書が見つからなかったと議会に語っており、おそらく作成されなかった可能性が高いと示唆していました。

しかしピアソン氏は、「それらの文書は存在する」と述べました。ピアソン氏はその文書を「個人的にFBIに渡したことがあるからわかる」と主張しました。

ピアソン氏は以前からボーイングに懸念を示しており、2019年12月、合わせて346人が死亡した2件の737マックスの墜落事故を受けて、同氏はボーイングの「急ぎすぎた」生産業務について議会で証言していました。

しかし、これらの悲劇が起こった後でも、ボーイング社は「何も変わらなかった」とピアソン氏は言う。

https://www.reuters.com/business/aerospace-defense/boeings-safety-culture-spotlight-us-senate-hearings-2024-04-17/

相次ぐボーイング機の事故

内部告発者たちが懸念した通り、ボーイング機にはたびたび事故が起こっています。

  • 2018年10月
    インドネシアのタンゲランにあるスカルノ・ハッタ国際空港を離陸して13分後、ボーイング737マックス型機のライオン・エア610便が墜落。乗員乗客189人全員が死亡した。
  • 2018年11月
    米連邦航空局(FAA)とボーイング社は、ライオン・エアの墜落事故を受けて、737マックス全機のソフトウェアと設計変更を調査中であると発表した。
  • 2019年3月
    エチオピアのアディスアベバにあるボレ国際空港を離陸したエチオピア航空302便(ボーイング737マックス8)は、離陸1分後に管制塔に「飛行制御」の問題を報告。飛行機は離陸から6分後に墜落し、乗客乗員157人全員が死亡した。
    中国がボーイング737マックス全機の飛行停止を決定。FAAもこれに追随。
  • 2020年1月
    ボーイング、737の全生産を停止。
  • 2020年9月
    下院委員会による1年半に及ぶ調査は、ボーイング社がマックス航空機の設計と開発に失敗し、FAAに対して十分な透明性を持たなかったと結論づけた。
  • 2020年11月
    米連邦航空局(FAA)はボーイング737マックスの再飛行を許可。
  • 2021年3月
    中国の航空規制当局は、ボーイング・マックス機には大きな安全上の懸念があると主張している。
  • 2022年10月
    米連邦航空局(FAA)はボーイング社に対し、737マックス7の認証審査に提出した書類の一部に不備があると指摘。
  • 2023年8月
    ボーイング社は、737マックス型機に不適切な穴あけ加工が施されたサプライヤーの品質問題を報告した。
  • 2023年12月
    ボーイング社は、すべての737マックス機のラダー・コントロール・システムに緩みがある可能性があるため、点検するよう航空会社に呼びかけている。
  • 2024年1月
    アラスカ航空1282便が飛行中にドアプラグの吹き抜けに見舞われた。FAAはその後、調査のためマックス9の全機を着陸させた。
  • 2024年2月
    NTSBは、アラスカ航空ボーイング機のフライトには4つの重要なボルトが欠けており、それがドアプラグが吹き飛んだ原因であるとの予備報告書を発表した。
  • 2024年3月
    サンフランシスコから離陸したボーイング777-200型機が車輪を失い、ヒューストンに着陸したボーイング737型機が滑走路から滑落。
    ボーイング787ドリームライナーがシドニー発オークランド行きのフライト中にノーズダイブし、少なくとも50人が負傷。
    ロサンゼルス国際空港でボーイング777型機がパンクし、緊急着陸を余儀なくされた。
    その週の後半にサンフランシスコを離陸したボーイング737型機は、飛行後の点検でパネルの欠損が見つかった。
    サンフランシスコ発パリ行きのユナイテッド航空ボーイング777便が、エンジントラブルのためデンバーに迂回した。
    イスラエルのテルアビブからニューアークに向かっていたユナイテッド航空のボーイング787型機が、激しい乱気流のためニューヨーク・スチュワート国際空港に緊急着陸を余儀なくされた。乗客7人が病院に搬送され、15人が負傷のため現場で手当てを受けた。
    ホノルル発アラスカ・アンカレッジ行きのアラスカ航空ボーイング737Max9型機が、故障したバスルームのシンクが機内に浸水したため、引き返しを余儀なくされた。
  • 2024年4月
    米連邦航空局(FAA)は、3月23日にラ・ガーディア空港で発生したサウスウエスト航空737のニアミス事故に関する調査を発表。
    サウスウエスト航空のボーイング737が、左エンジンの小火災のためプレストン・スミス国際空港に緊急着陸。
    ボーイング社は、アラスカ航空に1億6,000万ドルを支払い、飛行中のドアプラグの破裂で航空会社が被った損失を補填する。
    ユナイテッド航空は、ボーイング737マックス9ジェット旅客機の緊急着陸により、今年最初の3ヶ月で2億ドルの損失が出たとしている。

ボーイングCEOは退任を発表

こうした一連のスキャンダルを受け、ボーイングのデーブ・カルフーン最高経営責任者(CEO)を含むボーイング社幹部3人が退任することになりました。

カルフーンCEOは2024年いっぱいで退任するという。

また同社取締役会会長のラリー・ケルナー氏は今年末の再選を目指さないといい、民間航空機社長兼CEOのスタン・ディールも即時退任するとのこと。

https://www.axios.com/2024/03/25/boeing-ceo-dave-calhoun-737-max

さらにボーイングは第1四半期は減収し、3億5500万ドルの損失を出したと発表しました。

またAPの記事では、ボーイング社は死亡した乗客の遺族と秘密裏に和解を成立させているが、エチオピアの墜落事故で死亡した乗客の親族は、和解案が提出されたテキサス州の連邦地裁で同社を起訴するよう司法省に圧力をかけ続けていると報じています。

https://apnews.com/article/boeing-financials-crisis-faa-oversight-b078e483942c03bc250085e9a0023ace

もう1人の内部告発者が死亡

そして先日、もう一人の内部告発者が謎の死を遂げました。

内部告発者の1人だったジョシュア・ディーン氏が、謎の急病に見舞われ4月30日に死亡したという。

45歳だったディーン氏はつい最近まで健康だったが、2週間ほど前に体調を崩し、その後容態は急速に悪化した。4月21日には「非常に重体」となり、インフルエンザB、MRSA、肺炎の陽性反応が出たという。MRSAとは深刻な細菌感染だそう。

呼吸困難に陥ったディーン氏は病院に運ばれ、ECMO(体外式膜型人工肺)を装着したという。重い鎮静剤を打たれ、透析を受けた。

CTスキャンの結果、脳卒中であることも判明したという。

医師は最後までディーン氏の両手両足の切断を検討していた。「彼が経験したことは残酷だった。胸が張り裂けそうだった」

いったい何が起こったのか。

ボーイング告発者ジョシュア・ディーン氏

ジョシュア・ディーン氏はボーイング社のサプライヤー(部品供給会社)であるスピリット・エアロシステムズ社の元品質監査員だった。

2022年10月、ディーン氏はボーイング737MAXの製造上の欠陥を発見したという。737MAXの後部圧力隔壁に整備士が不適切に穴を開けていたという深刻なものでした。

彼はこの問題をスピリット社の経営陣に指摘したところ、何も対処されなかった。それどころか解雇されたという。

ディーン氏はFAAに安全上の苦情を申し立てた。彼はスピリット社が自分をスケープゴートにしていると主張し、後部圧力隔壁の欠陥について「FAAに嘘をついた」と告発した。

「私が解雇された後、スピリット・エアロシステムズは(当初)、後部圧力隔壁の欠陥についてFAAや一般大衆に何も知らせなかった」

11月にFAAはディーン氏に対して調査完了の書簡を送ったが、結果については隠されたという。「これらのプログラムのプライバシー規定により、具体的な詳細は公表できない」

同月、ディーン氏は「不当解雇」と「スピリット・エアロシステムズの上級品質管理者の重大な違法行為」を主張し、労働省に航空内部告発状を提出したとのこと。

12月、スピリット社に対して株主訴訟起こされた。「スピリット社の経営陣が品質欠陥に関する情報を隠し、株主に損害を与えた」

同じボーイングの内部告発者2人が立て続けに死ぬというのは偶然でしょうか。これは山羊座と水瓶座のぶつかり合いです。

しかしボーイングは守られるのか。なぜならネオコン軍需企業だからです。

最後に、こんな記事書いた後でなんですが、どうぞ安全な空の旅を。

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2023年4月1日
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