奇妙な物語:10代に性的写真を提供させたイギリスBBCの大物司会者とは一体誰か?

BBCの大物司会者スキャンダル

バイデン家の汚職に関する中国企業側の告発者ガル・ルフト氏が米司法省から8つの罪で起訴されました。司法省はルフト氏を本気で潰そうとしてるみたいです。ルフト氏は先ごろ潜伏先から動画を出しましたが、今後どうなるか。

さてイギリスの国営放送BBCの大物男性司会者にスキャンダルが出ています。BBCはこの司会者の番組を放送停止にしたという。

このスキャンダルは、日に日に騒動が大きくなっている印象がある。なぜなら「誰もが知っている」というこの大物司会者が誰なのか、未だにわからないからです。

第一報

タイムラインを追っていきましょう。

まず最初に報じたのはタブロイド系のThe Sunでした。

The Sunは7月7日付の記事で、BBCのトップスター大物司会者が、当時17歳の子供に卑猥な写真と引き換えにお金を払ったと報じました。

告発したのは母親で、この司会者は合計3500ポンド(63万円以上)を送っているという。

母親によると現在20歳になるという子供が、それまで幸せそうだったのが、お金が送られていた3年間の間に「幽霊のようなドラッグ中毒」になってしまったと訴えました。

「子供にドラッグの資金を提供するのはやめて」「私の子供の人生を破壊した」

「テレビで彼を見ると、気分が悪い」

これまでのタイムライン

4月
母親と義理の父親が警察に届出、後に警察は「調査の結果、犯罪性は確認されなかった」と報告。

5月18日
家族がBBCに出向き、司会者への苦情を申し立て、子供への送金をやめるよう求めた。

5月19日
家族がBBC視聴者サービス電話に苦情を申し立てる。この電話は29分間続いた。電話の詳細は企業調査チームに送られた。チームは家族に調査中であることをメールで伝えるも、返信なし。

6月6日
家族の携帯電話に連絡するが、つながらず。

7月6日
The Sunが司会者に関する疑惑についてBBCの報道局に連絡。BBCのティム・デイヴィ局長と幹部はこの件を初めて知る。BBCは対応タスクフォースを設置。調査の間は司会者を放送禁止に。

7月7日
BBCは苦情を申立てた家族に再度連絡。BBCの重大事件管理フレームワーク(SCMF)が開始され、調査は調査チームからSCMFに移る。またBBCは警察にも連絡。

7月8日
家族がBBCに資料を送る。BBCの大物司会者達が「自分じゃないぞ」声明を出し始める。

7月9日
BBCが当該司会者を停職処分にしたと発表。

7月10日
BBCと警察がオンライン会議を開いて話し合う。警察はBBCに対し、調査を一時停止するよう要請。

同日、当の子供が両親の申し立てを「くだらない」と否定「違法性は何もない」。一方両親側は、子供の弁護士費用を大物司会者が払っていると主張。

7月11日
BBCのデイヴィ局長、大物司会者が弁護士費用を支払っているかは「知らない」としながらも、この件がBBCの評判を傷つけた、と認める。

同日、大物司会者が出会い系サイトで知り合った20代の人物に、罵倒と脅迫メッセージを送ったとの報道が出る。20代は大物司会者の名前を出すぞとほのめかしたところ、罵詈雑言を浴びせたという。

7月12日
The Sunは、大物司会者が、出会い系サイトで別の23歳の女性と会ったという疑惑を報じる。女性は数ヶ月メッセージのやりとりをし、写真を求められたという。その後直接会い、大物司会者による要求の多さに女性が不快さを感じ始めたと主張。

さらにThe Sunは、17歳の時に大物司会者とメッセージを交換したという4人目の人物が名乗り出たことを報じる。

自分ではないと否定した司会者たち

ライラン・クラーク
BBCラジオ2の司会者であるライラン・クラーク氏は、ツイッターで自分の名前が噂されていることを知り、「The Sunの記事だけど、今イタリアで撮影中だから俺の名前は口に出すな」とツイッターで警告

ジェレミー・ヴァイン
同じラジオ2の司会者であるジェレミー・ヴァイン氏も、ツイッターで「ニュースに出ているBBCの司会者が誰であろうと、先ほどのライランと同じメッセージをお伝えします」と当事者であることを否定

ゲーリー・リネカー
「Match Of The Day」の司会者ゲーリー・リネカー氏も、「嫌ってる人たちを失望させることになるが、私ではありません」とツイート

ジョン・ケイ
「BBCブレックファスト」の司会者ジョン・ケイ氏は、休暇のために番組を休むとツイート。「少し多めに睡眠をとり、家族と一緒に長期休暇を楽しんでいるので、明日の朝は目覚まし時計をセットする必要はない。2週間後、サルフォードでBBCブレックファスト・ファミリーと赤いソファに戻る」

ニッキー・キャンベル
BBCラジオ5ライブの司会者ニッキー・キャンベル氏は、ネット上で名前を出した人たちに法的措置をとるとツイッターで警告

ニハル・アルタナヤケ
BBCラジオ5 Liveの司会者ニハル・アルタナヤケ氏は、「毎年と同じように、テニスのために放送を休む。7月17日に放送に戻る」とツイート

政府その他の反応

リシ・スナック首相は、この疑惑は「衝撃的で懸念すべきものだ」といい、政府は「(BBCが)取っているプロセスは厳格であり、迅速に行われると確信している」と述べています。

メル・ストライド労働年金相は、スキャンダルの渦中にあるBBCの司会者を特定するために、議員特権を行使するつもりはない、と述べました。

トーリー党のリー・アンダーソン副議長の広報担当者は「BBCが英国国民に愛され、重要な仕事を続けている重要な機関であることは明らかだ。だからこそ、閣僚が明らかにしているように、この件に関して事実を確定し、適切に行動することが重要だ。」

ルーシー・フレイザー英文化長官は、BBCのデイヴィ局長と話したといい、「BBCは迅速かつ詳細に調査していると保証した」と述べました。

警察は「私たちはBBCに対し、犯罪が行われた証拠があるかどうかの調査を続ける間、独自の調査を一時停止するよう要請した。この査定は、7月10日(月)の朝、BBCの代表者たちとのバーチャル・ミーティングに続いて、警視庁の犯罪専門部隊の刑事たちが主導している」と声明を発表しました。

主張の食い違い

上に書いたように、子供側は疑惑を否定しています。

代理人弁護士はBBCへの書簡の中で「誤解を避けるために申し上げておきますが、私どものクライアントとBBCの司会者との間に不適切なことや違法なことは何一つ起こっていませんし、The Sun紙に報道された疑惑はでたらめです。」

子供側は、The Sunに「記事は事実無根」だとするコメントを発したという。しかし記事は削除されなかったとしています。

一方The Sun側は「我々は彼らの懸念を裏付ける証拠を見た。あとはBBCがきちんと調査することだ。」と述べました。

また母親は、「私たちは(子供を)助けるためにこのようなことをしたのです。どうやって弁護士を雇ったのでしょう?とても悲しいです」と述べています。

継父は「彼らが声明を出したことに失望している。事実ではない。」

名前の推理合戦

現在、この大物司会者が誰なのか、ネット上で推理合戦が起こっているという。オッズ会社が倍率まで出しているとか。

そんな中デイリーメールが行った世論調査によると、イギリス人の6人に1人が、この司会者を正しく認識しているという。しかしその名前は明らかにされていません。

ブリストル地区では、地元住民20人中8人が正解したといい、ケンブリッジシャーのニューマーケットでは29人中10人が正しい情報を知っていたとか。その他の地域では、マンチェスター、イプスウィッチ、セント・オールバンズ、ルートン、ケンブリッジ、ニューカッスル、サンダーランド、リーズ、イルクリー、サウサンプトン、ボーンマスあたりだという。

これらの正解者は、情報源としてSNS情報や友人、周囲の人間などを挙げています。

なぜ名前が特定されないかについて、名誉毀損法やプライバシー法が関係しているという。

というのも疑惑が真実だと証明できれば、公益上の理由から正当化されるが、今のところThe Sunだけが証拠を見ていると言っているに過ぎず、それは証明されていません。

またBBCは、司会者の雇用主としての法的義務があるんだとか。

さらに現時点で、警察は刑事捜査はしていないと表明しており、つまり犯罪の容疑者ではないということかもしれません。

守ったつもりが信用を失う

ちなみにもし仮に有罪となった場合、18歳未満のわいせつな画像を作成、配布、所持、上映することは、たとえその画像が青少年の同意を得て作成されたものであっても、あるいは青少年が自分自身の性的画像を送るよう依頼されたものであっても、1978年児童保護法(2003年性犯罪法で改正)に基づく刑事犯罪となり、最高10年の刑が科されるようです。

いずれにしろBBCはこの事件で評判を落とし、この国営放送を「解体しろ」と主張している人たちに火をつけることになる可能性もあるのでは。

まあ組織を維持するために悪いことは隠蔽するという体質は、どこであっても変わりませんね。

BBCは5月に知って、そこから迅速に対応していればまた違った流れになったかもしれないが、実際には遅々として進んでおらず、というか自分から情報を開示していなかったためにThe Sunにすっぱ抜かれて、気がついたら政府を巻き込む一大事になっちゃいました、っていう流れになった。

でも隠してるつもりでいて、英国民の6人に1人はこの大物司会者が誰だか知っているという。

隠したことによって、もうこの司会者のキャリアは潰されたも同じでは。場合によっては、早めに謝罪することは可能だったかもしれないと思うわけで。

ってことから考えるに、何かを隠しているのか国民を欺こうとしているのかわかりませんけど、対応の遅れがゆえに信用だけを失っているのが見えてしまいます。

そういえばどこかの国営放送も「○○○をぶっ壊す」とか言われてるんでしたっけ。

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2023年4月1日
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