大谷選手の契約は妥当と思えるわけ
さて大谷翔平選手がロサンゼルス・エンゼルスと1年3000万ドル(約43億円)で契約しました。
大リーグ 大谷翔平 エンジェルスと約43億円で来シーズンの契約 #nhk_news https://t.co/ebqpWvrtl5
— NHKニュース (@nhk_news) October 1, 2022
大谷選手は来シーズン終了後にFAになるし、エンゼルスは球団の身売りを検討しているので、これが妥当でしょうねという感じです。
FA権取得前にエンゼルスが長期契約して囲ってしまう手もあるといえばありますが、身売りを考えている以上それは難しかったでしょう。もし身売りが成立した場合、次のオーナーがどう考えるかわからないからです。だったらなるべく選択肢を広げておいた方がいい。
もしすぐに売却先が見つかって、次のオーナーが大谷選手を囲ってしまいたい場合は、来シーズン終了前に長期契約のオファーをすればいいだけです。そしてそれを受けるか受けないかは大谷選手次第です。大谷選手抜きで考えてる場合は、そのままFAを取得して市場に出るだけです。
要はリスクを極力抑えようとしているという点で、この判断は妥当だと思います。
石原良純「騙されてるんじゃない?」
この契約について、石原良純氏のように「騙されてるんじゃない?」と思う人はいるみたいです。つまり、周りのスーパースターはもっと高額契約しているのに、なぜあれだけ活躍している大谷選手が3000万ドル程度なの?安すぎない?という疑問でしょう。
#石原良純 #大谷翔平 の1年43億5000万円年俸に「騙されてるんじゃない?」|東スポWEB https://t.co/dbAYU7xRST
— 東スポ (@tospo_prores) October 3, 2022
石原氏は長期の大型契約を想像していたようですが、たぶんMLBのルールを知らないのでしょう。(下で述べます)
また上に書いたようにエンゼルスは球団の売却を考えているので、長期契約は難しかったというのがあります。なのでとりあえず1年になったというだけでは。
1年あたり3000万ドルという金額は、FA前の選手としては現時点の史上最高額です。これまでの最高は2020年1月にムーキー・ベッツ選手がレッドソックスと契約した2700万ドルでした。
FA前とFA後の違い
選手はFA前とFA権取得後では条件がまったく異なります。というのも新人~メジャー在籍6年目までは球団に保有権があり、サラリーを抑えられるのは仕方がない。それでも大谷選手はその中で史上最高額なのです。
そして6年経過してFA権を取得してしまえば、どのチームにも移ることができるようになり、年俸にも制限がありません。つまりマネーゲームが可能になります。稼ぎたい選手は、一番いい契約を提示してくれたチームと契約すればいいのです。○年○○○億という長期大型契約は、大抵の場合これです。
ただ6年といっても、1~3年目と4~6年目ではちょっと違います。1~3年目は年俸にケチを付けることはできず、球団の提示した金額に従うことになります。
4~6年目になると「年俸調停」の権利が付与されます。つまり球団から提示された金額に納得できなかった場合、調停に持ち込むことができるというものです。大谷選手は現在この位置です。
年俸調停に持ち込んだ場合、シーズンオフに公聴会が開かれ、仲裁人の前で選手と代理人は球団側と交渉しなければなりません。たぶんですがこれが面倒くさくて、避ける場合が多いと思います。
もしゴネて調停に持ちこんだとしたら多少の増額はあったかもしれないが、せっかくのオフの時間を面倒くさい手続きに時間と手間を割かなければならず、また場合によっては球団との関係も微妙になるかもしれないので、避けたのは賢明だったかもしれません。
エンゼルスの買い手候補は?
大谷選手の場合、まずエンゼルスの買い手が見つかるかどうかが先なのでは。それによってチームの方針が変わると思います。
これまでエンゼルスの買い手候補として名前が挙がっているのは、
- NBAゴールデンステート・ウォリアーズの共同オーナーのジョー・ラコブ氏とピーター・グーバー氏
- 元オークランド・アスレチックスなどで活躍したデーブ・スチュワート氏が率いる投資家グループ
- マイクロソフトの元CEOでNBAロサンゼルス・クリッパーズのオーナーのスティーブ・バルマー氏
- ロサンゼルス・タイムズのオーナーで外科医のパトリック・スン・シオン氏。シオン氏はNBAロサンゼルス・レイカーズのオーナーグループの一人でもある
などです。
それと少し気になるのは、すでにワシントン・ナショナルズが売却先を探しており、またボルチモア・オリオールズのオーナー一家も売却の可能性のある訴訟中ということ。
球団の売却にはMLB機構の承認が必要になり、それなりに手続きを要します。簡単に右から左へと手渡すようにはいかないわけです。
次の契約はドデカくなるのは間違いない
いずれにしても大谷選手はFAまで待てば、大ケガでもしない限りどこかしらの球団と大型契約をするのは目に見えているので焦る必要なんか全然ないし、もちろん騙されてもいないはずです。
そもそも代理人もプロなのでそんなにバカじゃない。むしろ楽しみなのは次の契約がどれくらいの規模になるかということです。
今MVPを争っているアーロン・ジャッジ選手は今シーズンが終わればFAなので、間違いなくシーズンオフにどこかの球団とかなりの契約を結ぶことになります。ジャッジ選手が今年頑張ってるのは、そういうモチベーションがあるからです。
大谷選手の次の契約はおそらく1年あたり5000万ドルとかのとてつもない金額になると言われているし、そこまでお金を出せる球団っていうと必然的に限られてくると思います。
それを楽しみにして待てるのも、我々日本のファンの醍醐味です。
※当ブログでは主流メディアでなかなか報じられず、検索されない情報を取り上げています。ぜひブックマークなどをご利用ください。またあなたの大切な人や、教えたい人にお知らせ・共有してください。
詳しくは→こちら