映画「ボヘミアン・ラプソディ」でQueen神話復活――フレディ・マーキュリーのホロスコープを見てみた

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ロックバンド・Queenの伝記的映画「ボヘミアン・ラプソディ(Bohemian Rhapsody)」が世界的にヒットしてるというので見てきた。個人的に思い入れのあるバンドでもあり、ついこの前モンセラ・カバリエ氏の訃報もあったばかりというのもある。ただ、なによりフレディ・マーキュリー役の俳優ラミ・マレック氏の“フレディっぷり”が素晴らしいと評判だったので。

むしろ今までQueenを知らなかった人向け?

似てるで言えばラミ・マレック氏よりも、個人的には後半のジョン・ディーコン役の激似ぶりや、ともかくブライアン・メイ役の話し方が「これ本人が吹き替えてるんじゃねーの?」っていうくらいクリソツで驚いた。

ロジャー・テイラーについては似てる似てないよりも、本作ではわりと真面目派に描かれているが、実際はフレディと一緒に遊んでたパーティーピーポーなはず。

それと、この映画のレビューによく見る「端折りっぷりがエゲツない」件はまさしくそのとおりだったが、実質15年以上の活動を約2時間にまとめるのだからむしろよくやった方なのかも。ただ、ファンにしてみれば全部知ってることだらけなので、あまりQueenを知らない人のほうが心に響く作品なのではないか。

しかしバンドの伝記的映画というジャンルで言えば、配役含めよく出来ていて、ファンであろうとなかろうと心動かされる作品には仕上がっていると思う。かく言う私も、帰ってきて思わずQueenのCDを引っ張り出してきて聞き始めたほど。

映画で感じた疑問点(ネタバレあり?)

とはいえ、実際の話を知っていたがゆえに疑問を感じる点も多くあり、その辺はツッコミどころ満点でもあった。(ここからはちょっとネタバレを含むかもしれないので、読みたくない人は次の項へ)

まずこの作品で気になったことで第一に挙げられるのは、肝心の「時系列」がおかしいことだ。映画ではライヴエイド前にフレディがエイズ(AIDS、HIV)に罹った事にしているが、これは事実と違うと思う。エイズはこの映画でもっとも重要なテーマなので、これには異議を唱えたい。

フレディ自身がエイズに罹ったのを知ったのは1987年と言われているので、ライヴエイド(1985年)の2年後くらいのはずだ。これはフレディの最後の恋人と言われ、臨終も看取ったジム・ハットン氏(本作にも登場)の著書「フレディ・マーキュリーと私」に書かれている。

その後ハットン氏もエイズだった事が判明したが、フレディから感染ったと責任を感じさせないために最後までフレディには言わなかった。ちなみにジム・ハットン氏とフレディとの出会いも、映画と著書では時期も出会い方も違う。

これはフレディのパーソナル・アシスタントだったピーター・フリントストーン氏も著書「フレディ・マーキュリー」の中で同様のことを書いていて、周囲がフレディの健康状態の異常を感じ始めたのは1988年頃からだったと書いている。つまりライヴエイドよりも何年か後だ。

また、フレディのソロ活動がうまく行かなくてQueenに戻り、その際に曲のクレジット(つまり印税対象)を個人名じゃなくてQueen名義(全員の共作)にすると合意したのも、1989年リリースの「The Miracle(ザ ミラクル)」からで、ライヴエイド直後(1986年)の「A Kind of Magic(カインド・オブ・マジック)」は、著作者がまだ個人名だった。

他にも時系列についてはいろいろ気になったが、つまるところ全ては映画のラスト「ライヴエイド」のステージシーンを盛り上げるための演出効果を狙ったものなのだろう。ただ上述したようにフレディ・マーキュリーという人物については、エイズ抜きにしては語れないので、そこは事実に基づいてほしかったし、ファンからツッコミが入る要素と思うが。

悪徳マネージャーで描かれているポール・プレンターについては、映画のとおり、実際もクズ人間だったというのはよく知られている話だ。ただ映画ではフレディがクビにしているが、実際は彼が辞めた後もフレディは何かと面倒を見ていたはず。なぜかフレディは彼には甘かった。たぶんこれも映画に感情移入させるための演出設定だろうけど。
ちなみにフレディの死後すぐに、ポール・プレンターもエイズで亡くなっている。

ライヴエイドでの伝説的パフォーマンス

誰もが絶賛するこの映画のラストシーン「ライヴエイド」は、1985年にアフリカ難民救済のために行われたチャリティコンサートで、名だたる有名ミュージシャンが参加してイギリスとアメリカで同時開催され、全世界に生中継された。当然日本でも放映され、芳村真理氏とか井上順氏がスタジオMCしてたのを覚えてる。
【参考】ライヴエイド/wikipedia

Queenは現地時刻で夕方くらいの出演だったが、本来なら盛り上がる夜のプライムタイムで出てきてもおかしくない、世界的ネームバリューがあるバンドのはず。しかし当時Queenは、フレディがソロ活動を始めるなどバンドの危機的時期であり、解散のウワサが絶えなかった。

ところが、このライヴエイドのQueenのたった20分間6曲のパフォーマンスは圧巻で、後に伝説的に語り継がれるものになる。それはメインのアーティストたちから「結局Queenに全部持っていかれた」と嫉妬されるほどで、これまでの解散説をふっとばすものとなった。実際これを機にフレディはソロ活動を諦め、Queenに専念することになる。

映画でラミ・マレック氏演ずるライヴエイドでのパフォーマンスは「ほぼフレディ完コピ」で、音源は実際のものを使って口パクだけど、ディテールの再現が凄い。映画ではこのラストのライヴエイドのシーンが「Queen知らない世代」にも評価されており、やっぱりこの時のパフォーマンスは音楽シーンに語り継がれるものだろう。

Queen – Live AID 1985 Full Concert (Best Version) (HD)

フレディ・マーキュリーという不世出のキャラ

映画の中でも語られているが「フレディ・マーキュリー」というのは芸名で、本名はファルーク・バルサラといい、インドのザンジバル島で生まれた。当時インドはイギリス領であり、両親はペルシャ系インド人で敬虔なゾロアスター教信者。実際、フレディの葬儀はゾロアスター形式だったようだ。

フレディが17才の時にザンジバル革命が起こり、家族はイギリス本土に移り住んだ。イギリスでフレディはその容姿からパキ(パキスタン系)と言われてストレスだったようだ。

実際、過去さまざまなバンドのフロントマンの中で、フレディほどのカリスマ性を持った奇才もいなかったろう。ソングライティングの才能はロックの枠にとらわれず、時にオペラやフラメンコなど様々なジャンルを取り入れた作品を創り出した。それだけでなく、ステージで観客を巻き込むパワーは、4オクターブと言われた声域とともに支配的であり、オーディエンスを魅了し続けた。

エイズによる死

フレディ・マーキュリー氏:生時不明

フレディ・マーキュリー氏:生時不明

フレディがエイズと診断された1887年頃は、海王星とトランジットの海王星が90度、冥王星とトランジットの冥王星も90度、天王星とトランジットの天王星は180度になっていた。

フレディの海王星は天秤座だが、エイズは天秤座の病気である。当時は治療法も予防法もわかっていない、まさしく「正体不明の伝染病」で、手をつないだだけで伝染ると言われたりもし、ひとたび伝染ると死は不可避だった。実際フレディもポール・プレンターもエイズで助からなかった。

Queenは、フレディがエイズに罹ったとされる頃から表立った活動はしなくなった。その間も曲はリリースし続けていたが、観客の前に立つライブやメディア出演はしなくなり、MV(ミュージックビデオ)においても過去の映像や、アニメーションを使ったり、子役に演じさせたりして、極力フレディ本人が登場しないような作りになっていった。

フレディ自身も、1990年2月を最後に公式の場に姿を出すことはなくなり、このことから、徐々にマスコミが「フレディ=エイズ?」のゴシップを報じ始めた。

1991年発表の「輝ける日々」(These Are The Days Of Our Lives)のMVが、フレディ人生最後の公式に表に出た姿である。この頃は病状も深刻で、やせ細った姿は全盛期の見る影もなく、顔は白塗りで誤魔化したためにモノクロ作品になった。

このMVについて衣装スタッフだった人が後に語ったところによると、擦れて皮膚へ負担があるためシルクの衣装にしたにも関わらず、それでもフレディが辛いために小割にしてしかカメラを回せなかった、みたいな事を言っている。

Queen – These Are The Days Of Our Lives (Official Video)


いつ見ても最後の「I still love you.」が物悲しい。

フレディー・マーキュリーは1991年11月24日(45才)にロンドンの自宅で亡くなった。このときTVで速報が流れたのを覚えている。

前の日にエイズであることを公式に発表したが、その次の日の事だった。

この映画でQueen、というかフレディ・マーキュリーという不世出の人物を知る人が増えることになれば、ありがたい。


(2018/11/24訂正)フレディ・マーキュリーの出生証明書に生れ時間の記載がない事がわかったため、ホロスコープ解説の部分をカット・ホロスコープ図を削除し、生時不明のものと差し替えさせていただきました。
(2019/1/7記事一部削除)


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2023年4月1日
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