『アフガニスタン』タリバンが勝利宣言、首都カブール制圧、ガニ大統領は国外退去――米メディア「明らかな失敗」

タリバンが勝利宣言

イスラム原理主義タリバンがアフガニスタンの首都カブールを制圧し、勝利宣言をしました。

同国のガニ大統領は「流血を避けるため」として国外に退去し、タリバンの勝利を認めたと伝えられています。上記事によれば現在はウズベキスタンの首都タシケントにいるとされています。

退避する人たちがパニック

またカブールでは退避しようとする人々で、空港や道路など各地でパニックが起きていると伝えられています。

米軍撤退期限の延長に反発か

タリバンはアフガニスタンに駐留していた米軍が撤退を始めてから、勢いを増していったようです。

米軍撤退は2020年2月29日にトランプ政権とタリバンが和平合意を結んだことにより進められていました。合意では、2021年5月1日までに完全撤退することが決められました。

またこのときの条件では米軍やNATO軍が撤退する代わりに、アフガニスタンをテロの拠点にしないこと、捕虜の解放などが盛り込まれました。

しかしバイデン政権になって今年4月に、米軍の撤退を9月11日まで延期すると発表しています。ちなみに9.11同時多発テロからちょうど20年となるタイミングです。

バイデン政権に移ってから5月→9月に延期になったことで、タリバン側は反発を強めていたと言われています。

ただ、アメリカのトランプ前政権は去年2月、反政府武装勢力タリバンと5月1日までの軍の完全撤退を含む和平合意を結んでいたため、当初の撤退期限が9月に延期されたことにタリバン側は反発を強めていました。

アメリカ軍が撤退を始める中、タリバンの複数の幹部が4月30日、NHKの取材に応じ「アメリカ軍が完全撤退に向けて行動をとったことは理解できるが、和平合意に違反した撤退だ」と述べ、アメリカ側を改めて非難しました。

【出典元】アフガニスタンの米軍撤退 「和平合意に違反」タリバンが非難 /NHK(2021年5月1日)

合意の経緯

そもそもアフガニスタンと米国との争いは2001年の9.11同時多発テロに端を発しています。当時のブッシュ政権が、アルカイダを庇護していたタリバンにオサマ・ビン・ラディンの引き渡しを要求しましたが、タリバン側は拒否しました。

ここから現在に至るまで約20年間紛争が続きます。

オバマ政権時には一時10万人ともいわれる米軍が派遣されましたが、2011年にオサマ・ビン・ラディンが殺害されてからは徐々に削減されていきました。

トランプ政権に移り一時対立が強まったものの、上に書いたように2020年2月に米国とタリバンの間で和平合意が成立しています。

2021年1月にバイデン政権が成立すると、トランプ政権時の合意を見直し、米軍撤退の期限を9月まで延長しました。その理由として、タリバン側が和平合意の条件を守っていないとの判断だったようです。

不意を突かれたアメリカ

現在の状況に関して政治メディア「POLITICO」は、バイデン政権の「明らかな失敗」と報じています。

8月15日にブリンケン国務長官、オースティン国防長官、ミリー統合参謀本部議長などが議員達の説明に当たったものの、政権の準備不足を指摘され、アフガニスタンに急遽6,000人を追加派遣することを発表しました。

またホワイトハウス公式アカウントは、15日の朝バイデン大統領がハリス副大統領や国家安全保障チームとビデオ会議をし、カブールの状況について説明を受けていたことを伝え、写真を公開しています。

これによって米国が完全に不意を突かれたことが露呈しました。

トランプ氏の長男トランプ・ジュニア氏はこの投稿に対し、「(笑)パロディーか?」「なんて冗談だ」とリツイートしています。

バイデン大統領は休暇中?

このような中バイデン大統領はキャンプ・デービッドで休暇中のまま、と報じられています。もともとの予定では、現地8月18日までキャンプ・デービッドに滞在する予定だったようです。

またホワイトハウスのジェン・サキ報道官も職務を休んでおり、FOXが伝えたところによると、メールを送っても「8月15日から22日まで不在」と自動応答のメールが返ってきただけだったようです。

報道官も含めバイデン政権はアフガニスタン問題について沈黙しているといわれています。

トランプ氏「バイデンは辞任すべき」

トランプ前大統領はバイデン大統領に対し「辞任すべきだ」と声明を出しました。

またトランプ氏は、

ISISを排除した後、私は信頼できる抑止力を確立させました。その抑止力はもはやありません。

すでにタリバンはアメリカやアメリカのパワーに対する恐れや敬意を持ってはいません。カブールのアメリカ大使館にタリバンが旗を掲げるとは、なんと不名誉なことか。

これは弱さ、無能、そして完全な戦略の迷走によるものです。

元はと言えば、米軍撤退はトランプ政権が決めたことでは?という意見もありますが、いろいろ見ていると合意条件を守らなかったのはタリバン側のような気がしますが、どうなんでしょうね。

それをトランプ氏はバイデン政権が「ナメられた」と主張しているようです。

中国と関係が不気味

このままタリバン政権が続くのなら、西側による民主主義の押しつけは失敗ということですかね。

7月末に、中国の王毅外相とタリバンの幹部が天津で会談したことが報じられています。

タリバンがアフガン政府に攻勢をかけて支配地域を拡大するなか、米軍撤収後のアフガンでの影響力拡大を図りたい中国側と、中国からの支援を引き出したいタリバン側の思惑が一致した形だ。

【出典元】中国とタリバンが接近 米軍撤収後のアフガンに向け思惑一致か /毎日新聞(2021年7月29日)

バイデン氏の動きがないだけに、まさか○国へのプレゼントではないでしょうね。勘ぐる人も出てきそうです。

鳩山邦夫氏が生きていたらコメント聞きたかったですねー「友人の友人がアルカイダ」だけに。

いずれにしても米の反撃があるかとか、いろいろ今後注目です。

ではこの辺で失礼します。