米国企業の歴史の中で、最も突然で困難な崩壊の一つ
年末が近いからか、鑑定や相談依頼はリピーターが多くなってますね。これも私のホロスコープリーディングがそれなりに信頼を得ているのかなと励みになっています。大変ありがたい事です。
さて、今年の米国最大の破綻と言われる仮想通貨取引所FTXの破産申請に関して、米現地11月22日午前11時、ついにFTX破産裁判の第1回目の公聴会が、デラウェア州の破産裁判所で行われました。この審理を裁くのはジョン・ドーシー判事です。
FTX側の弁護士であるジェームズ・ブロムリー弁護士は、「残念ながらFTXの債務者は、特に経営がうまくいっていたわけではない、これは控えめな表現である」と述べ、内部事情の混乱や杜撰っぷりを示しました。
「あなたは、おそらくアメリカ企業の歴史の中で、最も突然で困難な崩壊の一つを目の当たりにしている。」
ブロムリー弁護士は、FTXの資産の相当量が「行方不明になっている」とし、それは「盗まれた可能性がある」と述べました。また「かなりの資金がアラメダ・リサーチに移されたようだ」としています。
今後長く続くであろう、前例のない裁判になることが予想されています。
“A substantial amount of assets” belonging to the collapsed cryptocurrency exchange company have “either been stolen or are missing,” said FTX’s lawyer at a bankruptcy hearing. The company’s 30-year-old co-founder, Sam Bankman-Fried, resigned. https://t.co/cTEP9Hk2qB
— The Washington Post (@washingtonpost) November 23, 2022
時代の寵児だったサム・バンクマン=フリード
FTXの共同創始者でCEOだったサム・バンクマン=フリード(以下SBF)は、時代の寵児としてメディアからもてはやされていました。
両親ともスタンフォード大学法学部の教授で、叔母もコロンビア大学メールマン公衆衛生大学院の現学長という、ユダヤ系の学者一家に生まれました。
ビーガンで、睡眠時間は4時間、身なりに頓着せず、トヨタカローラに乗り、スタッフと共同生活し、利他主義で、環境破壊を危惧し、慈善団体に寄付し、民主党の政治家に寄付をするという――さも聖人かのように持ち上げられ、政治の中心地であるワシントンDCを魅了しました。
巻き毛の乱れた髪、Tシャツにカジュアルパンツといういでたちは、ミレニアル世代の政治家やメディア関係者の目には、魅力的な人物に映っていたはずです。
かつて「パンデミックの王様」ともてはやされたニューヨーク州のアンドリュー・クオモ元知事と同じように、左派メディアが持ち上げる聖人は、なぜか裏がめくれて没落する運命を辿りがちです。SBFも同じ運命を辿ったと言わざるを得ません。
左派メディアが意図的に聖人を捏造し作り上げていたのでしょうか?――それはわかりません。
Never seen 'such a complete failure' of corporate controls, says new FTX CEO who also oversaw Enron bankruptcy https://t.co/EZMtR6zD9k
— CNBC (@CNBC) November 17, 2022
SBFの個人領域として運営されていた
しかし、その聖人だったはずのSBFが居場所に選んだタックスヘイブンであるバハマ島にある、タイガー・ウッズやジャスティン・ティンバーレイクなどが所有する高級リゾート地にある数千万ドルの豪華ペントハウスという矛盾は、後に起こる何かを物語っていたかもしれません。
新たにFTXの再生に選ばれた新経営陣は、本社を香港→バハマへ移転したのは「不正な移転」と見ているという。
またFTXは、顧客の資金を使って危険な取引をしていた事がわかっています。その中に、バハマの不動産を3億ドル近く購入しているようです。ブロムリー弁護士によれば、そのほとんどが幹部の自宅や別荘の購入だったという――これが聖人のやることなのか?
「ここにあるのは、世界的な国際組織でありながら、SBFの個人領域として運営されていた」と公聴会でブロムリー弁護士は述べました。「SBFは、私たちの誰も見たことがないレベルで事業をコントロールしていた」
「FTXは、経験不足で世慣れていない個人によって管理されており、そのうちの一部または全部が、危険な人物だった。」
そしてFTXの資産は、民主党にばら撒かれていたのです。
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FTX社員と顧客について
公聴会で、FTXグループの債務者は100人以上いることが明かされました。
中でもSBFは同業者らから、目に余る杜撰な管理と詐欺で告発されています。またCEOを引き継いだジョン・レイ氏も、FTXグループはガバナンスがユルユルだったと述べています。
グループ社員は2022年10月の時点で、本社が世界で330人、米国で127人、オーストラリアの事業とのFTX Digital Marketsの190人を含めると、全世界の従業員数は520人となっていたというが、破綻以後大量に辞めており、現在は260人前後だという。残っている社員には賃金が支払われています。
一方、FTXの顧客は世界中で100万人以上いるという。債権は合計で31億ドル相当だといわれています。
顧客の多くはケイマン諸島やバージン諸島などオフショアのタックスヘイブンに拠点を置いており、全体の3分の1を占めるという。次に多いのが中国とイギリスだそう。
・ケイマン諸島→22%。
・米国領ヴァージン諸島→11%。
・中国→8%。
公聴会でドーシー判事は、資産が凍結された顧客の氏名その他の個人情報を非開示にすることに同意しましたが、決定は先送りしています。
バハマと米国の間で緊張
ブロムリー弁護士は、ニューヨーク南部地区のサイバー犯罪部門もFTXの犯罪調査を開始した、と述べました。
そのほか、司法省、SEC(証券取引委員会)、CFTC(商品先物取引委員会)、州レベルおよび海外の他の規制当局と「常に連絡を取り合っている」と述べています。
気になるのは現在、バハマの裁判所が任命した清算人が暗号鍵を管理しており、米国側との間で緊張関係が生じていることです。
もしSBFがバハマ側と共謀していれば、彼は莫大な資産を得るかもしれないと危惧されています。おそらく袖の下などを使って懐柔することなど、容易い事でしょう。
次回の公聴会は、12月16日に行われる予定です。
皆既月食が暗示していた
- 11月2日 – 仮想通貨ニュースサイトCoinDeskが、サム・バンクマン=フリードの暗号取引会社アラメダ・リサーチがFTXのトークンFTTに大きく依存していることを示す貸借対照表のリークを報じる。
- 11月6日 – バイナンスのチャンポン・ジャオCEOが「最近の暴露」により、同社が保有するFTTを清算すると発表。
- 11月7日 – サム・バンクマン=フリード『FTXは問題ない。資産も問題ない』と発言。
- 11月8日 – FTTが72%崩壊、顧客が撤退要請で取引所を圧迫。バイナンスは拘束力のない取引で救済の可能性を提示。
- 11月9日 – バイナンスが救済計画から手を引き、FTX.comの買収の撤退を発表。
- 11月11日 – サム・バンクマン=フリードがCEO辞任、FTXは連邦破産法第11条の適用を申請
- 11月11日深夜 – FTXの口座に不正アクセス、数億ドルが失われたと推定
顧客から多数の払い戻し要請があった8日は皆既月食であり、その後破産申請しているという点で、この問題が大きく波及することが予想できました。
8日の満月は太陽・水星・月・天王星がほぼ一直線に並ぶという非常にレアな天体配置であり、そこに水瓶座の土星が絡んで5つの天体がなすTスクエアとなっていました。
なので以前お伝えしたように、NFLのトム・ブレイディ、その元妻ジゼル・ブンチェン、NBAステファン・カリー、シャキール・オニール、ウドニス・ハスレム、大坂なおみ、大谷翔平、デビッド・オルティスなどFTXを宣伝していた著名人が提訴されるという事態にも発展しています。
それと個人的には、この件は山羊座時代崩壊プロセスのトリガーの一つだと思っており、一つの価値観が崩れ去るきっかけになり得るかもしれません。
仮想通貨(暗号通貨)は、従来の金融よりも分散化されて透明性が高いとしばしば宣伝されますが、今年破綻したterraUSDや、今回のFTXの破綻により、その信頼性が揺らいでいます。
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