地上戦は近いのか――イランが警告「地上戦が行われたら”巨大地震”を引き起こす」「米国にも損失が降りかかる」

イラン外相「イスラエルの作戦は巨大地震を引き起こす」

イスラエルによるガザ地区への地上攻撃宣言が出て、その開始が延長、延長されておりますが、果たしてホントに始まるのか、だとしたらいつ始まるのか、始まったらどうなるのかなど、いろいろ懸念される今日この頃です。

イギリスなどはイスラエルに自制を求めていますが、イスラエル軍はガザとレバノンで「白リン弾」を使用したと報じられており、白リンは人体に火傷などを引き起こすことから、民間人に危険を及ぼすとして人権団体などが告発しています。

一方イランはイスラエルに対し、ガザ地区の地上作戦を行った場合、それに対応すると警告しました。

イランのホセイン・アミール=アブドラヒアン外相は10月14日の声明で、「パレスチナ人民と市民に対するシオニスト政権の犯罪が続くなら、この地域の状況が変わらないことを誰も保証できない」と述べ、

「イスラエルの作戦は中東全域に戦闘を拡大させ、”巨大地震”を引き起こす可能性がある」

これはブラフでしょうか、それともなにか考えがあるのか。

「アメリカにも大きな損失が降りかかる」

アブドラヒアン外相はさらに、アメリカにも「大きな損失が降りかかる」と警告を発しました。

米国は二隻目の空母ドワイト・D・アイゼンハワーを派遣し、すでに派遣されている空母ジェラルド・R・フォードと合流させて対抗勢力を牽制する狙いですが、アブドラヒアン外相は「ワシントンはイスラエルの像と傀儡を維持するために名乗りを上げた」と述べ、

「戦争の範囲が拡大すれば、アメリカにも大きな損失が降りかかるだろう」

この発言は、アブドラヒアン外相がハマスの指導者と会談した後に発せられたものだけに、何か考えがあるのか。

実際FBIのクリストファー・レイ長官は、ハマスの攻撃以来、米国内で脅威の報告が増加していると述べています。

「脅威は非常に進行中であり、実際、脅威の図式は進化し続けている。ここアメリカでは、ハマスや他の外国のテロ組織が紛争を利用して、自分たちの支持者たちに自国内での攻撃を呼びかける可能性を否定することはできないし、否定するつもりもない。」

カタールの暗部

10月14日夜、アブドラヒアン外相はカタールのドーハで、ハマスのイスマイル・ハニェ指導者と会談した事が明らかになっています。上の米国への警告はその時のものです。

実はカタールにはハマスの指導者が住んでいるといわれており、ガザの住民が危険にさらされている中、幹部は安全なフォーシーズンズホテルで豊かな暮らしをしているという。

またカタールは、バイデン政権がイランに与えた60億ドルが預けられている場所だそうで、カタールという国は表向き”米国の同盟国”と主張しつつも、ハマス幹部にも避難所を与えていると言われているのです。

イランの介入は、地上作戦が実行されるかどうかにかかっている

アブドラヒアン外相が強気の発言をする中、イランは、イスラエルがイランやその権益、国民を攻撃しない限り、ハマスへの支援やイスラエルに対する軍事行動はとらないと発表したと報じられました。

ニューヨークの国連イラン代表部は、

「イスラエルのアパルトヘイトがイランとその利益、国民を攻撃する勇気がなければ、イランの軍隊は交戦しない。抵抗戦線は自らを守ることができる」と語ったという。

これも外相の発言と同じですが、いずれにしてもイランの介入は、イスラエルの地上作戦が実行されるかどうかにかかっているということです。

ヒスボラとの戦いも激化中

イスラエル軍はレバノン南部でもヒスボラと戦っており、攻撃が激化しているもよう。

15日にヒズボラがロケット弾を発射し、イスラエル軍が砲撃で応戦したとのこと。これにより両軍で負傷者が出ているようです。

これは13日にロイター通信のビデオカメラマン、イッサム・アブダラ氏を殺害し、14日にレバノンの市民2人を殺害したイスラエルの砲撃に対する報復として行われたものだという。

イスラエル軍予備兵、装備不足を訴える

ただイスラエル軍は、きたるべき地上作戦を前にして、予備兵達が「装備が足りない」と不満を漏らしていると伝えられています。

イスラエルは拡大する戦闘に数万人の予備兵の徴兵を開始しましたが、タイムズ・オブ・イスラエルによると、防弾チョッキ、ヘルメット、食料などを軍が適切に装備していないとして、多くの兵が個人で購入しようとしているという。

実際に予備兵がガザ近郊やヨルダン川西岸、北部の国境にある部隊に出動し始めると、装備品の不足を訴える声が上がり始めたとのこと。

そのため、多くの人が必要な機材を個人で確保しようとしたという。

これに対してイスラエル軍は、単に物流上の問題だとして「装備の一部を移動させるには時間がかかるが、不足ではない」と述べています。

イスラエルの胸先三寸

イスラエル側によると、現在60万人のガザ住民がイスラエル国防軍の指示に従い、南へ移動したという。

さて以上のような状況を踏まえて、イスラエルはどうするか。現在イスラエル軍は、政治的ゴーサインを待っていると伝えられています。

それとイスラエルが地上戦を引き延ばしている理由は、米海軍の二隻目の空母の到着を待つ意図があるかもしれない。これにより後方支援を得られる事になります。

もしイスラエルが地上戦に踏み切り、イランが宣言通り参入したら、世界はどうなるのでしょう。真っ二つか?


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