共和党でも民主党でもない”第三政党”から大統領選挙の出馬を噂される人物とは?

U.S. Senate, Public domain, via Wikimedia Commons

民主党ジョー・マンチン上院議員が引退を表明

いま、ある第三政党から大統領選挙に出馬する可能性を取り沙汰されている人物がいます。

その名前はジョー・マンチン氏。

ウェストバージニア州選出の上院議員であるマンチン議員は、11月9日、連邦上院議員から引退し再選を目指さないことを表明しました。このタイミングでの引退は、何を物語るのか。

マンチン氏は民主党に所属しており、もしマンチン氏が引退すれば、代わってウェストバージニア州からはジム・ジャスティス現州知事(共和党)が上院議員になる可能性が高い。

ジャスティス知事は今年4月に上院議員を目指すことを表明していますが、ウェストバージニア州の有権者を対象にした世論調査で、ぶっちぎりでマンチン議員よりも支持率が高くなっています。

これを見ると、マンチン氏はジャスティス知事に勝つ見込みがないため引退を表明したというのは考えられるでしょう。

だとしても、それだけなのか?

民主党は次の上院選挙でピンチ

現在、連邦上院議会は51対49で「民主党48+無所属3」つまり民主党が多数議席を確保しています。

もし次の選挙で共和党のジャスティス知事が上院議員になると、その時点でイーブンになる。(ただしその場合は上院議長である副大統領の票が加算されますが)

これを踏まえてCNNのアナリストは、2024年の選挙は民主党にとって非常に厳しいものになると言ってます。

というのも、2024年の選挙で改選される上院議席は、民主党は23議席あり、共和党は11議席しかありません。

さらに、今期で引退する上院議員は民主党が5議席、共和党が2議席ですから、マンチン議員が引退を表明したことでさらに厳しくなった。

アナリストによれば、次の選挙はペンシルバニア、オハイオ、ミシガン、ウィスコンシン、モンタナ、アリゾナは民主党の基盤が弱いという。

つまり民主党は上院を失う可能性がある。一方の共和党は下院を失う可能性があると言われてますが。

マンチン議員「全米を旅する」

声明の中でマンチン氏は、再選を目指さず、分裂している国内の政治的勢力をひとつにするために「全米を旅する」と語りました。

「ワシントンのあらゆるインセンティブは、政治を極端なものにするためにある。民主・共和両党の間に広がる溝が議会を麻痺させ、わが国の問題を悪化させている。大多数のアメリカ人は、ただただ疲れ果てている。」

「私の人生で最も厳しい決断のひとつを下し、合衆国上院議員再選には出馬しないことを決定しました。しかし私がすることは、中間層を動員し、アメリカ人をひとつにまとめる運動を起こすことに関心があるかどうかを確かめるために、全米を旅して発言することです。」

この旅は大統領選挙を目指す事をアピールし、自分の存在を見極めるためではないのか?

この声明を出した翌日、マンチン議員はジョージア州で開催されたイベントに出席しました。このときの発言がさらに憶測を呼ぶことになりました。

「どうすればこの国を救えるのか?私であれ、他の誰であれ、どうすればこの国を救えるのか?極左や極右に振り回されないこと。憎悪を浸透させないことだ。」

「ワシントンでは変わらない。変化を望むのであれば、ここジョージアで、アテネで、そしてアメリカのあらゆる場所で変わることになる。」

超党派の中道派組織「ノー・ラベルズ」

もともとマンチン議員は中道派と言われ、民主党の左派政策に「ノー」を突きつけることもありました。

2022年5月には、中絶の権利を明文化する民主党の法案に、民主党上院議員として唯一反対票を投じています。ドナルド・トランプ氏はSNSで「ジョー・マンチンはとっくの昔に共和党に引き入れられるべきだった」と述べています。

2010年12月に、マンチン議員は中道派の超党派組織「No Labels(ノー・ラベルズ)」の立ち上げに参加しました。

ノー・ラベルズは党派を超えて「国家を前進させるためにあらゆる立場を結集させることにコミットする」目的で設立されています。マンチン議員はノー・ラベルズの名誉共同議長を務めました。

今回の引退表明に対し、ノー・ラベルズは声明を発表し、マンチン議員を「アメリカの良識ある多数派のためのたゆまぬ代弁者であり、ノー・ラベルズ運動の長年の盟友である」と称賛しました。

一方マンチン議員は、ノー・ラベルズによる大統領選挙の候補擁立計画を積極的に擁護してきたという。

これによりマンチン議員は、2024年大統領選挙にノー・ラベルズから出馬すると噂されているのです。

候補擁立は2024年3月あたりか

ノー・ラベルズは、2024年初頭までに統一候補を推薦するかどうか、そして誰がその候補になるかを決定する予定だという。

「ノー・ラベルズの大統領候補について、我々は全米の組合員から意見を集め、彼らがホワイトハウスでどのようなリーダーを見たいかを見極めようとしている。当初から申し上げているように、私たちは2024年初頭までに、統一候補を推薦するかどうか、そして誰がその候補になるかを決定します。」

これについてラリー・ホーガン前メリーランド州知事によると、ノー・ラベルズは2024年の選挙について、来年3月5日のスーパーチューズデー前後に結論を出すだろうと述べました。

「だから、この結果がどうなるかを見守る必要がある。とても、とても早い。物事は変化する。1月から2月にかけての初期段階に入り、3月のスーパーチューズデーまでに、私たちは自分の位置を正確に把握することになるでしょう。そして、もし国民の70数パーセントがAやBの選択肢を望まないのであれば、Cの選択肢を提供する非常に重大な可能性と機会がある」

新たな派生

このような新たな組織の派生は水瓶座時代を表すものであり、今後さまざまな場面で見られることになるでしょう。

山羊座時代が終わりに近づくにつれ、それまでの組織から抜け、新たな動きを始める人や組織が目立ち始めています。それは明らかに水瓶座時代へと向かっていることを意味します。

また世の中もそれを支持し始めている。

10月はじめに発表されたギャラップの世論調査によると、米国成人の63%が共和党と民主党の「仕事は不十分である」ことに同意し、第三党の候補出現を歓迎しています。


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2023年4月1日
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