ウクライナ、下院議長解任でパニック「し、し、支援が」――トランプ新議長なら短期限定か

トランプ、下院議長就任に前向き

10月3日に米国議会の下院議長だったケビン・マッカーシー議員(カリフォルニア州選出)が解任されました。

現在下院共和党は、後任選びに向けて動き始めております。

マッカーシー下院議長が史上初の解任――次の下院議長候補は誰だ? まさかのあの大物?

2023年10月4日

↑の記事で、新しい下院議長の候補にドナルド・トランプ前大統領の名前が挙がっていると書きました。下院議長は議員である必要はなく、トランプ氏にも可能性はあります。

これについてトランプ氏は、多くの関係者から下院議長の打診があったことを認め、就任に前向きである意向を示しました。

私が言えるのは、国と共和党にとって最善のことを行うということだけだ。

それについて多くの人たちから尋ねられた・・・私は完全に(選挙に)集中している。その過程で彼らを助けられるならば、そうしたい。

共和党からはジョーダン議員、スカリーズ議員が出馬

一方、共和党内からは現時点で、ジム・ジョーダン議員(オハイオ州選出)とスティーブ・スカリーズ議員(ルイジアナ州選出)の2名が名乗りを上げています。

ジム・ジョーダン議員↓

(略)
極左の進歩的な政策は、私たちの地域社会、私たちの安全、そして私たちの未来を破壊している。国境開放政策をとる政権が混乱を引き起こし、わが国を脆弱な状態にしている。

連邦政府機関が米国民に牙をむき、ネット上での言論を封じ、教育委員会の会合で保護者を標的にし、カトリック信者を潜在的脅威と決めつけ、連邦法執行における露骨な二重基準を目の当たりにしている。バイデン大統領の経済政策のもとで、私たちは金を使いすぎ、アメリカ人は苦しんでいる。

我々は今、国の歴史における重大な岐路に立っている。今こそ、共和党が一丸となってアメリカ国民との約束を守る時である。我々が直面している問題は困難ではあるが、乗り越えられないものではない。我々は、国を改善する変化に焦点を当て、真の解決策を提示することで団結することができる。しかし、何をするにしても、私たちは会議として一緒にやらなければなりません。

謹んで、下院議長へのご支援をお願い申し上げます。

スティーブ・スカリーズ議員↓

私は強い責任感と目的意識を持って、下院共和党会議から下院議長への指名を求めます。

ただ、これに続く議員も出てくる可能性もまだあります。

トランプ、下院議長なら短期限定

当のトランプ氏は、大統領選挙が控えているため、下院議長を引き受けたとしても短期的な就任に過ぎないとFOXニュースに語っています。

トランプ氏いわく、

「もし票が集まらなかったら、私は大統領選に出馬するので、誰か長期政権が決まるまで議長職を引き受けることを考えてくれないかと言われている。

彼らが結論を出すまでの短期間、党のために就任しないかと私に尋ねてきたが、私はそうしたいからそうするのではなく、彼らが決断できない場合に必要であればそうするつもりだ。」

と語りました。

確かにマッカーシー氏の時は、議長選挙を15回も繰り返し、やっとのことで決まった経緯があります。トランプ氏にはそうした混乱を避けるための意図もあるのでは。

トランプ氏は、もし共和党が合意に至らない場合、「30日、60日、90日」という短い期間で議長の座に就くと述べました。

トランプはジョーダン議員を支持

トランプ自身は、ジム・ジョーダン議員を支持しています。

10月5日にTruth Socialのアカウントで、以下のように投稿をしました。

ジム・ジョーダン下院議員は、オハイオ州議会第4区を代表し、ワシントンD.C.で大成功を収める以前からスターだった。
誰からも尊敬され、現在は下院司法委員会の委員長を務めている。大統領として、私はジムに対し、わが国最高の民間人賞である大統領自由勲章を授与する栄誉に浴した。

ジムはスポーツの達人だった!グラハム高校に在学中、彼は4年間とも州選手権で優勝し、156勝1敗という驚異的な記録を残した。ウィスコンシン大学マディソン校では、ジムは2度のNCAAディビジョンLレスリング・チャンピオンになった。1985-86年のNCAA選手権では同階級で優勝。
ジムはオハイオ州立大学で教育学の修士号、キャピタル大学で法学士号を取得。ジムは、犯罪、国境、軍隊/獣医、憲法修正第2条に強い。

ジムと妻のポリー、そして家族は素晴らしい。彼は素晴らしい下院議長になり、私の完全かつ全面的な支持を得るだろう!

またトランプ氏を支持していたトロイ・ネールズ議員(テキサス州選出)もこれに同調し、ジョーダン議員を支持を表明しました。

他にもトーマス・マッシー議員(ケンタッキー州選出)やハリエット・ヘイグマン議員(ワイオミング州選出)など、何人かの議員もジョーダン議員への支持を表明しています。

ウクライナはパニック

マッカーシー下院議長が解任になった理由の一つに、バイデン政権になびいてウクライナ支援を承認し続けていた事が挙げられます。

CNNによると、これまで米国議会はウクライナへの支援として、約1130億ドル(16兆円以上)を承認しているという。米国は世界のどの国よりもウクライナを支援しており、ウクライナにとっては頼みの綱と言えるでしょう。

$113 billion: Where the US investment in Ukraine aid has gone /CNN

しかしマッカーシー氏が失脚したことで、米国の支援が脅かされ、ウクライナはパニック状態だという。

ウクライナの上級議員イヴァンナ・クリンプシュ=ツィンツァゼ氏は、「私たちにとっては災難だ。アメリカの民主主義が機能し、ウクライナを支援することで自国の国益を支えるという超党派のコンセンサスを回復できるよう、事態を整理したい」と語っているという。

実際に米国防総省は、ウクライナ向けの資金が不足しており、米軍への補給を減速せざるを得ないと議会に警告しました。

「今、追加資金がなければ、ロシアが冬の攻勢を準備している今、重要かつ緊急な防空や弾薬など、ウクライナの緊急要件を満たすための支援を遅らせたり、縮小せざるを得ないだろう」

ボクたちのお小遣いがなくなっちゃう

マッカーシー氏の解任は、米国の政府閉鎖を回避するための45日間の暫定的な緊急国内予算案を可決した直後のタイミングで起こりました。

この予算案には、ウクライナへの支援は含まれていません。

ウクライナ政府は、経済を維持するために海外からの資金援助や軍事援助に大きく依存しており、来年度は国際社会から428億ドルを受け取る予定だといい、その大部分は米国からのものだという。

その支援がまだ決まっていない段階での議長解任だっただけに、ウクライナは心配しています。

一番の支援国のアメリカの、しかも支援を承認していた下院議長が解任されて、「ボクたちのお小遣いがなくなっちゃうよー」って事ですかね。

ウクライナのどうしようもない汚職体質

とまあウクライナは相変わらずな他人依存のクレクレ体質ですが、まずその汚職体質をなんとかしなければならないのでは。

実はポリティコが最近、米国の機密文書を入手して報じたところによると、米政府の高官たちがウクライナの汚職について、公に認めているよりもはるかに懸念していることがわかったという。

米国の極秘戦略文書によれば、ウクライナの「高レベルの汚職の認識は、ウクライナ国民と外国の指導者の、ウクライナ政府に対する信頼を損なう可能性がある」と警告しているとか。

10月11日に投票

連邦議会は11月17日までに歳出法案を可決しなければならず、まだ12の歳出法案が未可決だという。

チップ・ロイ下院議員(テキサス州選出)はダニエル・ホロウィッツ氏のポッドキャストに出演し、議会は12本の歳出法案すべてを期限までに通過させることはできないだろうと警告しています。

いずれにしても共和党は10日に下院議長候補者の討論会を行い、その翌日には投票が行われる予定だと言われています。


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2023年4月1日
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