中国の気球、やっぱりスパイだったと判明

Chase Doak, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

中国のスパイ気球は情報収集することができた

NBCニュースは、中国のスパイ気球は米軍基地から情報を収集することができた、と報じました。

現役の米政府高官2人と元高官1人の話として、中国は気球を制御して、いくつかの軍事施設の上空を何度も通過させ、また8の字飛行し、収集した情報をリアルタイムで北京に送信することができた、と述べているという。

中国が収集した情報は、上空から撮影した画像ではなく、兵器システムから拾ったり、基地関係者からの通信を含む電子信号によるものがほとんどだったという。

またバイデン政権関係者によると、気球には自爆装置があり、中国が遠隔操作で作動させることができたが、故障により作動しなかったのか、あえて作動させなかったかは不明だと述べているとのこと。

これについて国防総省の報道官は、気球がリアルタイムで中国に何らかの情報を送信したことは確認できないと語っています。

保守派はバイデン政権を非難

一方で共和党議員らは、対応の遅れと、結果として国家安全保障に危うさをもたらしたとしてバイデン政権を非難しています。

テッド・クルーズ上院議員は、「国家安全保障の危機を広報の課題として扱う政権があると、こういうことになる」と述べました。

ジム・バンクス議員「どうやらホワイトハウスは、中国が米国の軍事施設をスパイすることに何の問題もないようだね。このバイデン政権は、CCPの侵略を招いている!」

ジョシュ・ホーリー上院議員「バイデン政権が議会に言ったことと違う。彼らは数週間前に、貴重な情報が収集されていないと確信していると議会に言ったのだ。無脳の極みだ」

アンドリュー・クライド下院議員「ジョー・バイデンは、中国共産党のスパイ気球を撃墜する前に、国内を移動させることを許可した。大統領はこれを“重大な違反ではない“と主張したにもかかわらず、中国はいくつかの機密の米軍サイトから情報を収集することができた。またしてもバイデン政権の失敗だ」

他にもダレル・イッサ議員、ベン・クライン議員、ジム・ジョーダン議員、リック・スコット上院議員、ダグ・ラマルファ議員、グレッグ・スティーブ議員、マイク・ウォルツ下院議員ほか、多数の議員が非難しています。

バイデン政権は隠蔽しようと画策した

中国は当初この気球が気候観測用のものだとし、中国政府とは無関係で、民間が打ち上げたとしていました。

気球はバス3台分の大きさで、約60,000フィートの上空を飛行していたという。

1月28日にアラスカのアリューシャン列島上空で初めて米国の領空に入り、そのあとカナダに入ったとされるが、31日にアイダホ州上空で再び米国に入り、核施設があるマルムストローム空軍基地上空などを飛行していました。

バイデン大統領は2月1日に撃墜を命じたと主張しましたが、軍関係者が破片の落下の可能性によるリスクが高すぎると述べました。

しかしブルームバーグが、バイデン政権はアントニー・ブリンケン国務長官の北京訪問計画を台無しにしたくないために、気球の存在を世間から隠蔽しようと企んでいたと報じました。

発覚したことにより、ブリンケン国務長官の訪中はいったん延期になったと言われています。

そんなすったもんだの末、2月4日にアメリカのF22戦闘機がサウスカロライナ沖で気球を撃墜しました。その後残骸物を回収しています。

バイデン「重大な違反ではない」

報告書によると中国は、気球を制御していくつかの軍事施設の上空を何度も通過し、時には8の字飛行を行い、情報をリアルタイムで中国に送信することができたという。

またバイデン政権が、気球からの信号を阻止してその信号を受信する能力を邪魔しなければ、中国ははるかに多くの情報を収集できたと主張しています。

一方、国家安全保障会議のカービー報道官は、気球がどのような電子信号や通信にアクセスできたかについての質問に答えることを拒否しました。

ジョー・バイデン大統領は、スパイ気球が米軍基地上空で情報収集したことは「重大な違反ではない」と主張しています。

まあバイデン氏は中国からたくさんお金もらってると言われてますからね。そういうのって売○奴って言うんじゃないんですかね。わからんけど。

バイデン「重大な(セキュリティ)侵害ではない」↓

気球が通った軍事施設

気球の軌道上には、以下の軍事施設があったとされています。

  • マルストロム空軍基地(モンタナ州)第341軍事飛行隊の本拠地
  • エルズワース空軍基地(サウスダコタ州)第28爆撃棟の本拠地
  • ジョー・フォスフィールドANG(サウスダコタ州)第114戦闘航空団の本拠地
  • スーシティANG(アイオワ州)国立庭球基地
  • オファット空軍基地(ネブラスカ州)米国戦略司令部
  • キャンプ・アシュランド(ネブラスカ州)
  • リンカーンANG(ネブラスカ州)
  • ホワイトマン空軍基地(ミズーリ州)B52爆撃機の本拠地
  • フォート・レオナード・ウッド(ミズーリ州)陸軍訓練施設
  • セントルイス陸軍人事部(ミズーリ州)
  • スコット空軍基地(イリノイ州):Air Mobility Commandの本拠地
  • フォートキャンベル(テネシー州)スクリーミングイーグルの本拠地、第101空挺部隊
  • ナッシュビルANG(テネシー州)
  • スミュルナANG(テネシー州)
  • ヒューストン兵舎(テネシー州)
  • マギー・タイソンANG(テネシー州)
  • ポープ空軍基地(ノースカロライナ州)航空機動司令部
  • フォートブラッグ(ノースカロライナ州)世界最大級の軍事施設
  • ニューリバー海兵隊飛行場(ノースカロライナ州)
  • キャンプ・レジューン(ノースカロライナ州)軍事訓練施設
  • 米国沿岸警備隊フォート・メイコン基地

中国は着々と何かを進めている

バイデン政権になって米国が弱さを露呈しつつある間に、中国が着々と何かを進めている気がします。

中国とブラジルはドルを介さず自国通貨で取引することになったという。またフランスのエネルギー大手はLNG輸入において人民元建ての取引決済をしたと報じられました。

一方インドは貿易に米ドルではなくルピーを使用することになり、世界における米ドル神話の影響力が削られていってます。

サウジアラビアは中国、ロシア、インド、パキスタン、中央アジア4カ国と貿易同盟を結び、米ドル依存からの脱却を図っています。

ケニア、サウジアラビア、UAEは、米ドルではなくケニア・シリングで石油を購入する契約に調印し、ケニア大統領は国民に米ドルの処分を指示したとか。

日本も何かを考えなければならない時代が来ているかもしれません。アメリカが強さを取り戻すには、2024年の大統領選挙がカギでしょう。


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2023年4月1日
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