毒を盛られた?反プーチン体制の活動家アレクセイ・ナワリヌイ弁護士、ドイツでの治療が拒否

反プーチン活動家が意識不明で搬送

ロシア政府やウラジーミル・プーチン大統領を批判してきた、弁護士で活動家のアレクセイ・ナワリヌイ氏が先日、飛行機の機内で意識不明になり、病院に搬送されたことが報じられた。

ナワリヌイ氏は8月20日、シベリアのトムスクにあるボガシェボ空港からモスクワに向かう飛行機に搭乗した。

離陸後に突然体調がおかしくなり、トイレに向かったきり出てこなかったという。同行していた側近のスタッフがトイレから助け出した、と複数のメディアが報じている。

機内で呻き声

ナワリヌイ氏の状態が深刻だったため、飛行機はオムスクの空港に緊急着陸し、救急車で病院に搬送された。

【動画】機内で呻き声を上げ救急隊員が駆けつける

【動画】救急車で搬送されるナワリヌイ氏

同行していたスタッフの一人キラ・ヤルミシュ(Kira Yarmysh)氏が「(ナワリヌイ氏は)毒を盛られたらしい」とツイッターに投稿し、一気に世界中にニュースが広がった。

紅茶に何かを混ぜられた?

ヤルミシュ氏によると、1年前にも同じようなことがあったという。

また紅茶に何かを混ぜられたのではないか、とツイートしている。ナワリヌイ氏は前の晩にアルコールを飲んだためこの日は朝から何も食べておらず、出発前に空港のカフェで紅茶を注文して飲んでいたとのこと。

その後ヤルミシュ氏は、医師が”毒物がなにか熱い飲み物に混入したため急速に吸収されたのだろう”と言っていた、とツイートした。

オムスクの病院のスタッフは、毒が含まれていたことを認めているという。ナワリヌイ氏はICUに入り集中治療を受けた。妻のユリア氏も病院に向かったが、病院側から病室に入ることを拒否されたため面会できていないようだ。

ドイツでの治療が拒否

この件でドイツのメルケル首相やフランスのマクロン大統領がコメントを発表した。メルケル首相は必要な全ての援助を表明、マクロン大統領も医療や亡命など、すべての支援を提供すると述べていた。

これによりナワリヌイ氏は、設備の整ったベルリンの病院に治療に向かうことに。それに先立って、ドイツの医療チームがロシアのオムスクに向かい、ベルリンに搬送し治療する準備が進められていたという。

これに伴いヤルミシュ氏も、搬送のため渡航する手続きを妨害しないよう、動画で訴えていた。

しかし搬送用の飛行機がロシアの空域に入った際、ナワリヌイ氏はまだ搬送できる状態ではないとして、担当医師から拒否されたとのこと。

ヤルミシュ氏によれば、渡航に関する全ての書類が提出済みだったという。

アレクセイ・ナワリヌイ氏

ナワリヌイ氏は、20代の頃から民主主義政党ヤブロコのメンバーになったが、その後除名になり個人で活動していた。

2011年のロシア下院議員選挙で不正があったとして政府に批判の声が上がった際、デモに参加し逮捕されている。

2018年3月のロシア大統領選挙では出馬しようとしたが、立候補は無効とされた。

アレクセイ・ナワリヌイ氏

最後に

これで思い起こすのは香港の周庭氏の逮捕劇なんだが、同じ社会活動家ということで。

いずれの国もトップの生まれには共通点があり、それは過去このブログで書いてきた。いつも読んで頂いてる方はわかるかもしれない。

そういえばどこかの首都のトップは大丈夫かな?

【追記】ナワリヌイ氏、無事ベルリンに搬送

ナワリヌイ氏が無事にドイツのベルリンにあるシャリテ病院に搬送され、現在治療を受けているとのこと。

ドイツへの搬送がストップされたことに対して、ロシア政府の報道官は政治的な関与を否定、純粋な医学的判断だとした。ただ、今回ロシアに対して国際的な批判が集まっていることで、実現したのではないかと言われている。

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