神戸製鋼所(神鋼)の性能データの改ざん問題が深刻になりつつある。
同社は製造したアルミニウムや銅などの性能データを、これまで長年にわたり改ざんしてきたという。しかも悪質なことに、当初改ざんは「約10年前から」と説明してきたのが、ここにきて数十年前から組織ぐるみで不正し続けてきたのが明らかになった。
こうした問題は、つい先日も日産自動車の無資格検査事件があったが、その他にも東洋ゴム工業の免震ゴム偽装や三菱自動車の燃費試験のデータ偽装問題など、これまで立て続けに起こっている。今回の件も含め、日本の製造業が連続でこうした不祥事を起こす流れになってきているのはどうしたものだろうか。
日本のモノづくりのピンチ=日本のピンチ
このような傾向は、今は個々の企業の問題だとしても、いずれ日本全体を陥れるものになるかもしれない。それは誇大妄想でもネガティブ思考でも何でもないと思うのには――根拠はある。
日本は敗戦後、「モノづくり」の頑張りによってここまで発展してきたと言っても過言ではない。その中でも自動車産業などは、こんにち世界でトップを争える産業にまでになった。
自動車を始めとした日本製品が、なぜ世界で売れているのか?と考えた時に、「壊れない」「信頼性がある」などの実にシンプルな評価がある。それはこれまで、日本のメーカーが真摯に「モノづくり」に取り組んできたからに他ならない。しかし今回の神鋼のデータ改ざんは、そうした真摯さをまるで無視しているかのようで、いずれ日本のモノづくりへの信頼の根幹を揺るがしかねない。
生産現場の持つジレンマ
工業の生産現場では、素材の鉄鋼材料の質の善し悪しが問題になることがある。プレスや曲げなど、鋼材を加工する過程において、材料の質が安定していないと、出来上がった部品にバラツキが出る。これは金属特有の強度や伸びといった特性と関係があり、金属に含まれる含有物やその比率などが起こす誤差と言っていい。
そうしたバラツキは、最終の製品組み立て段階において、ピタリと設計図通り合わないなどの不具合を生じる。結局こうした不良部品は破棄せざるを得ず、ムダやロスとなる。
このような不良率の歩留まりを低く収めるのが「ムダを出さない」という生産現場での究極の取り組みになる。なぜなら、ムダを出すのはメーカーにとって二重三重にマイナスだからだ。作り直す作業・あらためて材料を使う・人件費・エネルギー費・そして時間(納期遅れ)などが単純に加算されてくる。だから製造の現場では日々、こうした精度・加工時間・コストと戦っているのである。
そのため、メーカーは少しでも品質の安定した国産の鋼材を使いたい。それは同時にコストの圧迫を意味するが、「国産は品質が良い」という盲信がある。確かに神戸製鋼所と言えば、新日鉄住金・JFEスチールと並ぶ日本の三大鉄鋼メーカーであり、その時点で、ある意味暗黙の「お墨付き」があるようなものなのかもしれない。
そうした信頼性を逆手に取ってか、神鋼は自社の品質保証部などをも巻き込んで、組織ぐるみで改ざんしていた疑いがもたれている。これは組織の腐敗を意味するのではないだろうか。
神戸製鋼所のホロスコープにヒントが
いろいろと書いたが、神鋼のホロスコープを取り上げなければならない。
神戸製鋼所は前身である鈴木商店から始まっている。しかしその鈴木商店はすでに倒産してもう存在しない。ゆえに鈴木商店から独立したタイミングを設立日と考える。
太陽は蟹座5度で蠍座の木星と120度の関係だ。これはこの組織が今まで順調に伸びてきたことを証明するかのようだ。ただ、鉄や金属というのは火星だ。この火星は牡羊座で、蟹座の海王星と90度のアスペクトになっている。おそらく悪く働いているエネルギーはこの部分だろう。
蟹座は明らかに組織の論理であり、それがメイン商品である鉄鋼(火星)を捻じ曲げている配置なのだ。蟹座の海王星は組織を膨張する、そのために火星が捻じ曲げられる、つまりデータなどは組織の理論でどうにでもしてしまえ、とストレートに読めるのである。
神鋼は長年に渡ってこれをやってきた。ホロスコープを見る限り紛れもなく組織の持つエネルギーである。またこの火星は牡羊座18度の可能性が高い(午前中登記なら17度だが)。牡羊座18度は「魔法の絨毯」の度数で、この度数はネガティブに働けば「嘘つき」の可能性を秘める。それが海王星と90度なのである、推して知るべしだろう。
そして一般社員を示す月がそばにある。
現在、トランジットの冥王星は山羊座の16度位にあって、この火星を含むTスクエアを形成している。これはこの問題がスクラップ&ビルドされる事を暗示しており、まずはそのためにこの問題を社会に露呈させた。今後神鋼はこの問題を根本解決しなければならない、と太陽系が警告を発しているのである。
そのため、神鋼経営陣はこの問題にポジティブに向き合うべきだろう。
組織や集団は腐敗するのが定番
どんな組織でも腐敗をする危険がある。それは集団心理が働くためだ。その証明としてイジメは複数人で行う。集団心理の膨張がそうした事態を引き起こすのだ。
つい最近TVで「名古屋闇サイト殺人事件」の特集番組が放送されたが、あれも集団心理の膨張が招いた不幸な結果だと思う。裁判では犯人の三名は個人に戻ってしまったため、お互いに罪をなすりつけ合って自分の保守に走った。集団という魔法の殻が解けてしまったのだ。
最初はちょっとした仲間づくりのつもりでも、集団心理というのはやがて膨張するものだ。
ある集まりがあったとする。最初は個人個人で集まったとしても、メールやLINEを交換して仲間になったことで、最低単位二人から「集団」というものが生まれる。そこにおいて情報交換と称してのやり取りがなされ、それはやがて膨張していき、ルールや秩序が乱されていっても、本人たちは気にならない。なぜなら集団という殻に守られていると思い込んでしまうからだ。「あの人がいるから自分も大丈夫だろう」と、甘い認識が生まれるのだ――だがその時点で、すでに腐敗していると言っていい。
そうした例は、学校や会社はもとより、ちょっとしたママ友の集まりや、カルチャー教室の生徒内の派閥など、身近なケースでもゴマンと存在する。しかもそうした例が、ポジティブな結果を生むのは極めて稀だと思う。
たいてい集団は腐敗するものだ。
それは宗教戦争なども同じことではないのだろうか。
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